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良い感じの言い方メモ

言い方をケーススタディ

良くない言い方と良い言い方と、それぞれ理由を添えてメモします。

言い方を磨く場合の心構えとしては、
「相手のために言いたいことを我慢しないといけないのか」
「オブラートに包んだ言い方って面倒なんだよな」
ではなく、
「日本人なんだから日本語を使いこなせるようになろう」
「日常会話レベルの日本語しか使えませんは恥ずかしい気がする」
の心構えをもち、
「相手に合わせる」の視点ではなく、
「低レベルな自分の語学力を成長させる」の視点で、
自分の成長に目を向けると気持ちがラクになります。

オブラートに包んだ言い方は、何が言いたいのかわかりにくくなります。
直接的な言い方は、責めている感じが出て誤解されたり、相手を緊張させて本音を話せなくさせたりで会話の質を低くします。

言いたいことを我慢するのではなく、
オブラートに包む言い方でも直接的な言い方でもなく、
みんなのメリットを生む卓越した良い感じの言い方を。

アドバイス編

  • 良くない言い方:〇〇した方がいいよ

  • 良い言い方:〇〇っていうやり方もあるけど、どう思う?難しいかな?

「した方がいいよ」は「してない方は良くないよ」という裏メッセージを持っていて、間接的な否定を含んだ表現です。
しかも、言われた側はそのアドバイスを「やらなければならない」とプレッシャーをかけられてしまいます。
上司部下の関係性がある場合は、ほぼ業務命令に近いプレッシャーです。
アドバイスはアドバイスではなくなります。

「やるかやらないかはあなた次第だからあなたが決めていいよ」とプレッシャーの追い打ちをかけるとさらに良くないです。
「あなたが決めていいよ」は「良くない方法を選んでも自己責任だしね、私には関係ないよ」という裏メッセージを持っていて、味方感が減ります。
「あなたが決めていいよ」は優しさではなく突っぱねです。
自分から相手への一方通行なコミュニケーションをやめて、
「どう思う?」と相手からの発言ができるように対面通行にします。
できる限り「相手が8、自分が2」の発言量を目指します。
相手に言わせてあげてください。
相手が発言できなくても相手のペースがあるので、じっと待ちます。
焦って質問を重ねたりすると、
「自分の発言のスピードに合わせろよ」
と文句を言っているようなプレッシャーを与え、
相手の発言はさらに減ります。

「やり方もある」は選択肢を示しています。ヒント程度。
「どう思う?」と聞くことで押しつけにならず、相手のターンになります。
「難しいかな?」と先にネガティブを口にしてあげることで、相手もネガティブを言いやすくなります。
「大丈夫かな?」と聞くと、「大丈夫」を誘導されて相手は少し苦しくなるので、大丈夫じゃないことを言いやすい言い方で質問します。

励まし編

前提として、「私には無理だよ、、、」や「つらい、、、」や「私がいても全然役に立たないし、、、」など、相手がネガティブな感情を吐露した場面を想定しています。

  • 良くない言い方:そんなことないよ!大丈夫!

  • 良い言い方:そっか、そう感じてたんだね。言ってくれてありがとう。けど、私はあなたなら大丈夫だと思ってるよ。

ネガティブな感情の吐露を頭ごなしに否定すると、
「あ、この人にはポジティブな事しか話しちゃダメなんだ。もう本音を言うのはやめよう」となります。
弱っている気持ちをせっかく吐露してくれたのに、それを否定しても励ましにはなりません。
まずは受け止めます。
そして、受け入れません。肯定しません。
「たしかにあなたには無理だよね」と肯定したりしません。
「そう感じてたんだね」と受け止めてからネガティブを否定する順番です。
受け止めることで、「あ、この人には本音を話しても大丈夫なんだ」と感じてもらえます。

受け止めた後は、さらに本音を言ってくれたことに感謝すると、
相手はもっともっと安心します。

そして、「大丈夫だよ」と相手の状態を表現するのではなく、
"私は"大丈夫だと"思ってるよ"と、私の思考を表現します。
相手は自分を大丈夫だと思っていないので、「あなたは大丈夫という状態です」は辻褄が合わないので、相手の脳は受け入れを拒否します。
相手の状態ではなく、私の思っている事は辻褄が合っているので、相手の脳は受け入れやすくなります。

