3月18日 日記
各地方で桜の開花がちらほら報じられている。春休みに突入したのが1月の頭辺りだったことを考えると、寒い寒いと言いつつしっかりと季節は進んでいたと実感したりする。
確かに、もう真冬に着るようなコートで外に出ると、若干汗ばむような温度で驚くことが増えた。ギターを背負って歩いていると尚更そう思うことが多い。春物の服を実家から持ってきたのはいいものの、いつ着始めるのが正解かが分からない。なんなら脱ヒートテックのタイミングさえ掴めていない。
そもそもヒートテック以外の下着を思い出せなかったり。まだヒートテックを着て街を歩いてもダウンを着ている人や絶対暑いだろそれという上着を着ている人がいるので、この問題は先送りすることにした。とはいえ、もう最高気温が20℃手前をうろつくような日々に近づきつつあるのは間違いない。
そんな春の日の和やかなイメージとは程遠い最高気温が4℃の今日、花粉症に限界を感じて耳鼻科に行った。
順番を取るために朝7時半に起き、待機して8時ちょうどにアクセスしたが、取れた順番は136番だった。予約完了が8時2分。恐ろしい人口密度だった。初診の為どのくらいのスピードで進むかも分からず、頻繁に確認しながら居眠りしながら11時過ぎに家を出た。
昨日までの温度と打って変わって寒空に大粒の雪。季節が1ヶ月くらい戻ったのかと間違えるほどの風景だった。流石に暖かい格好をしていたが、北風が首元を掠める度に久々の「寒い」という感覚に見舞われた。地下鉄に乗ったはいいものの、この時点でまだ前に60人程待機していた。腹が減り、足を伸ばしてモールで昼飯を食べるか迷ってとりあえず地下鉄を降り、フードコートにたどり着いてもまだ迷っていた。優柔不断ここに極まれりである。
常に順番を確認しつつ、30分でこのくらいだから1時間だとこのくらいかと予想を立て、ギリギリ間に合うという判断でうどんを食べた。土曜日ということを忘れていて、フードコート内は子連れの家族やカップル、老夫婦などの老若男女で溢れかえっていた。しょうもないことでケンカするカップルを見ながら完食し、何故か土下座している5歳くらいの男の子の隣を通り耳鼻科に向かった。最寄りは長町一丁目駅。卒演のお昼休憩を思い出す街並みを歩き、少し奥に行くと倉庫を改造したような造りの建物に耳鼻科という看板が貼り付けてあった。若干不安になりつつも内装はとても綺麗だった。問診表を書く。見るとアレルギー検査を受けれるらしかったので、試しに受けることにした。
診察はおよそ1分弱で終わってしまった。問診票の確認と鼻に器具を突っ込まれて3秒くらいの確認のみだった。
もっと何かあるだろ!と心の中で言いつつ、吸入を吸っている間にみるみる鼻通りが良くなっていった。薬様様である。こんなことなら発症後直ぐに行くべきだった。なんとなく市販薬で済ませようとしていた自分自身が情けない。例えが正しいのかはわからないが、餅は餅屋と言うように、鼻は耳鼻科なのだ。来年からはもっと早く行こうと決意した。
その後、アレルギー検査の採血で立ちくらみを起こし、先程吸っていた吸入器に突っ込みそうになった。本当に必要なのは健康な体、そのものなのかもしれない。
隣にある薬局はとても狭く、待合室みたいなスペースが車一台分くらいしかなかった。満員電車さながらの密度で待っているのも辛くなり、長町駅の方面に散歩してみることにした。モールがあるのに、わざわざ長町駅に併設されているtekuteなんて誰が来るんだと思っていたが、案外客の入りが良く、おばあちゃんたちが元気に惣菜コーナーに群がっていた。
電車が通過するたびに建物が揺れる。薬代が財布の中身だけで足りるか不安になり、隣の郵便局で金を下ろした。薬局に戻ると待合室だけでは収まりきらなかった人が数人列をなしていた。これを横目に薬局に入っていくのが本当に気まずかった。すでに薬の用意はされていて、丁寧な説明とともに夥しい量の薬を渡された。
バイトでも久しぶりの鼻通りの良さに感動しながら働いた。この間まで鼻水が垂れてくるたびに上を向いていたので、一緒に働いている主婦の方にすごい目を向けられながら(ちゃんと心配もされている)働いていたのだが、それももうなくなるだろう。
寒さのせいか、普段の土曜日よりも暇だった。これほど暖かい日が続いていたのだ。わざわざ寒い日を選んで外出する気がある人なんてそうそういないだろう。いつもなら大人数で押し寄せてくるマダム達や帰り際のカップルも、今日は姿を見せなかった。同じく重度の花粉症だという同僚と耳鼻科の良さについて談笑して、だらだらとクローズ作業に勤しんだ。
帰り際、彼氏が飲み会でタバコを吸っているのが少し不快という話を聞いた。目の前では絶対に吸わない、何ならタバコを持って来すらしないのだが、それでも嫌なのだという。男の人って飲み会とタバコはセットみたいに思ってるじゃないですか~と言われ、確かにと頷いてしまった。喫煙者じゃないからわからない話だと思っていたが、飲み会に対してタバコがついてくるのが当たり前だと思っていた節はある。それに快不快を思ったりすることもなかった。変なところでジェンダーギャップみたいなものを感じた。これをジェンダーギャップと呼ぶのも変なのかもしれないが。
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