いまさら聞けない「アベノミクス」

第二次安倍政権の誕生

2012年12月16日の衆議院選挙で自民党が圧勝し、選挙後の12月26日に行われた特別国会で、安倍晋三が首相に就任した。

安倍首相は長期にわたるデフレからの脱却を最大の課題とし、その対策として「アベノミクス」を提唱し、この政策は「三本の矢」と呼ばれた。

※三本の矢とは
 中国地方の戦国大名、毛利元就三人の子に伝えたとされる、結束の重要性を説いた逸話。矢は1本では簡単に折れるが、3本束ねると折ろうとしても簡単には折れない。同じように一族も結束して強靭に生きよと説く教訓。
(毛利家は山口を支配していました。)

三本の矢

第一の矢:大胆な金融政策
日銀が金利を低く設定し大胆な量的緩和を行う政策で、個人・企業が資金を銀行から借りやすくしようという政策。

※量的緩和とは?
 中央銀行が、景気や物価を下支えするために、マネタリーベース(紙幣と貨幣の発行高(現金)と、金融機関が決済などのために日銀に預けている当座預金残高の合計)などの「量」を操作目標として、市場に大量に資金を供給する金融緩和政策のこと。

第二の矢:機動的な財政政策
財政を支出し、公共事業を増やし、需要を創出する政策

第三の矢:成長戦略
規制緩和により、民間企業や個人が実力を発揮できるようにする政策

結果は?

株価は見事に上がった。第二次安倍政権誕生時には約一万円だった日経平均株価が、2015年4月には2万円を突破した。
しかし、デフレから脱却したとは言えなかった。日銀の黒田総裁は「物価を2%引き上げる」と公約していましたが、未達でした。

新・第三の矢の誕生

第一の矢:希望を生み出す強い経済
14年度に490兆円だった名目GDPを2割増やすため、女性や高齢者、障がい者らの雇用拡大や地方創生を本格化して「生産性革命を大胆に進める」とした。

第二の矢:夢をつなぐ子育て支援
現在1.4程度の出生率を1.8まで回復させる目標を掲げた。子育てにかかる経済的負担を軽くするための幼児教育の無償化、結婚支援や不妊治療支援に取り組む。

第三の矢:安心につながる社会保障
家族らの介護を理由に退職せざるを得ない「介護離職」をゼロにし、働く意欲がある高齢者への就業機会を増やす。

成果は

株価以外にも、経常利益、有効求人倍率が過去最高水準など成果は出たが、その一方で、企業は儲かっているが、内部留保することで従業員の給与が上がらないことや、非正規労働者が増えただけと言われている側面もある。

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