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言うだけは簡単だった。

私は今、お父さんの再婚者であるお嫁さんと祖父母と一緒に住んでいる。

私の親は、他の離婚した家庭とは違って珍しく両親とも再婚している。お母さんはお父さんよりも10年近く早くに再婚したし、お父さんは私と姉が成人してから再婚してくれた。

私は父方に引き取られ、父と姉と父方の祖父母と一緒にずっと暮らしてきた。だからもちろん父の再婚は寂しかった。すごく仲のいい親子だったから(もちろん昔は姉の反抗期とか今思い返すとほんと大変だったけど)。

いざ父が再婚してそのお嫁さんと暮らしてみると、私は遠慮してしまう性格ということと性根がなかなかに頑固なのでなかなか打ち解けられず、相手もバリアしてるなら私もいいや別に、ていう感覚。でも向こうは父から聞く限り私のことを尊敬してくれていて、好きに色々やっている私がカッコいいということ。誕生日のプレゼントとか、3人で行く時のドライブでの配慮とか色々感謝するところはもちろんある。私もお嫁さんの尊敬するところたくさんあるし。

ここにはプライバシーだから書けないけど私の歴史、お嫁さんの歴史…色々お互いにあるから完璧に馬が合うなんてことは無いかもだけど、でもやっぱり、"この人合う!"てなった人とはすぐ合ったりする。それはまだ私たちの関係が浅いから?もっと私が大人になったら仲良くなれるのかな。

この間、久々に会った友達と家族の話や恋話をした。お互い彼氏が全然いないタイプで、自立したいタイプだから結婚願望もなく、友達の方は結婚しないで養子取って子供を育てたいとのこと。私の周りには同じことを言う友達が何人かいるので、そういったリベラルなアイデアをいいなー素敵だなーと思ってた。映画の"そして父になる"とか、"万引き家族"でも家族って血の繋がりだけじゃないってこと書かれてるし。

でも、私がお父さんと結婚したお嫁さんにモヤモヤしてしまうのはきっとお父さんを取られたからっていう嫉妬心があると思う。万引き家族も養子も、自分が今の家族に満足していないからとか寂しいからとか、子供が欲しいとか、愛情とか何かが足りなくてするものだから。でも私は今の家族に十分満足してるからなかなかお嫁さんを受け止められないのかなと思った。でもお父さんからしたらお嫁さんはお父さんの隙間を埋めてくれる人なんだよな。

前にお姉ちゃんと、お母さんの旦那さんとの話になった時、"お母さんにとっていい人が私たちにもいい人とは限らない"と言っていて、あーそう言うことなんだなと思った。

この気づきに至る前に、例の養子を取りたい友達にお嫁さんのことについて悩みを打ち明けた時、ガツンと言われた。怒られたわけじゃないけれども、核心をつかれた。それは、その子と養子を取る話とか家族は血縁だけじゃ無いって話してるのに自分は家に帰ったら他人のお嫁さんと仲良くできないと言ったから。

お嫁さんと祖母はそんなに仲良い方ではない。まあ嫁姑って仲良い方が珍しいと思うけど。だからお父さんはお嫁さんを守らないといけないから(唯一の部外者として味方は絶対的に少ないから)祖母とも対立する。私はおばあちゃん子でありお父さん子でもあるから、そこに仲介役であり挟まれてしまうお嫁さんにイライラしてしまうのかもしれない。

でも友達はお父さんの意見に賛成で、お嫁さんは絶対家の中では辛いし寂しいはずなんだから良好な関係を築かなきゃだめだよ、と言われてハッとした。そして、今まで自分は社会学で家族のことについて学んだり養子のこととか、血縁だけでない家族とか色々学んできたのに、自分の家族のこと、周りの人のことってなったら全然自己中だったことに気づいて情けなくてお嫁さんにも申し訳なくて、でもやっぱり家族が取られた思いもあって寂しくて…友達とランチしてたのにそのお店で泣いてしまった。

友達はもちろん慌ててたけど、一歩ずつでも良好な関係を築けるように頑張りなと声をかけてくれた。

言うのは簡単。だけど実際やってみるのってこんなに難しいんだって思った。特にプライベートなこと…家族とか恋愛とか、歳を重ねれば重ねるほど経験も増えて思い出も増えて余計な知識も増えて社会的な目とか重荷とか責任も増える。

私もまだ親離れできてないんだなー、自分て甘やかされてるんだなーってつくづく思う。

他人に言うのが簡単なのはやっぱり当事者じゃないから。当人からしたら、例えば犯罪でも、その犯罪に至るにはそれまでのすごく長いストーリーがあってそれが爆発してそうなってる。

友達に核心を突かれて泣いたのは悔しかったのもあるかもしれない。あなたに分かりっこないよっていう。でもその時はこのモヤモヤがよく分からなかった。言葉を整理してみるとスッキリするし分かることもある。

友情がその時その時、自分の成長や環境によって変わっていくように、私もお嫁さんとの関係がもっと良くなる日があるといいな。それには自分の努力も必要だけど、タイミングてものに今はもう少し任せたい。

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