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サイカのDevHRが目指す理想の候補者体験と具体的な打ち手

このnoteはサイカのDevHRが目指す理想の候補者体験と現在地についてまとめたものになります。サイカのDevHRでは、モノづくりをする人にとって、最高のEmloyee Experienceを実現すべく、候補者体験(CX:Candidate Experience)と入社後の開発者体験(DX:Developer Experience)を磨いています。

このnoteでは、上記のCX(候補者体験)にフォーカスして、エンジニア採用における候補者体験の理想像と実現に向けた具体的な取り組みについて共有したいと思います。同様の取り組みをしている方と議論するきっかけになるとすごく嬉しいです。

このnoteに書いてあること
・DevHRのミッション
・サイカのDevHRが掲げるエンジニア採用の理想像と現在地

想定読者
・エンジニア採用担当
・採用をミッションに持つHiring Manager,EMの方

DevHRについて

DevHRのミッションは、モノづくりビジョンとして掲げている「Refine your choice and make it the Best」を体現する開発組織をつくることです。

開発本部特化型の人事組織として、大きく以下3つのことを行っています。

1. Talent Acquisition:モノづくり職種の採用活動
2. HRBP:目標設定、評価などの戦略的な組織活動
3. DeveloperRelations:社内外の関係構築

Wantedlyさんに取材いただいた以下の記事にて、DevHRの思想などお話しさせていただいています。

理想の候補者体験とはなにか

そんなDevHRの業務のひとつが「Talent Aquisition」です。ものづくりビジョンの実現に向けて、ビジョンに共感できる仲間を集めるための活動です。

なお、「採用活動」は企業からの視点であり、候補者の側面から語ると候補者体験(CX:Candidate Experience)と表すことができ、以降の取り組みについては、候補者の視点を主眼において述べます。

サイカは「才能開花」から来た社名になります。我々は貴重な時間を割いていただいた候補者の方が、(選考意欲や結果に関わらず)「才能開花のきっかけとなる情報や機会を得られること」がサイカにとっての理想の候補者体験だと考えています。

そのため、DevHRのミッションは内定承諾の数ではなく、「才能開花について考える機会を作り、中長期的にサイカが適切な環境かを双方ともに判断できたか」という視点を主眼においた活動をしています。 

理想の候補者体験を実現するために、以下のようなユーザーストーリーを関係者間で会話し、あるべき体験について議論しています。現状とのギャップがある部分について、優先度を決め、打ち手を行うことで継続的に候補者体験をアップデートしています。

小さすぎて見えないので、雰囲気だけ。興味ある方はMeetyでお話しさせてください。

あるべき理想の体験を定性と定量セットで議論しており、理想の候補者体験を実現した状態を定量的にイメージすることで、改善に向けた取り組みが継続的に行えるような状態を目指しています。

また、1個人として、PMの経験を活かしながら、候補者体験をとらえ直すことができたことで、より候補者視点で価値の高い体験を設計することができていると感じるので、これから上記のようなユーザーストーリーを作られる際はPMをアサインすることをオススメしたいです。

そもそも、なぜ候補者体験が大事なのか

理想の候補者体験を改めて考えると、例えば、「日程調整に手間をかけさせない」など、エンジニア採用に限らず他の職種の選考にも活かせそうなことが多いです。そんな中、DevHRが率先してここを推進する背景は、以下、2つの理由となります。

①職種特性上、ユーザー体験(UX)に対する感度が高い方が多く、自身の候補者体験を通して、企業のUXについての考え方や価値観を判断している方が多い。

②需給バランスが売り手に傾く市場であり、多くの企業、情報に触れる中、一連の体験による企業理解を通して、最終的な意思決定を行うことが多い。

企業の視点でみると、候補者体験を磨くことはそれ相応のコストをかける取り組みも含まれるので、採用戦略に沿った形で施策を検討する必要があります。少なくともエンジニア採用においては、候補者体験は今後も重要なキーワードになると考えています。

