弾劾裁判(アメリカ)

米国大統領のトランプ氏が弾劾裁判で無罪となりました。

そもそもこの弾劾裁判とは何なのでしょうか。

弾劾裁判とは?

公職に就く人間を、その地位から解任するための手続き。

大統領、副大統領及び合衆国のすべての文官は、反逆罪、収賄罪又はその他の重罪及び軽罪につき弾劾され、かつ有罪の判決を受けた場合は、その職を免ぜられる。

という、合衆国憲法第2条第4節を根拠としている。

手順

①下院が単純過半数の賛成に基づいて訴追
②上院が裁判し、上院出席議員の2/3多数の賛成で弾劾を決定する

過去に弾劾されたひと

アメリカの歴史では2人の大統領が弾劾されています。

アンドリュー・ジョンソン
連邦政府による南部再建において、南部人に寛大な政策をとったとみられ、そのせいで共和党急進派のメンバーと馬が合わず、政敵である陸軍長官スタントンを罷免したことからThe Tenure Law(政府高官が在職中は罷免を免れる法律)を破った。
辛うじてジョンソンは大統領の座を保つことができが、この一連の騒動により議会とジョンソンの対立の溝は決定的なものになり、政権のレームダック化は免れなかった。1869年3月4日に任期満了に伴い退任した。

※レームダック化
 役立たず」「死に体」の政治家を指す政治用語。
 選挙後、まだ任期の残っている落選議員や大統領を揶揄的に指すのに用いられる。転じて、米国では「役立たず」などと特定の人物を揶揄する慣用表現としても用いられている。

ビル・クリントン
クリントンは大統領就任以前から多くの女性と不倫関係にあり、これは大統領選挙の最中から政敵の攻撃材料にされていたが、1998年にはクリントン政権に大きなダメージを与えた、いわゆる「モニカ・ルインスキー事件」が発覚した。
ルインスキー事件では当初は肉体関係を否定していたものの、本人が自らがホワイトハウス内での性行為の事実を証言するにあたり「ルインスキーさんと不適切な関係を持った」と告白せざるを得ない状況に追い込まれ、大統領の「品格」を問われる事態に世論からも批判が沸き起こり、アメリカ大統領としては第17代のアンドリュー・ジョンソン以来の弾劾裁判にかけられた。
(「不適切な関係」という言葉は同年の流行語ともなった)
この人物もかろうじて罷免は免れた。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?