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徒然草 「貴方って、可愛くもなく綺麗でもなく、素敵だよね。」

「なんていうか貴方って、
可愛くもなく、綺麗でもなく、素敵だよね。」

と、会って数週間の人から言われ、胸がギュッと熱くなった。この人、良いなと思った。


言葉だけ見ると、はい?、と疑わしく思うかもしれなかったので、真意を聞いたところ、可愛いや綺麗を否定されたのではなかった。ただ、一番しっくりくるのが「素敵」らしい。

多分、このフレーズを、わたしは過剰に受け取っているんだろうなと思う。どこからか、「素敵」って、「スゴイ」とか「イイね」ぐらいの、ラクな表現じゃね?と聞こえてきそう。
私もそうは思う。こないだ、ある人が描いた風景画を拝見し、瞬間的に「素敵です」と心の底から思って口にした一方で、頭の中では「なんとボキャブラリーの無い…浅い言葉しか言えないんだ私…」と恥ずかしくもあった。それくらい便利な表現であることは、わかっている。

なぜ、胸がギュッとしたのか…たまたま引き当てたN700S新幹線で考える。で思ったのは「可愛い」や「綺麗」と並べられたからなんだろうなと。わたしは暗にそれらを「人の外見を見る表現」と、その時は捉えたのだろう。に対して「素敵」は「心を見る表現」と受け取ったからかもしれない。
それらの対比が、自分にとっては少しばかり逃げと感じていた「素敵」を、あたたかいものにしてくれた。

そういうことかな、とオチをつけながら、彼のことを「可愛くもないし格好よくもなく、素敵な人だな」と、思い返しています。心の底から。

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