見出し画像

不毛と愚行の青春奇譚、四畳半神話大系なる物語について徒然なるままに記す

画像8

諸君は存じているだろうか。
不毛と愚行の青春奇譚
その名も四畳半神話大系

この物語について語るにあたって少しばかり私の話をしよう。私は元来アニメというものが嫌いだ。アニメなんて娯楽に走る者はそれこそ愚行も愚行。人生どうせ生きるのであれば有意義で価値あること、すなわち読書であるとか人生哲学について論じるであるとかそういったことに時間を投資すべしと考える者である。アニメに没頭する人間というのは暇を持て余す怠惰な連中で、私はそういった者とは一線を画した生き方をしたいと常に考えているような男である。

一方で私は偏見と固定概念で全てを判断するような愚かな人間ではない。アニメだドラマだ映画だなどは物語を語りし手段にしか過ぎないのであり、時にはアニメのような一見単なる娯楽に見えるようなものにこそ人生において考えるべき有益なメッセージが伝えられている可能性もあるのである。特に昨今においてはコロナウイルスなる疫病が流布せし現代、例に漏れず退屈な可処分時間が増加していく中、時にはこういったアニメなるものにも触れてみようか、それこそが文化人としてあるべき姿勢であると考え、模索していた最中出逢ったアニメこそが四畳半神話大系なのである

普段から私を知る者、また私のnoteなる執筆作品に触れている諸君からすれば今回の文章が非常に奇をてらった口調と内容であることは感じられるであろう。そういったことは重々承知である。そこには理由がある。理由がなくて文体を変えるようなことがあろうか。実は口調こそが四畳半神話大系の主人公である「私」の口調と酷似しているのである。そう。既にこのnoteの書き方、口調から私の四畳半神話大系を説明するという行為は始まっているのである。気づかなかったであろう。気づくはずもない。

概略

画像1

不毛と愚行の青春奇譚。四畳半神話大系の概略について手始めに語ろう。四畳半神話大系は京都大学3回生の「私」が薔薇色のキャンパスライフを歩むべくパラレルワールドで奮闘する物語である。「私」は下鴨幽水荘なるボロアパートに住む冴えない大学生。恋人を作り、夢と希望を持って生きる綺麗なキャンパスライフを羨望するも悪友である「小津」に邪魔をされ、片思いの乙女「明石さん」とはお近づきになれず、なんやかんやで堕落し、冴えない大学生活を送るようになる。

こうして冴えない大学生活を送ることになったのは1回生の時にサークル選びにおいて失敗してしまったとの仮説のもと、「1回生の時に他のサークルを選んでいたなら薔薇色のキャンパスライフを歩んでいただろう」と考えるとサークル選びをしていた1回生の頃に迷い戻っていく。連続ドラマのような展開で各回分かれているのだが、各回では毎回「私」は別々のサークルに所属をする。しかし結局、悪友である「小津」に邪魔をされ、片思いの乙女「明石さん」とはお近づきになれず、「私」は堕落していく。私に薔薇色のキャンパスライフは訪れる時は来るのだろうか!?そんな滅法おかしくて、ちょっぴりほろ苦い青春ストーリー、それこそが四畳半神話大系である

奇妙な登場人物たち

画像2

四畳半神話大系の魅力の一つは奇妙で愛くるしい登場人物たちである。彼らは純粋で独特で、それぞれのスタンスが明確なキャラクターたちであり、どれもが愛せるなんとも言われぬ性格の持ち主なのである。諸君には主要な人物に絞ってご紹介をしよう。

画像8

「私」は京都大学の3回生。下鴨幽水荘という京都のボロアパートに住む学生である。「私」は薔薇色のキャンパスライフを羨望し、「小津」に振り回され、後輩の「明石さん」に恋をする。「私」は思考するのが癖で、あれこれ考えるが深いようで浅く。分析に分析をし尽くし、あらゆるパターンを考え抜いた結果、結局の所何も行動できない、自意識過剰で中2病特性のある、愛おしく不器用な学生である。

画像8

小津

小津は同学年「私」の悪友である、妖怪のような見た目で、人の不幸で飯が食える一つとして褒める所のない男だ。「私」が薔薇色のキャンパスライフを願う中、小津は「私は貴方の同志ですよ」と近づき、親しくなるが、「私は貴方を全力で駄目にします。」と話し、最終的には「私」を堕落させる悪友なのである。しかし、意外と恋路はピュア

画像5

明石さん

明石さんは「私」が片思いする後輩である。美人で黒髪の乙女である。何かを聞かれると「なんで私がそんなこと貴方に言わなきゃいけないの?」が口癖のクールな乙女である。また蛾が苦手で蛾に出会うと大声を上げる特性がある。

画像6

樋口師匠

樋口師匠はモラトリアムの象徴のような大学8回生。神秘的な魅力で「弟子」を従え、自分のために動かす。「私」と「小津」の師匠である。

さあ奇妙な四畳半神話大系の世界に

画像7

この長々としながらも、同アニメの魅力を語った文章を読み終えた諸君はまさしくこの四畳半神話大系の世界に飛び込みたくなったことであろう。飛び込んで見てほしい。是非とも飛び込むべきだ。一度飛び込んだらこの奇妙な世界に虜になることは実に容易いであろう。鑑賞を続けていく内に物語の中では様々な命題が諸君に与えられる

「私に薔薇色のキャンパスライフは訪れるのか」
「果たして私と明石さんは結ばれるのか」
「私はなぜ並行世界に迷い込んでいるのか」

様々な疑問が湧いてくるのである。これらの命題は物語を進めていくにあたって少しずつ紐解かれていく。しかし全ての物語を鑑賞したとしても、よくよく考えてみると様々な命題が残り、尚一層この世界に引き込まれるのである。

AmazonPrimeの会員であればすぐ下記リンクより鑑賞することができる。是非諸君にはこのアニメの魅力を一度味わって頂きたいものである。

尚、同じ作者、監督、作画で描かれる映画作品がありこちらも推薦したい。四畳半神話大系に近い世界観で描かれており非常に奇妙で面白い。映画作品だと爽快で小気味よく鑑賞できる作品ではあるが、多少時間がかかって推奨したいのは小説版である。ただ映画版もそれなりには楽しめるので、短時間で楽しめる娯楽を求める方には映画版もまた良かろう


以上。
尚、こちらのnoteは週1note -LIKE-なる物書きたちの戯れの一種で執筆をしたnoteである。noteを綴る者たちの「LIKE」に着目し、物書きの「LIKE」を3週間綴っていく。人が「好き」であるという感情は他には変えられない得も言われぬ魅力があり、その他の個性豊かな人々が綴るnoteの世界を一度覗いて見るのも良かろう。

それではこれにて。外出自粛で気も塞がるだろう。そんな諸君にとって「STAYHOME」を四畳半神話大系という不毛と愚行の青春奇譚に溺れ、人生の不埒で怪奇な感覚に思いを馳せて見るのもまた一興ではないだろうか。

この記事が参加している募集

私のイチオシ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?