cmktの分科会「CS Ops」の活動内容シェア〜CS Opsって?〜
※このnoteは cmkt(カスタマーマーケティングミートアップ)Advent Calendar2020企画の10日目のエントリーです。
私からは、今年スタートしたcmktの分科会「CS Ops」の活動内容をシェアしたいと思います。
cmktでは今年に「CS Ops」と「事例制作」の分科会がスタートしています。
私はカスタマーマーケティングの担当ではないのですが、データ整備に関する悩みをツイートしていたことがきっかけに、@hoozm さんから声をかけられ、「CS Ops」分科会の運営リーダーとしてcmktに関わることになりました。
cmktは、勝手に華やかなイメージがあると感じていたので、ちょっとしたきっかけから分科会リーダーという形で関われて嬉しく思っています(本音)。
「CS Ops」とは?
「CS Ops」はシーエスオプスと読んで、Customer Success Operationsの略です。CS Operationsという言葉も目にしたりしますが、カスタマーサクセス界隈でも、まだあまり浸透していない役割名称と思っています。
CS Opsは、Sansan山田ひさのりさん著書のカスタマーサクセス実行戦略では以下のように役割とミッションが書かれています。
CS Opsの役割を一言でいうなら「カスタマーサクセスのカスタマーサクセス」、これに尽きるでしょう。
(カスタマーサクセス実行戦略より引用)
私がCS Opsのミッションを語る際、以下の二つの抽象表現をよく使います。
1. カスタマーサクセスマネージャー/リニューアルセールスが有利に戦えるための武器を作る
2. その武器を顧客に届ける仕組みを構築する
(カスタマーサクセス実行戦略より引用)
SaaSにおいて、顧客のサクセスに向き合い、継続率を上げることやアップセル/クロスセルを行う「カスタマーサクセスマネージャー(以下、CSM)」の役割が重要になっていく中で、年次を経るに比例して顧客情報が増えていくため、CS OpsがCSMの環境整備をする役割の重要性を感じています。また、CS Opsは、カスタマーマーケティングと一緒になってCSMを支援する立場と認識しています。
以下の絵は、環境整備の大切さを表したくて「CS Ops」が実現したいイメージを書いてみたものです。イメージ参考になれば幸いです。どうですかね…?要するに、右のような環境の方が良いよねという話。組織規模により過剰な環境は不要な場合もありますが。
分科会#1 テーマ「CS Opsの役割」
第1回目の分科会では、CS Opsの役割についてディスカッションしまして、下記の内容が挙がりました。
<CS Opsの役割>
・CSMの援護射撃となる施策を、データを紐解き企画・検討・実施する人またはチーム。データを取り扱い、MA設定も行い、1:n施策としてコンテンツやイベント企画も行うミッションを持つ。
・社内向けと顧客向けの業務があり、社内向けはCSに活かすヘルススコア設計やアラートを考える。顧客向けにはコンテンツをどの様に届けるのかを考える。
・売上・チャーン予測を行った上で戦略立案やリソース投入計画を立てる
CSMの効率化やCSM活動をパワーアップさせる役割から、戦略といったところまで幅広い役割が挙がりました。
CS Opsがデータを整備するだけでなく、戦略までをスコープとすることで、事業貢献できる可能性を感じます。
ちなみに「CS Ops」がやっていることを具体的に書き出すと、
・データ整備(顧客の契約情報や対応履歴などのCRMの設計・構築)
・データ分析(ヘルススコア、チャーンや売上予測)
・データ活用(MAの設定、セグメント作りからメルマガ配信、スコアリングなどアクション履歴の取得)
・オペレーション設計(CRMのフロー設計、マニュアル作成)
・コンテンツやイベント企画 等など
以上のような業務を「CS Ops」は全部または一部を担当しています。
CS Opsの役割が広すぎるので、関連図を自分なりに書いてみました。図の中でデータ活用に関しては、カスタマーマーケティングと区分が曖昧なところもあります。
分科会#2のテーマ「ヘルススコア運用課題」
第2回は「ヘルススコア」についてディスカッションしました。
カスタマーサクセスに携わっている人であれば、ヘルススコアは知っていると思いますが、ヘルススコアの運用役割もCS Opsが担うと考えています。
分科会の中で議論が広がったのは、ハイタッチCSがメインの場合にCS Ops誰もが向き合うだろうなと思われるヘルススコアの運用課題で、CSMが入力する情報の取り扱いについてです。
ヘルススコアの中にCSMが入力する情報を含まれている場合に、CSMごとに解釈が異なる懸念が出るため、「CSMへのデータ教育」「入力データのフォーマット用意」を行い、入力内容の粒度を揃えなくてはなりません。
フォーマットの例でいうと、
提供サービスの利用シーンが効率化、可視化、分析の軸であるとした場合に、顧客がそれぞれ「どうなっているのか」を書いてから、その上で、顧客がどうしてほしいのかを書いてもらうフォーマットを用意。
顧客のどうしてほしいのかだけを収集しても活用しづらいので、顧客のサクセス状況、ツール活用状況などとセットで書いてもらうことで、どの状態の顧客がどのような内容を言っているのかを把握することができます。
また、CSMへのデータ教育も重要で、何のためにデータを活かすのか?そして、結果としてデータから何が言えたか?をしっかりと伝えて、データ分析に活かしやすいデータが残りやすいように働きかける必要があります。
ヘルススコアにおいては、チャーンや売上のどちらに相関があるのかをチェックして、CSMに結果を説明することがデータ教育の一環としても大事といった話も会の中では出てきました。
cmktの分科会「CS ops」の今後
今回書いてみたCS Opsの幅広い役割を行うにも、データの入力フォーマットの用意も、取り組むとかなりのパワーがかかります。CS Opsが専任で存在している会社なら取り組めそうですが、CS Opsの浸透が低い中で、似たような役割の人が片手間で取り組んでいる組織も多いと思われ、その場合はリソースが圧倒的に足りないので、CS Opsの活動はしづらいとの課題を感じています。
また、SaaSのテーマとしては顧客のサクセスを実現しつつ、継続率向上やアップセルクロスセルの推進をする仕組み化が求められていると考えており、CS Opsの役割が絶大な効果につながると信じているので、知見を広められる場として分科会を頑張りたいです。
このnoteを読んでcmkt「CS Ops」分科会に興味がある!と思った方はお気軽に塚本のTwitterのDMからお声がけください!
最後に
記事終わりのタイミングで恐縮なのですが、最近の私は実はCS部門に所属しておらず事業企画という役割になりました。
データ整備から戦略に関わる役回りに変わったのですが、結果的に戦略に必要なデータを考えやすくなり、CS Opsの重要性をさらに考えられる役割になったと感じています。
CS Opsのキャリアとして、戦略周りに関わるポジションへのチェンジは個人的におすすめです。
戦略テーマを考える上でもデータは必須なため今もCS Ops周りは関わっているので、引き続きCS Ops分科会の運営は頑張っていきたいと思います。