見出し画像

#001 司との顔合わせ〜初対面編

司とは不思議な縁を感じる


歳も出身地もすごしてきた環境も違うのに

「確かに」

「わかる」

お互いに連発してしまうのだ
言葉がかぶったこともたくさんあった


これから司とどうなっていくのか
どう教育されていくのか
どうしたら喜んでもらえるのか
私の人生が大きく変わりはじめていた

それは楽しみなようでとても怖いこと

興味があるようなないような
そんな不思議な人だった

会う前の通話では物静かで
反応がイマイチだったにも関わらず
会う場所を自宅の近くにしたいと
メッセージをしたら

「初出しですね!」

と急に距離感をつめてきたのを覚えている


約束の日

私はいつものようにサウナを楽しんでいた

今日はお茶をするだけなので
入念に身体の手入れはしていない
身支度をしっかり整えた
ピアスとネックレスも完璧

あとは司に会うだけ

今夜は雨
暗い夜の道を
ワイパーで雨を避けながら
待ち合わせ場所にむかう

適当なファミレスを待ち合わせに
してしまったことを後悔

ロイヤルホストに変更しようか
それともスタバにしようか
いろいろと頭をめぐらせていた

待ち合わせ場所に早く到着
いつものように司に連絡
着いたら連絡してねとメッセージを送る

司も約束の 10 分前にはファミレスに到着していた

時間に余裕を持ってくる人なんだなと好印象

こんな普通なことが
できない人が意外といるのだ
そういう世界にこの時のわたしは居た

彼の車種と色を確認し
雨の中
司の車へとむかった

車の外に到着しても
司は気がつくようすはない
ずっとスマホをいじっている

ドアをノックした

「 こんにちは 」

挨拶をした

司は写真とは少し違う印象だった
実はプロフの写真は全くの別人だったのだが
このことに気がつくのは
しばらく先のことになる

なぜから私にとって顔は
そこまで重要ではないからだ

丸顔でいまどきのセンターパーツ
電話で声が小さいと思っていたけど
会ったときもそれは同じだった

今にもかき消されそうな声の大きさだから
司との時間は車の中がよかった
そもそも向かい合って座るというのが
好きではないから
となり同士で座りたい

司に夕食を食べたかきいてみた
どこに行くか決めるためだった
合わせるよと言ってくれた

これは優しさなのか興味がないのか

私はロイヤルホストかスタバか提案をした
私はお腹が空いていなかったから
スタバを提案

司はこの辺りの土地勘がないはずだ
彼は若いし私がリードしよう
このときはそうおもっていた

いまいち気乗りしていない司

スタバにむかって車を走りだした
大きな国道を走って少し経ったとき
赤い看板がみえた

「 マックだ、マックにいこう! 」

突然いいだした
強い眼差しで私を見つめる

マックがいいのは
やはり若者なのだろうか
司がはじめて強く主張した瞬間だった

ここから司は主張し続けることになる
合わせるといいながら
それはまるでド S のように・・・



よろしければサポートお願いします!いただいたサポートは書籍購入費用に充てます。