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Colaboの定款が黒塗りの謎|利益相反取引は合法か非合法か?

一般社団法人Colaboの問題はインターネット上で、一般富裕層男性の暇空茜氏が東京都福祉局からの委託事業を営むColaboの不正を暴くべく、東京都に住民監査請求したことから始まった。

そんな一般社団法人Colaboの監査結果は「不適切な経費計上があった」とするものだったことが、2023年1月4日17時55分、時事ドットコムニュースより発表された。
委託事業で不適切経費 若年女性の支援巡り―東京都監査委員

そして、暇空茜氏は12月22日のNOTEで東京都に定款等の開示を求めて訴訟することとなった。

(引用 https://note.com/hima_kuuhaku/n/n1141e3c72d70

◆倫理的に良くなさそうな利益相反取引だけど…

また、暇空茜氏は利益相反取引(Colaboの理事は別法人の理事もしている。別法人の理事をColaboの勉強会の講師で招いて謝礼払うような取引)で儲けているだろう!と主張している。

筆者も、倫理的にはよくなさそうだと思う。

だけど、法的にはどうなのか検証していきたい。

◆そもそも定款ってナニ?

定款はその法人の基本事項を定め、設立後の法人運営にも大きな影響を与える設立時の重要書類のうちの一つだ。
※実物を見たい方は、下記PDFの26ページあたりからです。
【Ⅰ 一般社団法人定款記載例】 - 日本公証人連合会

https://www.koshonin.gr.jp/pdf/shadan_h270728.pdf

定款には絶対に書かなければいけないこと(絶対的記載事項)と、相対的記載事項・任意的記載事項がある。

絶対的記載事項は以下の7つだ。

  1. 目的(何の目的でその法人を設立するの?)

  2. 名称

  3. 主たる事務所の所在地

  4. 設立時社員の氏名または名称及び住所

  5. 社員の資格の得喪に関する規定

  6. 公告方法

  7. 事業年度

定款は作成後、公証役場(この定款は正式なものだよと認めるところ)で「定款の認証」を受け、法務局に提出することになる。そして、法人は立ち上がる。

◆東京都は何で黒塗りにした?

もちろん何か隠したいことがあるから黒塗りにするはずだ。だけど、上記のことって知られても特に困らないことだらけだ。利益相反取引と何の関係があるのだろうか?

◆ここでザル法 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律の登場

要約するとこんな感じのことが書いてある。

まず、定款には、設立時社員の氏名または名称及び住所は絶対に書かなきゃならないよ。一般社団法人の社員は株式会社でいう株主ですね。株主総会決議で社長すら退任させられてしまう重要事項等を決定する「意思決定機関」です。

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律では、税務上のメリットがあるのでColaboのような『非営利型一般社団法人』を作るときは、理事を3名以上置く必要があるよ。※一般社団法人Colaboは何法人?

だけど、非営利型の一般社団法人は『親族関係にある理事の数が理事全員の3分の1以下であること』という『親族制限』があるのだ。だけど、『その理事の親族等である理事』の合計数が『理事の総数の3分の1以下』なら親族を入れていいですよ。

理事と社員は同じ人でもいいですよ。

ここがキモです。
競業及び利益相反取引の制限があるよ。社員総会で承認されなきゃダメだよ(けど、理事と社員は兼任してもいいよ)。


(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=418AC0000000048

理事と社員は同じ人でよくて、その社員総会で決めたら、利益相反取引しても合法だよ!

これで利益相反取引に制限ってかかりますかね?私なら、理事と社員は同じ人にします。だって、他の人を入れて反対されるのめんどうじゃないですか。私が小池百合子都知事なら隠したいです。だって、理事と社員は同じ人だってバレたら倫理的に問題だよとまた騒がれちゃうじゃないですか。

◆最終結果は東京都への開示請求でしか分からないですね

筆者はたぶん、社員総会の承認を得て、利益相反取引してると思いますけれど!
だから、結局は、法改正するしかないんじゃないかな?

田口ゆう


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