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初めて観た競技サーフィン

朝食後にテレビをつけたら、大波が画面いっぱいに映し出された。なにごとかと思った。
競技サーフィンの中継は面白い。なにしろ画力(えぢから)が強い。大波の上を人間が滑ってこちらに向かってくるさまは、神々しさすら感じる。ギリシャ神話のポセイドンさながらである。

競技内容も面白い。波を待って乗る。別の波に乗り換える場合もある。波が来なければ競技が成立しないので、長時間待たなくてはいけない局面もある。そのため同時に音楽イベントを開催して飲酒するのが慣例らしいが、今回は感染症のことがあってギリギリまで開催の是非をもめていた。しかし相手は波である。来ないときは来ないので、同時開催のイベントが欲しいのも理解できる。

極東アジアに近づく台風の影響か千葉の外洋は荒れていた。選手もずいぶん沖まで出るので、殊更に海面の揺れが大きい。今回初めてオリンピック競技になったことで、テレビ番組で『乗れる波の見極め方』をやっていたのをたまたま目にしたが、明確な法則はよくわからない。自然現象だし、きっと誰も完全には把握できないのだろう。選手が乗った波は、すぐに崩れてしまう。波が崩れきらず斜面が持続しているだけでラッキーなのに、その上で技を繰り出すスーパーミラクル。信じられない奇跡を見ているようだった。
スノボみたいなものだと思い込んでいたが、滑走面がほんの数秒しか存在しないなんて、そんな儚いスポーツある?
崩れてしまった波にさらわれてしまわないよう、自ら倒れ込んだり波に突っ込んでいく姿も面白い。なんか楽しそう。たとえジャンプで派手に転んだとしても、水の上だから痛くなさそう。

すぐにニュースは終わってしまったので、インターネットでアーカイブを観ている。これは最高の画質で大画面で観たい。空撮による引き画の大海原、漂泊する選手、寄り画でスローモーションの白波。波の音が延々と続いて最高に気持ちが良い。映画として劇場上映してくれたら、お金を払って見に行く。
男子決勝戦では、開始5分後くらいにブラジルの選手が技を決めて派手に波間へ落ちていった際、サーフボードが真っ二つになってしまった。(折れるんだ!)チームメイトが予備を持っていき、慌ただしく交換する。どんどん残り時間が減っていくのでヒヤヒヤしたが、ルールでは得点の高いライディング2つの合計点を競うので、数多く乗ればいいというわけでもないらしい。ブラジルの選手は優勝した。

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