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キラキラ系福祉メディアの不祥事|やりがいや労働力を搾取されてることに気づこう

いわゆるソーシャルグット界隈が炎上続きの最近。そもそもあいである広場はそういった感動ポルノ的に障害者・支援者について書くメディアに対するアンチテーゼとして作ったwebなので、正直なところ興味がなかった。ちらほら耳に入ってくるけど、いまいちつかめなかったけど、狸穴猫さんのnoteでやっと全体を理解した。

私自身は離婚後に一時期、特養老人ホームで働いてた。それから介護福祉業界に関わり、取材を通じて実態を知るうちに、この問題って私が高齢者介護をしていた5年ほど前と大差ない話だと思った。

私は異業種転職組だったので「なんだろ。この業界は」と違和感を覚えた。「高齢者(障害者)の方の笑顔がやりがいです!」と低賃金でも喜んで働いてしまう介護職の方たち。営利よりも非営利が尊いという不思議な感覚。私は飲食業界出身だけど「お客様の笑顔がやりがいだし低賃金でもボランティアでも構いません!」なんて思ったことはない。生活があるのだから。労働に対して正当な報酬を得るのは当たり前のこと。

SNSの介護系グループの投稿を読んでいると介護福祉職は「聖職」であり「聖人しかやっちゃいけない」みたいな投稿がものすごく多い。

「社会貢献」「ソーシャルグット」「生きづらさ界隈」「地域共生」とかすべての用語が「もわん」としてて、何一つ、具体的に見えてこない。

その「キラキラした言葉」「雰囲気」みたいなものは、当然、そこで利益を得ている人がいるから変わらない。経営側としたら、人件費は安く済むし、その用語で「洗脳」して「搾取」することをやめるわけがない。そして、むしろ「そんなキラキラした言葉」「雰囲気」の中で夢を見ていたい!と思っている支援者が多いのだから、その中で活動している当事者もそうなって当然だろう。

そういった空気の中で起きたのが、この一連の不祥事だろうというのが私の感想。

いい加減、「やりがい」「生きがい」「労働力」を搾取されていることに気づこうよと思う。

キラキラ系福祉webが当事者やサバイバーの方に適正な原稿料を支払っていない。ボランティアとして使い捨てにした。そこに驚きもない。

あいである広場にも「ボランティアでいいので書かせてください!」「何か手伝わせてください」という当事者の方の問い合わせがとても多いからだ(あいである広場はキラキラしてないので少ないほうだと思ってる)。弊社は障害当事者でもサバイバーでも特別扱いはしない。プロとしてどれだけの原稿を納品できるかが採用基準なので、障害があろうとなかろうと、原稿料は実績だし納品原稿の質で決める。それが本当の「公平」だし「平等」だと思ってる。

だから、当事者やサバイバー、マイノリティの方自身に思って欲しいのだ。もちろん搾取する側が悪いのは言うまでもないけど、自分たちが「適正料金を払え!」と声を上げなければこの現状は変わらないということを。

今の世の中、自分の経験を発信したければ、わざわざweb媒体で書く必要もない。noteで有料記事を書いてもいいし、搾取されるくらいなら自分自身で発信する手はいくらでもある。

ボランティアを全否定しないけれど、ライター業界でいえば、ボランティアで書きます!って人がいれば業界全体の単価は下がる。そしてクオリティも低下する。なので、プロにとってもアマチュアにとってもいいことはない。

「適正な料金をよこせ!!」「労働は労働として適正価格で評価しろ!」「搾取するな!」と声を上げていこう。

それなくして、この業界が変わると思えない。あきらめに近い気持ちが私にはある。

あいである広場より転載




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