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テイクアウトが満たす、空腹と希望

2020年春。
新型コロナウイルスの流行により、世界中で思ってもいなかったような日々が続いています。各業界、非常に厳しい状況に直面している中で、飲食業界の打撃は相当なものではないでしょうか。

私も携わる仕事の一つがケータリング事業で、大分類としてまさに飲食サービスに位置付けられ、2月末以降、いただいていたお客様からの依頼は全てキャンセルとなり、また新規でのご依頼もしばらく入っていないような状況です。

「食」というものは、人間が存在する限り絶対に必要なものであると思っていました。もちろんそれは間違いないのですが、"サービス"としてのそれは、時として必要ない・・・というのは少し表現として悲しすぎますが、今回のように自粛を求められる"モノ"なのだなぁ、と気づかされた感じです。分かっていたとは思うのですが、当たり前になりすぎていたんですね。

飲食店では、テイクアウトの対応を「できることからやっていこう」と、前向きに始めている店舗さんをインスタなどの投稿でよく見かけます。応援したくなりますよね。もしそれがお気に入りの、あなたの行きつけの、お店だったら尚更。

そんな中で、「マイバッグをお持ちください」に併せ、さらに「できたらマイBOX(タッパーなどのコンテナ)をお持ちください!」と呼びかけているお店も見かけます。

これ、すごく大事です。

もちろん、いつもの私でしたら環境問題に目を向けた想いで「ゴミ削減!save the earth!! 地球に優しく、地球と仲良く〜」(こんなに並べるとちょっと、うざいね。笑)と、そのことを伝えるかと思うのですが、今回はそれ以上に利益という意味でのお話しをしたいと思いnoteに向かっています。


テイクアウトを始めるのはいいものの・・・

これ、飲食の店舗運営をしてる人でも、どこか疎かにしがちな計算の話なのですが、あの容器やカトラリーにもお金はかかっている訳で。
私も前職では店長としてカフェの店舗運営を長年に渡り担っており、店舗では通常メニュー、また本部から下りてくる季節メニューに併せて、プラスαの売り上げを立てるべく、アルバイトの子たちと一緒にオリジナルのメニューを作ったりもしていました。
ほら、日本人って限定に弱いでしょ。

自由なアイデアを形にして、テイスティングしていく中で、私は「原価と利益」もこっそり(笑。だってそれが前面に出ちゃうとなんも面白くないですから)計算。
テイクアウトだけのお店だったので、その原価に入ってくる消耗品の額には、「これなかったらもう少し利益でるのになー、」と(そういうわけにはいかないが)思ったことが何度もありました。

パッケージはデザインやコンセプトにこだわったりすると、そう安価にはできなかったりする部分。ス●バさんとか、季節で色々できていいですよね。(それが購買意欲に繋がって、逆に爆発的に利益を生み出すこともあるのですが)

さらにいうと、業務用の資材ってロットがデカイ!!!笑
一度に1000とか、たまに5000とか買い取らないとならなかったり。もちろん小ロットなものもあると思うけれど、割高なのは間違いなく・・・。

「なんとかお店を続けるためにも売り上げを出さなければ・・・」という思いでテイクアウトをやるにも、アルバイトさんなどは減らして人件費はかからなくとも(これが一番デカイことは確かだからね。。。)別途、新たな「包材(消耗品)」という経費が発生するんですよ。これまでテイクアウトをやっていなかったら尚更、イタイ経費。

売り上げの見込みも読めない中、初期投資として今の状況の中では正直イタイ、と感じる経費が発生してしまう。

ちなみに、こういったおしゃれ商品で一個80円弱。1ロット・240個入・・・激安、とうたうサイトでしたが。

「マイタッパー持って行っていいですか?」

それを考えたときに、皆んなが何か器を持参してきてくれたら、お店はどんなに嬉しいことか!!
テイクアウトにかかる包材費等は、一食につき100円ちょっとくらいかな、、(容器、カトラリー類、おしぼり←要らないよ!これ入れたら結構いく。そして手提げ袋)
きっと、オーナーもシェフも食材やそのお店の良さであるクオリティは下げたくないと思いながら(そうであって欲しい)、原価とにらめっこしてメニューを考えると思う。
そこに乗っかってくるこの消耗品の金額は利益に対して大きな壁なんだよね。

ほんとね、数百円、数十円の話をしています。

でもこの状況の中、お店を助けたいな、力になりたいな、と思ってテイクアウトを利用するのであれば、ぜひそこまで考えてあげることができたらもっと力になれるんです。

もちろん、衛生上の観点からそれを嫌がるお店もあるので、そこは一度「今日、テイクアウトやってますか?」の事前連絡、予約(あ、これも大事だね、フードロスも極力なくしたいだろうし)に併せて、

「マイタッパー持っていってもいいですか?」

って、聞いてみてあげてください。その一言が、助けになるんじゃないかなぁ、と私は考えています。


マイ〇〇のこれから

ちなみに。カフェの《マイカップ利用で20円引き》とかは店舗にとって痛くもかゆくもないのよ。(※個人的且つ経験者の見解ですw)それ以上にテイクアウトの容器等には経費がかかっているから。

でも、お客様はちょっと安くしてもらって、さらに最適な温度のまま長時間でもドリンクを楽しめるし、お店は(一定の割合でマイカップを利用してもらえれば)経費を抑えることができる=利益に繋がるし、この行動はwin-winということも知ってほしい。

もちろん、この厳しい事態が終息した後も日頃から、マイ〇〇(こういうのの総称ってなんかないのかな?)の利用がより当たり前になるといいな。

ここのところは「コロナ、コロナ・・・」で、この間まで「SDGs、SDGs!!」って言ってた人たちどこ行った??!と先日友人がぼやいておりましたが、環境を考えることもこんな時も忘れないで欲しいな。

ちょっとだけ経済の話

・・・欧米では、
ちゃんと政府が事業者への手当を保障した上で、「今は休業するように、自粛するように」と動いています。日本は…なんかちょっと違うね。

「タピオカが流行ったあとは経済が崩壊する」というジンクス。
第一次ブームの後はバブル崩壊
第二次ブームの後はリーマンショック
今回はこの二回のブームよりもさらに流行っているから、2020年はどんなことになってしまうのか・・と昨年末ラジオで話していた人がいました。
誰もが少し予想していた、オリンピックの後のそれなのかな、、と私は思っていたけれど、これか。。。

「コロナショック」

・・・てか、ジンクス怖っ!!!


話がちょいとそれてしまいましたが、、、

「今は我慢して行かないけど、この状況が明けたらたくさん食べにいくよ!飲みに行くよ!」「きっとその時の喜びは言葉に代え難いものなんだろうなぁ!」

・・・確かに、確かにそうだと思います。けれど現場からしてみたらそんな言葉だけでは食ってけないのです。だって、明けた時にお店畳んでたら、、、ね。
だから、お店ではそうならないためにも、そう言って待ってくれている人たちのためにも!テイクアウトという形で、できることから始めていると思います。(ランチに限らず、夕方もスーパーでお惣菜買って帰る代わりに、行きつけの飲み屋でお惣菜買える、とかどうだろうか)

コロナショックの状況下でのテイクアウト利用の個人的見解、もし何かの気づきになっていたら嬉しいです。



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