モラとはお互い様であるか？

（個人的な心境の変化です。
他の被害者の方にはあまり当てはまりません）

　

　被害者は、自分が悪いという思いにとらわれる。

だけど、相手のひどい言動に耐えかねているので
相手が悪いんだという気持ちにもとらわれている。

　反論しようものなら怒声となって倍返しを食らうけど
黙って受け入れるわけにもいかないような飛躍した論理が飛んでくる。
当然黙っていてもモヤモヤはたまるのだ。

　言い返すと怒声のついでに
「お前こそ」だとか「お前のせいだ」という言葉が
しっかり入ってくるもんだから
よけに罪悪感を抱くようになってしまうのである。

これには私もずいぶんと悩まされた。

　周囲に助けてもらったときに出来事を話す際、
やはりなんで私のせいだと言われなきゃいけないんだ、
という気持ちが抜けずにあんなこともこんなことも
されてきたという話し方になった。

　モラハラ被害というのはこれはダメすぎる、
という目立った部分がある。
それに関しては被害者は行わないし、
お互い様でも何でもない行為だ。

　この部分を私は周囲の人に話した。
当然、それはない、という話になった。
当たり前である。度が過ぎているのだから。

　人に話したことで、私の知らないところで
モラが私をどう言っていたか、
私に対してどういう言動をしていたかを
新たに知ったのだが、それはここでは割愛する。

　で、話をして、ふと思った。
私はモラを完全な悪者になるように言ってしまったと。
悪いのは悪いのだけれど、なぜかしっくりこなかった。

でも今、その謎が解けた。

　はじめはお互い様だとか、
相手を理解して包み込もう、許そうだとか、
そんなふうに思って接していたのに、
全部こちらのせいにされ罵倒され続けることに耐えかねて
同じような言動を自分もしていたのではと思っていたのだ。

　だから罪悪感は多少正当性のあるものだった。

お互い様であることを認められず暴言で返され、
それにたまらなくなってしまっていただけだ。
人に話すときにその気持ちのままだったのだ。
そういうことに気づけた。

　お互い様だからといって私が暴言を吐いたり
ねじ伏せて相手をコントロールしたり
ストーカー行為をしたわけではない。
その部分に関しては行き過ぎているし、
もちろん相手がおかしい。

ただそれ以外の部分では
人間関係である以上過失の割合は
どちらにもつくので、
こちらも悪かった部分がある。

　これを理解できたら、
正当な罪悪感と不当な罪悪感の
見分けが少しつくようになって
気持ちが楽になったのだ。

　ただ、世の中の被害者は
ほんとうに悪くない。全く。

微塵も正当性のないことで
当たり散らされている人もいる。

私の場合、お互い様だと思うことで
少し気持が落ち着いたのだけど、
他の被害者は私の身に起きたことよりも
お互い様とは言いがたい経験をしていることだろう。

　私はお互い様と思えば気持が楽になる部分があったが、
相手が障害だから、病気だからと思えば
なんとか楽にやっていける人もいるだろう。
（実際にモラはおかしい人物であることが多い）

　私のこの少しの心境の変化は
他の被害者には当てはまらないと思っている。
というか私よりも圧倒的に悪くない被害者が
かなり多くいるという印象だ。

だからどうかこれを読んでも凹まずいてほしい。
大丈夫。あなたを苦しめるモラは、おかしい（笑）

世の中のモラハラはほぼお互い様ではない、
と思っておいて間違いないだろう。