Vol.416 4月20日 評価

GFX50R + GF50mmF3.5R LM WR

空の輝度ムラが少なくて良い感じに写っているウチのひとつ。こういうのはカラーで組みたいんだけどナカナカ思うように撮れません。フォトショで綺麗にしちゃっても良いんだけど、それだと写真の偶然性が失われてしまうし、そもそも写真じゃなくても良いのでは?みたいな「そもそも論」が頭の中で駆け巡ります。綺麗な写真を撮りたいワケじゃないからね。もちろん綺麗に写ってる方が良いけれども。


最近また比較とか検証みたいな案件が増えつつあってちょっとうれしい一方で、リアルな比較をやることの難しさみたいなものを再確認しています。

一応だけど高感度画質は比較的比べやすいと思います。
比べる時は出力サイズを統一してやるのが現実的。ってのがドットバイドットとか拡大率を統一してやると、ノイズという点においては画素数が少ないほうが同じ世代のカメラであれば有利だけど、そういう写真の見方って普通じゃないから。
ディスプレイであるか紙であるかに依らずソコソコのサイズ(A5なりA4なりA3なり)に出力して鑑賞するよね。
その時にどう感じるか?が本来は大事な訳です。ということで、実際にそのデータを使う時は余程のことが無い限りは拡大率100%で鑑賞することって無い。
例えば30MP以上のデータを100%で出力した人は少数派だと思います。dpiにもよるけどZ9の45MPとか実際に100%で出力するとクソデカイです。ってのが350dpiなら60cm x 40cm。だいたい全紙サイズ。
ここまで出力サイズが大きいと350dpiも必要なくて200dpiくらいで十分なので、実際にはもっと伸ばせます。デカイものって離れて鑑賞するじゃない?

と言ってもコレは従来の出力物に対する感覚で、将来的に大型で超高解像ディスプレイでの展示が一般的になれば「画素数はあればあるほど良い」みたいな時代がやって来るのかも知れません。

比較しにくいところの代表がAF&連写。バッファとかもそうだね。
こういうテストでは、最近のカメラは撮影条件がヌルいと違いなんてほぼ出ません。極端な事を言えば入門機とハイエンドで違うのは撮れる枚数だけ、みたいな結果になる場合だってもちろんあります。入門機が凄いのか、ハイエンドが情けないのか、もう書き手の匙加減ひとつでどうとでも受け取れてしまう。

限界領域に近付けば近付くほど性能差は如実に表れます。
だからといって条件を難しくすると、今度は安定して撮るのが厳しくなります。安定して撮れないと比較や評価が難しくなります。ってのが、カメラにとって厳しい条件ってのは人間にとっても厳しい条件だからね。すると撮影者の技量で意見が変わっちゃう。その一方で上手過ぎるのも良くない。偏差値で言えば54〜58くらいが多分適当です。偏差値65以上の超人が撮っちゃうとその人が凄いのかカメラが凄いのかわからないから。

検証しやすい限界領域が見た目で難しそうか?と言われると否ってのが難題で、見た目上のインパクトというのも影響します。

私のnoteやカメラマン誌などで繰り返し記述していますが、新幹線とか飛行機みたいな「速い」というイメージのある対象がカメラにとって非常にイージーな場合があります。実際にこの2つは非常にイージー。物理的には速いけど、動きが単調だし距離も基本離れているので、撮像面上での移動量が少ないです。
カメラにとって厳しいのは撮像面上での移動量や移動速度の変化が大きいこと。あと輝度差変化が大きいところを通過してくるとか、規則的なパターンの成分が被写体の前後にあったり、水面の反射みたいにキラキラした外乱要素が被写体のソコソコ近傍にあったり、暗いシーンだったり。

ポテンシャルのあるカメラでも、例えばEOS 7D Mk2は輝度差の少ないシーンではワリと良い感じだけど、輝度差が大きかったりヘッドライトが点灯してたりすると夢に出てくるくらいAFが良くない、みたいな事が出てきます。


バッファも同様で、実戦だとダラダラ撮りっぱなしっていう状況がそう多くないというか、ね。
ソニーみたいに「文句言わせねぇ」とばかりに大容量バッファを積むという戦略もあるけど、そのシワ寄せ(お値段)の代償を購入者全員が被るのか?という難しい問題もあります。

そういう「大容量バッファの会」代表たるα1にしても、連写繰り返すとサーマルスロットリングでバッファの捌けが悪くなるからね。それを見越してやたら多いバッファにしてるのかも?と邪推していますが、バッファ多くても書き込みで効率良く捌けなければ、バッテリへの負担とかコスト的に実利が薄い場合もあります。
似たようなのが懸念があるのはOM-1だよね。UHS-IIとしては頑張ってるけど、所詮はSDだから書き出しがボトルネック。バッファ増やしてこれ以上価格が上がるのを許容できているなら、元々バッファは多かったんだと思うしね。そもそもダラダラ連写しなければ問題ないのよ。
繰り返し連写テストすると「バッファ・・・」って思うけど、テストする気で撮らなければバッファ切れを意識する時ってあまり無いと思っています。だってそこまで撮りたくないもの、撮った後が大変だから。秒50コマで3秒撮ると150コマ。10秒で500コマ。それを10本撮ったら・・・・と、考えるだけでも恐ろしい。
ただ、鳥とか虫とかを撮る人には足りない気がするのも否定できないんだけどね。
だからといって、足りない少ないと声を大にするのもどうかと思うのよね。D7100みたいなのは叩かれて当然だと思うけれども。

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