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裏アカ6人目① 既婚者タケ 出会い編


彼と過ごした時間は
とても深く濃厚なものだった

私は彼と恋に堕ちた

また新しい恋ができる
新たな出会いに私は浮き足立っていた

しかし彼と過ごしたのは4週間だけ
そのうち後半の2週間はもがき悩み苦しんだ


彼は私を深く傷付けた

彼は私が嫌いなことをした

そう私のことを騙したのだ


彼は既婚者だった



彼との出会いは 寒い寒い12 月の冬

彼からDMが届き
次の日にはもう会う約束をしていた

テンポがよく気持ちのいいやり取りだったことを
今でも鮮明に覚えている

この界隈では珍しく丁寧な自己紹介をして
早々に写真を送ってきてくれた彼

冷静に振り返ると
彼は悪い意味で大人で手慣れていたのだ
年齢もビミョウに誤魔化していた

しかし裏アカ初心者の私はそうとも気が付かず
好印象を持ってしまった


下心だらけの彼と

とにかく致したかった私


2人はすぐに意気投合した


そして約束の日

約束の時間に彼はいなかった

こんなこと今までの人生にはなかったから
ややテンションがさがる私

少し経ってから彼が現れた

彼曰く

「緊張してビール飲み過ぎた」らしい

その時は
嬉しいこと言うねと思ったけど
ただただ勝手な男なのだ


この日の店は庶民的な居酒屋

私よりも年上で
できる男を想像してたから
この店のチョイスは少し残念

今振り返れば彼は既婚者で
自由に使えるお金があまりなかったのだろう


車で行った私がアルコールを飲んだ時点で
泊まりは確定
2人ともスイッチは入っていた

事前にそうなることはわかっていたから
個室の居酒屋を選んだし
早い段階から触れ合っていた


お酒はそこそこにホテルへと向かう2人

彼はラブホテルが嫌いで
会うのはいつもビジネスホテル

この時も
彼は居酒屋からビジネスホテルを予約した

その予約はとても手慣れていて早かった


ここまで時間はまぁまぁ楽しかったけど
ベットでの彼は最悪

生まれて初めて
昭和のAVみたいな致し方をされたのだ

普段とは違う執拗な言葉責め

正直いやだった

でも彼は長持ちしない人でもあったから
早々に終了

助かった


帰り道は致している時とは全くの別人で
楽しく談笑をした

別れた後

「 もう会うのやめるね 」

LINEでそう伝えたら

彼はもうしないから
また会ってほしいと返してきた

それが少し嬉しかった

そして次の約束をした

それから毎週、彼と身体を重ね
3 回目に会った頃はもう恋人になっていた

しかし事件は突然起きた

通話中珍しく彼が婚外の話を始め

「実はオレ結婚してる」

まさかのカミングアウト


最初に聞いたよね?
どうして堕ちてから言うの??

その事実、最後まで聞きたくなかった

その場は適当な言葉でとり繕ったけど
帰って部屋で1人になったとき
ふと涙が溢れた

もうこんなに好きなのに
離れたくないのに
なんでこのタイミングなんだろう

彼は会いたいといえば
いつでも駆けつけてくれたし
通話もしていた

でも確かに家に呼ばないし
住んでいるところも言わなかった

あれ、朝まで一緒にホテルに泊まったよね?

悲しさと同時に不安に襲われる
私奥さんにバレたらどうなる??
これって私が1番恐れていたことでは???
もう頭の中がパニック


まだ出会って初期であれば簡単に別れられたが
もう完全に沼っていた

とはいえこの関係は続けられない
続けたくない

2022年
彼との別れに向けてスタートを切るのであった

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