Vol.422 5月11日 おとなぢから

GFX50S II + GF30mmF3.5 R WR

この技はGFX50Rじゃなくても出来ます。一応ですが、トリミングしただけで撮って出しです。冗談だと思うかも知れませんが、撮ってる本人が毎回驚いてます。

50Rと比べると、50S IIはキレが良いね。輪郭部のキレが抜群。もう「マッチョの住宅展示場か」って感じですが、ここまで切れちゃうと豊田的には少し人工的な再現に見えちゃうのでフォトショップでハイカットするか、絵作り設定イジってシャープネスを下げたい。フジのカメラは絵作り設定のイジる項目によっては処理待ちが発生したり書込みに時間掛かったりするからあまりやりたくないです。

ちなみにGFX100Sとかの1億画素倶楽部機の方が画素数が多いこともあって輪郭部含めてヌルっとしていて自然な再現になります。センサーサイズにも依るけど、画素数は50MPくらいまではキリッとするんだけどそれを超えるとヌルっとします。α7R III(42MP)と7R IV(60MP)を比べると7R IVのがスムースだと思います。

GFX50S IIが登場した時に「50R買ってそんなに経ってないのにもう買い替えなきゃいけないのか?」と戦慄しましたよ。まぁ100Sが登場した時点でどうせ出てくるだろうという覚悟はしてました。それでも実際に目の前にあるのと無いのとではダメージが違うよね。

んで、ドキドキしながらテストしてみたんだけど、50RのがRSIに関しては適していて明らかに良かった。というのも、センサーの位置がカメラの中心に近いところにある50Rに対して50S IIはオフセットして設置されてるからキレイに歪ませるのが難しい(GFX100Sも同じ)。あと右手の親指の付け根から手首の辺りにボディが突き刺さるので、1時間もすれば痛みでシッカリと心が折れます(やはり100Sでも同様)。1キロ超がずっとピンポイントで攻撃してくるから、不肖豊田は40歳を越えているので大人力(おとなぢから:大人だけが持つ我慢耐性)を持っていますが正直苦痛です。ここで折れた心に鞭打ったところで、普通に怪我して回復にも時間が掛かるだけなので35歳を超えたら無理は禁物。

そんなこんなで、厳正なるテストの結果、50Rの勝利を確信することが出来ました。結果が同等とかだったらどうしようかドキドキしてたのよね。だってIBISあった方が便利だし。

50R勝利の理由として、センサーの位置やボディ形状の他にも、RSIっていう撮影技法はカメラには想定外のG(重力加速度ね)が掛かる点が挙げられます。カメラに掛かるGが想定限界を超えた場合、IBIS付いてると、例えばS時に歪んでる途中で直角にカコッて感じだったり一部が変に圧縮されたような不自然な感じがでたりするのよ。

どのメーカーでも当て嵌まりますが、ボディ内手ブレ補正はセンサーユニットが浮いて(固定されてないという意味)て磁力などで位置決めしています。レンズ外してカメラの電源ONするとセンサーがセンタリングするでしょ?センタリング後は浮いてる状態です。なので想定以上の力が掛かると動きます。電源オフすると右下か左下に降りて、カメラ振ると動くヤツと動かないヤツがあります。これは電源切ると物理的にロックするタイプとその他の方式でロックするやつと、踊るやつの違いです。電源OFF時に踊るヤツでも、基本的には踊ってて良いように想定されて設計されてるので平気ですが、精神衛生上は平気じゃありません。まぁセンサー自体がブルブルしてダスト除去するタイプのカメラ使ってる人は気にならないかも?私はあの機構を編み出した人のセンスを疑いましたがね。だって超が付く精密機器なのに、内部でガコガコガコって嫌じゃね?なのに「強い衝撃には注意しろ」みたいな注意書きが説明書にあったりするから、感情的には「はぁ?」って思うよね。
設計の人に「大丈夫なの?」と聞いてみると「こういう機構は踊っても大丈夫なように設計してます」って回答を間違いなくしてくれるのだけど、それは設計・検証を繰り返して実力を理解している人の見解であって、ユーザーの大部分というか99%は実力を知らないまま使うことになるので、不安を覚える人のが多いと思うのよね。
だから公式ページ上で大きく「踊ってても大丈夫だ、問題ない」とアピールしてくれない限りは大丈夫じゃねーぞ、と会う度に文句言ってました。だってボディ内手ブレ補正の付いてるカメラはどれも大体10万円以上はするんだ。どんな気持ちで大枚叩くのか5秒で良いから考えて欲しいよね。

似たようなことになりますが、私も降雨テストみたいないわゆる「環境テスト」の評価検証業務をやったことがあるので、機材はだいたいどのくらいまで雨に打たれても平気、みたいな感覚を持っています。経験上、各社のミドルクラス以上はワリと、というか想像以上に平気です。どこをミドルクラスとするか?は難しいところだけどね。
Z9にSラインのレンズ付けてる状態とかだと、本降りの雨ざらしは勿論、バケツで水ブッかけても全然問題ない(自己責任)し、OM-1(IP53だっけか?)くらいになると対応レンズ(M.12-40mmF2.8 Pro IIとか)との組み合わせであれば少々の水没なら全く問題ないと思います(自己責任)。水中でズーム操作繰り返したらダメかも知れないけど、撮影中に手が滑って沢に落として水没した、程度なら全然平気(自己責任)。OM-1は等級を公開してるから、まぁ水没や簡単な水洗くらいは間違いなくヘッチャラです。
そういう内部関係者の感覚があれば、カメラが耐えられそうな領域が分かりますが、一般のユーザーはそういうこと分からないので、アピールはして欲しいのよね。まぁ明言しちゃうと責任とか補償が生じちゃうので難しいのかも知れませんが。

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