Vol.408 3月31日 徒然

Z7 II + NIKKOR Z MC50mmF/2.8

春といえばカメラグランプリ選考の季節。

カメラグランプリの外部選考委員9年目かな?やってるので対象期間中に発売された機材のリストを眺めながら「あの機材はどんなだったかな?」と画像を発掘したりメモ書きを探したりしています。

いま丁度対象機材のデータを見返しているところ。マイクロニッコールっていう名称が無くなったのか一時休止なのかは知りませんがちょっぴり寂しいね。
マイクロニッコールは名玉揃いだったと思っています。ズームマイクロ70-180mmのアタリ玉というか特選品というかチャンピオンレンズというか、すべての精度がバッチリハマった個体を使ったことありますが、めちゃくちゃ良かった。何ならマイクロ105mmとかより普通に良かった。

最近のレンズというかミラーレス化してからレンズの製造バラツキが小さくなったと感じています。一眼レフ時代とかフィルム時代のレンズって当たり外れ結構あったからね。キヤノンで言うところのLレンズみたいな高級品というかハイエンドレンズでも片ボケとか解像不良とか当たり前にあったので、レンズ購入時や評価時には、そのレンズの実力なのか個体差なのかを見極める作業からやっていたことが懐かしいです。

本当にマジで品質安定していて、明らかな片ボケ個体はもう3年くらい見てない気がするし、なんなら中華レンズでも片ボケ個体にまだ出くわしていません。どうやってるんだろう?バラツキが出にくい設計・製造プロセスにしているのかな?

ココ数年の話ですが、ダイヤルやスイッチ、ボタンなどの物理操作デバイスの質感・操作感が明らかに落ちたと感じています。具体例を挙げればZ9とかOM-1。ニコンはそういう部分の質感がメチャクチャ良かったのだけどね。オリンパス(現OMソリューション?OMシステム?)もマイクロじゃないフォーサーズ時代のE-3とかE-5は良かったし、フィルム時代のOM-3とか好きでした。

そういう質感に対する技術のあったメーカー製品でフラッグシップやハイエンドモデルの新機種が登場するたびに、機能や性能ではスゲーと思う一方で官能性方面ではため息というかガッカリする機会が増えました。

世代交代が上手く行かなかったのか、コスト問題とか製造上の都合とか供給の問題とか色々理由が考えられるのだけど、個人的には良い機械の感触を知る人が居なくなったのでは?と思っています。それか、官能性そのものにピンと来てないか。

官能性って写りには直接関係しないけど、人間が直接扱うものには官能性って大事だと思ってるからね。そのメーカーのファンになったり長く使う理由の一つだったり、写真するモチベーションになったりと写真を取り巻く環境を良くしてくれていると思っています。
だって質感の良い機材って乱暴に扱えないし、その機材を使っている人もなんだか良い人そうに見えるし、自分ならそう見えたいし。

栄養があるから、とか身体にいいからと言って美味しくないものを毎日食べるのはキツイもん。

効率だけでは語れないものがあるよ、だって人間だもの。

バイワイヤというか、メカ的に直結した機構の採用例が減っているってのも関係しているのだろうね、耐衝撃とかさ。

そういったことを考えると合理的な設計になっていると思いますが、それでもシグマみたいに質感出してきてるメーカーもあるので、やはり技術の継承というかフィロソフィーやアイデンティティみたいなものの重要度が下がっているのかな。









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