小説

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ザザイラはフピにいる

 ルーカは絶望していた。  希望のない状況に気づき、流した涙も頬の上で乾きってそのあとす…

マジックルーム

 私の叔父はマジシャンだった。  だった、と言うのも、私がモノ心がついた頃にはすっかり廃…

日常:待合イス

 流れ弾には要注意、か。  足首の爆弾を抱えている。元々は持病からの影響で悪くなったのだ…

日常:旅行

 日帰り。と言う言葉を甘く見た。  温泉――先週、友人の中島君と久しぶりに飲んだ。二件目…

日常:風船

 ひとつの疑問がある。  人はいつ好きと認識するのだろうか?  これは単に人を、という意味…

日常:紙袋

 たれた汗が目をかすめる。  まだ、夏ではないはずだ。やっと梅雨入りしたところだ。その梅…

日常:ネコ

 ネコが、死んでいた。  駐車場の近くだ。駐車場と言っても、職場や出先ではない、自宅近く…

【小説】僕が受け取った小さなピンクのプレゼント。

「んん?」  僕は思わず、すっとんきょな声をあげてしまった。 「だから……」  谷崎さんは…

【小説】嘘75

「あんたもいい人ができたのかい?」  おばあちゃんの思いがけない一言に、私は一瞬頭に空白…

【小説】オランダの隣の国

ふと見上げた。 昼前からこぼれだし十二時を過ぎた辺りから本降りとなった雨が、このまま降り…