やはり女の方が

キラキラ学歴から留学して外資系でバリバリ働くキラキラ女子が、婚活で苦労しているという話を聞く。

血統書付きだけど、面倒な育ち方をして中卒からの大検を経て大学を出て、職場も転々としつつ、結婚して子供も産んで、意外とリア充な私は、結構大変だったけど結局のところ彼女たちとあまり変わらないのかな、と思ったりする。

先日、突然お母様を亡くした方の相談を受けた。

お母様が住んでいた家を、必要ないから売ると言う。もちろん喜んでお引き受けした。

相続手続きをして、売却。相続税の申告というものの実務は税理士さんの領域なので、実は目の当たりにしたことがなかった。

被相続人の略歴

を書いて提出する書類があるなんて、初めて知った。依頼人の息子さんはお母様の人となりを聞かれて戸惑っておられた。

「仕事仕事の人でした」

どんなお仕事をしてらしたのですか?

「水商売です」

ビックリした。息子さんの佇まいとか、お住まいの雰囲気とか、その辺りから勝手に想像していたのは、昔のいわゆる奥様だったから。

お母様と息子さんは苗字が違っていて、息子さんが婿養子に入られたのか、お母様が再婚されたのかのいずれかだろうと思っていた通り、お母様は再婚だった。でも、50年前の再婚なんて別に珍しいことでもない。

お母様は、駅前でスナックを経営していて、なんと多店舗展開していた凄腕ママだったとか。気っ風の良い方で家を建てるお金も実はお母様がほとんど工面したのだそう。

太古の昔から、やはり女の方がやり手だったのだ。この事例は言うほど昔ではないけれど。女は女を商売道具にできる。それは、ネガティブな意味にも捉えられがちだけど、ものすごく前向きなことでもある。

息子さんは、お母様のことを全く恥じておられなかった。それが私にはとても嬉しかった。

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