わからないことをわからないままにしてみたら、人生がちょっとよくなった話

「先生、アドバイスをお願いします」
「一体どうしたらいいのでしょうか」

カウンセリングをしていると、こんな風に話がスタートすることがあります。
カウンセリングで取り扱われる題材って大抵正解がないものばかりで、
「仕事先の誰々さんとどう接したらいいかわからない」とか「将来自分が何をしたらいいのかわからない」とか、「未知」における精神的負荷の大きさが語られます。
「わからない」って実は、僕らが思っている以上に、モヤっとした気持ちに影響しているのです。

「わからない」がメンタルを削る

行先が見えない仕事がストレスだったり、将来どうなるかわからない状況がストレスだったり。
答えがわかれば、気持ちも少しずつ軽くなるけど、そこに行き着くまでが長いのですよね。
精神的に弱っている時、特に不安が高まってしまうし、そうこうしていると、不安の悪循環、螺旋階段をどんどん降りていってしまう、なんてこともあります。

わからないことをわからないままにしてみた

でも、「わからない」こと自体は決して悪いことではないですし、僕たちに取って大切な力を与えてくれるもののはず。
難しいのは距離感で、遠ざけたら「わからない」が解決されないし、近づいてみようと思い全力で答えを出し続けたら、めちゃくちゃ疲弊してしまう。

そこで、試しにわからないことはわからないままにしてみました。
近づかず、遠ざからず、「わたしはね、もうあなたと、ドンと一緒にいる覚悟を決めました!よろしくお願いしますね!」という状況なわけです。

仕事でわからないことを聞かれた時は、素直に「わからない」と伝えて、まずは相手のニーズを確認するようにしました。
プライベートでは、不明瞭な友人との約束(どこに何時とか、何をするとかが明確じゃない)を、「ドン」という気持ちで、不明瞭なまま当日の朝を迎えたりしました。
小さいところからですけど、全部「わかる」ようにしなければ、という思い込みをできる範囲でやめて、わからないことを意図的にわからないままにしてみました。

わからないままにすることで変わったこと

仕事でもプライベートでも、自分で答えを出さないので、誰かの視点が加わって新しい見え方ができるようになったり、誰かが代わりに動いてくれることで効率化したりして、結果的に、誰かの力を加えることができるようになりました。これはとても大きかったですし、自分でもびっくりしました。

そして、肩肘はらなくなったので、余計に考えることが減ったし、精神的な負荷がとても減りました。新しい挑戦にも、余裕ができた分、以前よりも積極的に取り組むことができるようになったと思います。

わからないままにすることで、ちょっとずつ人生をよりよくできる

カウンセリングを進める中で、「先生、私、以前よりも、頑張らなくなりました。そうしたら不思議と、周りの人と関係がよくなり始めたんです」とおっしゃられる方がいます。
それを聞くと、「お、この人は、わからないままにでき始めてきたなぁ」と嬉しくなります。

これを読むことで「わからない」ことへの見え方を少しでも変えることができればな、と思い、このnoteを書いてみました。
画像の猫ちゃんのように、柔らかい木漏れ日のなかで「わかんないなぁ」と言えるようになるといいですよね。
少しでも振り返ることができる機会になっていましたら嬉しいです。

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