可能なら、大丈夫だと思う理由も伝えてあげてください。
それで完璧です。

ミスの指摘編

  • 良くない言い方:そこ間違ってるよ

  • 良い言い方:あれ?そこちょっと気になったんだけど、〇〇ってわけじゃないんだっけか?パッと見での判断だから自分が間違ってるかもしんないけど。

良くない言い方は自分の解釈や判断に絶対の自信を持っていて、
自分を神様かスーパーコンピューターか何かと勘違いしていて、自己顕示欲か何かしらの権力か、はたまた置かれている立場か、知らず知らずのうちになにかしらの見えないチカラに溺れている可能性を秘めています。

また、完全なる頭ごなしの否定です。
相手がその判断にいたった理由や、その誤った判断をせざるを得なかったどうしようもない事情を聞きもせず、短絡的に否定から入っています。

自分が神様でない場合は、「まずは理由や事情を知ることからスタート」になります。
「気になった」の言い回しは攻めてないので使いやすいです。
「〇〇じゃないんだっけ?」と断定表現で質問ではなく、
「〇〇ってわけじゃないんだっけか?」と「わけ」「だっけか」など、曖昧度を増やす単語を入れ込み、攻撃性を減らします。

「パッと見での判断だから自分が間違ってるかも」
と、先に自分を否定してしまって、攻撃性をゼロにします。
攻撃性がゼロになったことで、相手は、「建設的な意見をもらった」と認識しやすくなります。

ミスの報告を受けた時編

  • 良くない言い方:うわマジか、、、なんでそんなことになったの。

  • 良い言い方:マジでww なんでまたそうなったの?w

相手に「やってくれたなお前」と言わんばかりの態度は、相手への攻撃であり、傷口に塩を塗る行為です。
ミスって既に落ち込んでいる所に、さらに攻撃をしかけています。

「なんで」は質問ではなく詰問です。
よほどでない限りは使用を禁止したいほどの単語です。

相手のミスはできるだけ笑い飛ばしてあげて空気を軽くし、
「悪い事を報告しても怒られないなら、次も報告しよう」
と感じてもらえるようにし、
「ミスを隠蔽せずに報告させる」ための空気にします。

怒る、叱る、注意するは、
ミスを隠蔽させる可能性を高めるので非常に危険です。
ミスは報告しやすい、心理的に安全な空気が必要です。
いわゆる「心理的安全性」というやつを提供します。

「なんでも言ってね」「忌憚のない意見を」と言いつつ、
怒る、叱る、注意する、不機嫌な反応する人がたくさんいますが、
「なんでも言ってもらえない人」ならではの発言なので、
「なんでも言ってね」「忌憚のない意見を」
を求める人には何でも言ってはいけません。危険です。

「なんで」は「なんでまた」と表現を緩くし、
かつ、トーンに細心の注意を払います。
にやけてる、笑っている声のトーンにし、
「真剣さ」を決して出してはいけません。

真剣さを出せば、
相手はミスにミスを重ねるわけにいかないので、
慎重に言葉を選び、
本音は隠すようになって、
相手が怒らないことを目的に話すようになり、
本当にこっちが聞きたいことが聞けなくなります。

ちゃんと聞きたいなら、
聞く側が態度をあらためて、かつ、聞くスキルを高めます。
ちゃんと聞かなくていいなら、
「相手の伝えるスキルが低い」と怒っておけばいいです。

番外編
心理的安全性ってこういうことかなーと思う

安全性ではなく、心理的安全性。
安全かどうかがポイントではなく、各々が安全だと感じるか否か。

わかりやすいのがバンジージャンプ。
絶対に事故ってはいけない施設なので、
安全面は最大限に担保されている。

けど、
心理的には全く安全じゃなく、
恐怖がすさまじい。

心理的安全性を提供するには、
安全を用意するのは必要最低限でしかなく、
それ以上の何かをしなければいけない。

多くの場合は日々の信用の積み重ね。

  • この人からは変なプレッシャーを感じない

  • この人には何を言っても否定されないんだ

  • この人には弱音を吐くとアドバイスをくれる

  • この人に話すと気持ちが軽くなる

  • この人は私が悪いかのような気持ちにさせない

これらの信用は、
ミラーリング効果などの心理的に意味のある態度、
オーバーリアクションで相手に興味を伝える仕草、
与える印象の細部まで理解して使いこなす日本語、
こういったスキルやテクニックで再現可能であり、
性格とはほとんど関係がありません。

心理的安全性を提供できるスキルやテクニックを使える人がもっともっと増えていくと良いなぁと思ってたりするこの頃。

※メモなので、時々、この記事の中身を増やしていこうと思います。
 「こういう時はどうしたらいいの?」と疑問があれば、
 コメントしたりTwitterのDMしたりでご連絡ください。

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