もう少し私見を述べると、「数多ある企業の中で自社に興味をもって時間を割いてくれた方に対しては、良い体験をしてもらいたい」と思うのは当然のことだと思います。

短期の内定承諾数を必死に追いかけるあまり、候補者を二の次にしたevilな打ち手も出てきてしまうこともあると思います。が、そんな活動をしていても誰も幸せにならないですし、何より採用担当者の心が蝕まれるだけです。なので、サイカでは理想の候補者体験を磨き続けます(宣言)

実現に向けた取り組み

ここからは理想の候補者体験の実現に向けて、DevHRが行っている取り組みをいくつか紹介します。以下のような基礎的なものはここでは割愛しています(といいつつ、ここもまだまだ伸びしろはあります)

基本編
・スカウトは個別に最適化
・日程調整はツールで無駄なやりとりを減らす
・可能な限り即レス
etc
※挙げ出すとキリが無いので割愛

基本方針

前述のユーザーストーリーを実現するために大きく3つの方針を念頭において、打ち手の設計を行っています。

1. 候補者ファーストか
・選考意欲や結果に関わらず、候補者が才能開花のきっかけとなる情報や機会を得ることができているか
2.サイカらしいか
・雰囲気や価値観を等身大で伝えられているか(背伸びしていないか)
3. なめらかになってるか
・一連のユーザーストーリーが線としてつながっているか

1. カジュアル面談:BGM

サイカでは転職意向度を問わず、カジュアル面談を積極的に実施しています。カジュアル面談はカジュアルに行えば行うほど、候補者-企業間の相互理解につながると考えており、カジュアルさを日々、追求しています。

とはいえ、初対面の方とお話しするのはこっちも緊張しますので、面談中はカフェのような空間を意識して、BGMを流しています。どのぐらいの効果効能を発揮しているのかは正直計測できていないのですが、あるのと無いのでは話しやすさが結構違います。

2. カジュアル面談を2名体制で実施

カジュアル面談で知りたいことのひとつは「企業のリアルな雰囲気」です。企業の本当の雰囲気は社員同士の会話から垣間見えるものであり、これを伝えるため、カジュアル面談はできる限り、エンジニアとDevHRの2名体制で実施しています。

中の雰囲気をリアルにお伝えできるとともに、異なる視点から解説・共有できるなど、企業を立体的に知ってもらうコミュニケーションとして、積極的に実施しています。

3. アンケートによる候補者体験の可視化

選考終了後は1分程度で終わるアンケートにご協力いただいています。どのような体験だったか、足りなかった情報はないかなどを定性/定量でフィードバックいただくことで、データとして可視化、改善できるようにしています。

コミュニケーションの偏りや情報の過不足などが見え、蓄積していくことで、選考プロセスで伝えるべき情報などが、ユーザーの声として浮かび上がって来ます。

4. 選考フィードバック

選考に進んでいただいた方に対しては、選考結果(通過/お見送り)を問わず、「何を良いと感じ、何が気になるか(より詳しく理解したいか)」を具体的なフィードバックとして、お伝えするようにしています。

開発本部では”Feedback is a gift”という考え方のもと、PeerReview/360feedbackのようなフィードバックの機会が一定数存在します。選考を受けていただく方に対しては、文化理解の一環で選考時から同様の体験を享受していただきたいと考えています。

相応のコストがかかる取り組みにはなりますが、入社後の働き方を理解いただく上で、フィードバックを介した選考中のコミュニケーションは重要な施策と位置づけています。

5. オファーレターではWhyとWhatを明確に

直近の取り組みとして、オファー面談でも工夫をしています。従来は内定通知書をもとに、期待役割等を口頭で伝達していました。ですが、意思決定は得てして、面談時では無く、面談後に熟慮の上行われます。

他方でサイカでは、入社時の体験を以下のように定義しています。

採用候補者は・・
会社に共感を持った上で、サイカ入社時の期待役割と成長過程にワクワクし、選考前の期待とギャップが無い状態になり、入社を意思決定することができる

サイカ Employee Experienceより抜粋

以上より、オファー面談時の内容を齟齬無く、色褪せずに伝えるための方法として、内定通知書とは別にオファーレターを用意し、共有するようにしました。このオファーレターは「所属組織のミッション」「Why You」「才能開花とその実現方法」の3つのアジェンダで構成されています。

