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傷ついた・しんどいと伝えること|正直な気持ちを伝えることの大切さ

私は自分の正直な気持ちを伝えるのがすごく苦手だった。「何でこの人はこんな言い方をするんだろう」とモヤモヤしたら、同じように嫌味で返していたし、耐えきれなくてなって怒ってしまったり……そんなコミュニケーションをしていた。

だけど、この数年で、「正直に自分の気持ちを伝える」という人たちに出会って、その考えを改めた。今ではなるべくストレートに伝えるようにしている。


特に男性は「傷ついた」「しんどい」と言いにくい

DV取材をしていると加害者・被害者になりやすい人は、そのシンプルな一言が言えないんだと気づく。

特に男性は「男らしさ」に縛られて「傷ついた」「つらい」「しんどい」と言えない人が多い。それなので、加害しているのが女性側なら、女性側にストッパーがかかりにくい。被害が深刻なりやすいのはそのせいだろう。

そして、女の私はやはり男性から「傷ついた」「しんどい」と言われると、昔は「男らしくない」「男のくせに」と思っていた。

相手を責めるのが目的じゃないからこそ

「傷ついた」「しんどい」「つらい」と言われると昔は「冗談が分からない人だ」「子どもじゃないしそんなこと言うんだ」と自分を正当化してた。
だけど、同時に「自分がしている(言ってる)ことは相手を傷つけることなんだ」ということに気づいて、すごく恥ずかしくなる。

半無自覚なんだと思う。相手を攻撃していることは分かってるんだけど、それを自分の中で言語化できていないからこそ、正当化しようという気持ちが沸く。

知人に「嫌味を嫌味で返しても仕方ないでしょ。目的はその言葉や行為をやめてもらうことなんだから、正直に自分の気持ちを伝えたらいいですよ。別に相手と喧嘩するのが目的じゃないんだから」と言われて、すごくハッとした。

私は「傷ついた」「つらい」「しんどい」を正直に言えないからこそ、嫌味を言われたら嫌味で返し、相手を攻撃していた。半無自覚だろうと、相手はこちらを攻撃しているんだから、攻撃し返していただけ。だけど、それで何か解決したかって何もしない。関係性が悪くなるだけだった。

「私が傷ついた」に対して正当化する言葉はない

「そういうこと言うと傷つく人もいますよ」なり「一般的にそういうことってハラスメントですよね」と主語を自分以外にすると、相手も言い訳ができる。
「面倒な世の中だ」「一般的にそうなんだろうけど、うるさい奴だ」など。

だけど、「あなたのその言葉で私は傷ついた」に対して、正当化できる理屈ってない。「私」は傷つくし「私」はその行為が嫌でしないで欲しいと言われると「しません」か「し続けます」しか選択肢がなくなる。

知人に「それでも辞めない人はそういう病気だから、距離を置くなり離れるなりすればいい」と言われて、すごく納得した。

慣れてしまうととても楽なコミュニケーション

ここ数年、「私は傷ついたからやめて」「私は嫌だからやめて」ときちんと伝えるようになって変わったのは、周囲の人間関係だ。

そういうストレートなコミュニケーションが嫌だって人は離れていく。残るのはやはりストレートに気持ちを伝えてくれる人たちだ。

自分だけがストレートに言うようにしても、相手がそれを受け止めてくれる人じゃないとそのやり方は通じないから。

だけど、そういう人間関係ってすごく楽なんだよね。「あの言葉で相手を傷つけてしまったのではないか」とか「不快にさせちゃったんじゃないか」って自己嫌悪に陥ることもないから。相手もそう思ったら、きちんと伝えてくる人だと無駄に悩まずに済むようになった。

シンプルな言葉には力がある

パートナーとの関係でも「私はこうでああで、あなたのこういう行為って最低だしひどいよね。私がいつもどれだけ傷ついてると思ってるの?」って感じで責めると、反発したくなるんじゃないだろうか。私はそうだ。

だけど、シンプルに「そう言われると傷つく」「そういうことされるとしんどい」と言われると「そういうつもりじゃなかったけど、傷つけてごめんね」「しんどいならもうしないね」など、素直に聞き入れられる。

大人になればなるほど自分の感情って素直に言わなくなるものじゃないかな。

だけど、シンプルな言葉のほうが、パワーがあるって思う。目的は相手と分かり合うこと。傷つけることじゃない。今はそう思って生きている


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