自分にしかできない事

私は何か悩みが生じると、人に相談する事もあるしネットで検索する事もある。主に何が悩みなのかはっきりしない時にネットを利用している。悩みと言っていいのか分からないほどくだらない事も調べたりする。
最近だと、ほんと私って何もない人間だな〜と、夜な夜な急に目覚めて突然浮かんだ言葉を検索にかけた。

「自分にしかできない事」

始めは特技とか自分が夢中になれる事だとかそういった類か、もしくは仕事のスキルのような類の記事が出るくらいだろうと思っていた。
だけど違った。それはあかしゆかさんの記事だった。

「誰もが持っている唯一の、『自分にしかできないこと』ってなんだと思いますか?」
偶然参加した何かのイベントで、登壇者の方が参加者の私たちに向けてこんな質問をした。
前述のような悩みを持っていた私だったので、「そんなん、分かってたら悩まへん……!」と心の中でボソリとつぶやく。
すると、登壇者の方は次のように言葉を続けた。
「自分の体を使って世の中を知り、見て、感じ、考えること。それが、誰もが平等に持っている、『自分にしかできないこと』です」
この言葉を聞いたとき、私はとても衝撃を受けた。

自分にしかできない事って確かにそうだ。すごく納得できる。
そういえばと思い出した。子供が好きでよくディズニー映画『シンデレラ』の実写版を観るのだけれど、そこに登場する継母が

継母になる人は、感性が鋭く趣味の良い女性でした。
愛するひとを失った悲しみを、美しく身にまとっていました。

と、ナレーションによって紹介される。
「美しく身にまとう」その言葉から自分をより美しく見せるセンスがあるという事実と、悲しみさえも自分の感性により美しさに変えてしまう冷たさが感じられる。
感性を磨くとも言うけれど、見たり聞いたりする中で感じた何かを“自分のもの”にする事。それこそ自分にしかできないことだ。

すると次は“自分のものにする”にはどうしたらいいのかが問題になってくるのだけど、あかしさんにとってはそれが“書くこと”だとおっしゃっている。シンデレラの継母にとっては“自分自身を着飾ること”だ。
自分なりの言葉で表現する。ファッションの色使いや素材感で表現する。どちらもそれぞれの感性で表現をしている。そしてその表現に対して素敵だなぁ、いいなぁと人が共感するのは“センスがいい”という事なんだろうと思う。

自分にしかできないない事を、見て、感じて、考えるところまでで終わらせずに、一歩踏み込んで表現するところまでする。一つのこだわりのようにも感じるけれどそこにその人にしかできないものが生まれるのだと知った。
私、表現なんて意識した事なかったなぁと思った。何かにこだわって私なりの表現をしてみたい。何にもない私にも何か見つけられるかもしれない。

夜中に悶々ととした正直な気持ちを吐露したら、ネットは素敵な記事を教えてくれた。
だけどやっぱり夜中のインターネットはオススメしない。目に悪いことは言わずもがな、嬉しさでさらに眠れなくなった。

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