オファー面談時は「なぜあなたなのか、何を期待するのか」というサイカの意向をお伝えするとともに、才能開花の場所として「サイカがどのような環境、機会を提供できるか」について共有します。

まだ試行錯誤中の取り組みにはなりますが、才能開花のための成長機会や期待役割を言語化し、ドキュメントとしてお渡しすることで、面談後も色褪せずキャリアについて熟慮できるような体験を用意しています。

副次的な効果として、期待役割が揃った状態でご入社いただけるため、入社後の立ち上がり(オンボーディング)もよりスムーズになりました。

6.ご辞退いただいた方へのインタビュー

選考途中で残念ながらご辞退いただいた方にもご協力いただき、インタビューをさせていただくこともあります。スカウトなどの初期接触から、カジュアル面談、選考など、一連の体験についてフィードバックをいただくことで自分たちが見落としていた要素や、意図しないコミュニケーションを認識、是正したい狙いがあります。

理想との差分(まだやれてないこと)

ここからは理想との差分についても紹介したいと思います。

データによる定量的な実態把握

最低限の体験のデータ化はできているものの、「理想の候補者体験」をデータとして定義し、定量的に計測できているとは言えません。具体的には各プロセスの日数や選考プロセスごとのアンケート結果の変遷など、よりデータを下地に改良する仕組みを磨き上げたいです。特に長い時間軸をかけて行う、継続的なコミュニケーションについてはまだ計測できていない要素が多いです。

Openness

大前提、面談/面接の限られた時間ですべてを理解するのは難しいと考えています。せめて候補者が自社について可能な限り理解してもらうためのOpennessは非常に大切であり、加速させたいです。「知る」と「わかる」は違うので、会話をもって「わかる」体験を届けるために、自社の情報はより積極的に開示していきたいです。

また、究極的なマッチングは「会話しなくても、マッチ度がある程度図れること」だと思いますので、そのような最短経路のマッチングプロセスを実現するためにも大事な要素だと考えています。

標準化

現状の選考プロセスは人に依存したプロセスになっています。組織の成長とともに選考に関わる人が増えたことで、人によって得られる体験、情報に偏りが発生している状況です。等身大の魅力が適切に漏れなく伝えられ、選考に対して納得感があるしくみを用意したいと考えています。

持続的な関係構築

サイカでは転職意向度に関わらず、中長期の関係を前提としたタレントプールの運用を行っています。「カジュアル面談→選考→オファー」までの一連のユーザーストーリーは比較的、整備されてきました。一方で、時間軸を伸ばした「半年~1年レベルのコミュニケーション」においてはまだまだムラがあり、機能しているとは言えない状態です。

才能開花を加速させるような機会が、候補者視点で持続的に提供できていないため、勉強会など、より有益な情報提供、コミュニケーションを下地にした長期的な関係構築を実現したいです。

まとめ

以上、サイカのDevHRが行っている理想の候補者体験と実現に向けた具体的な打ち手のご紹介でした。取り組み自体はまだまだ模索している段階ではありますが、少しでも参考になれば幸いです。

本音を言うと、誰でもできることをコストを割いて、しっかりやっているだけなので、体験のアービトラージで差別化を図っている部分はあります。

他方、このような情報を元に各企業の候補者体験が底上げされることで、才能開花のためのより良い機会が社会全体で増えることは、すごく理想的であり、参考になったものについてはぜひ活用いただけますと幸いです。

サイカでは今後も理想的な候補者体験を追求したいと思います。まだまだやりたいことはたくさんありますので、DevHRに興味ある方、ぜひお話しさせて欲しいです。

Meetyもオープンしていますので、(転職意向に関わらず)候補者体験に興味を持っていただける方おられましたら、お気軽にお申し込みください。

理想の候補者体験に興味がある方向け

DevHRに興味がある方向け


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