1日1枚 Vol.61 1月31日 オススメ

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初心者はどんなレンズを選べば良いのか、聞かれることがあります。
あらゆる腕前の人に勧めたいのが、実は超高倍率ズーム(24−200mmとか18-135mmみたいなズーム倍率が7倍を超えるレンズね)です。特にビギナーや写真を勉強したい人にオススメです。

なぜに超高倍率ズーム??っていうと、利便性はもちろん挙げられるのだけれど、ソコじゃなくて、いろいろな焦点距離が持つ写りや距離感といった特徴を1本のレンズで学べるから。
超高倍率ズーム1本で取り敢えず1ヶ月とか3000枚とか撮影してみて、それをLr(アドビのライトルーム)みたいなソフトに突っ込めば撮影している焦点距離毎にどれだけ撮っているか確認することが出来ます。すると好きな焦点距離が撮影枚数として客観的に分かります。同時にレーティングしていくと、お気に入りのカットに対してどれだけその焦点距離で撮影しているのかが分かるので、得意な焦点距離が客観的に理解出来ます。
焦点距離が分かると被写体との距離感も客観的に掴めてきます。これが重要。
上級者なら撮影距離と焦点距離の関係性を再確認することが出来るし、手軽に普段使わない焦点距離にアクセス出来ます。

よく「標準レンズを買え」とか「マクロレンズがオススメ」みたいな意見があります。そういう見解に至るまでの理由ってのも十分に理解できますが、あまりにもステレオタイプに過ぎる、という気持ちが豊田的にはあります。ハマれば良いけどハマんないと苦行だからね。

個人的に大事だと思っているのは、客観的に自分を知ることです。

で、超高倍率ズームはF値が大体暗めです。往々にして接写能力も限定的です。そういう状況で利便性を頼りに撮影していても、だんだんと悔しいシーンが増えてきます。例えば「あと少しF値が明るいレンズだったら被写体ブレすることなく撮れたのに」とか、「高感度に為らずにキレイに撮れたのに」とか、「もう少しボケればもっと雰囲気良く撮れたのに」とか、「あと一歩寄れたら!」とか、「AFが速ければ」とかね。
そういった自分のやりたいことが分かってから、その目的を叶えるレンズを選ぶと、無駄撃ちしなくていいのでお財布に優しいだろうし、専用レンズ(例えばマクロとか望遠単焦点レンズ)の良さも理解出来るし、同時に超高倍率ズームの魅力を再発見することにもつながると思います。

すると、あそこをこんな画角やフレーミングで撮りたいから今日はこのレンズを持っていこう。でもこういう条件では撮りにくいかも知れないから、いつもとは違うアプローチをしてみようかな?みたいな楽しみが出来ます。

そうやって出来ることや理解を増やしていくと写真は楽しい。

やってて思ったんだけど、いきなり標準レンズ一本とか手段がない時代なら致し方無いとして、手段がたくさんある時代でそれやるってのはビギナーにはマゾ過ぎる。好きでピンと来たレンズなら良いんだけど、ネットとか他人の勧めで言われるがまま単焦点レンズ買っちゃうと挫けやすい。だって、そこそこ経験積んだ今でも「この単焦点レンズ1本で撮ってこい」ってされたら、手放しでは楽しめないもん。繰り返すけど、好きで買ってるなら別よ。

「超高倍率ズームは画質がー」って思った人、画質が写真のクオリティを著しく向上せしめることは基本的にありません。名作が必ずしも最高の機材で撮られてるってワケじゃないからね。もちろん撮ってて気持ち良いかどうか?って観点なら話は違います。
だからね、タムロンの最新世代の超高倍率ズーム使ってみ?ビックリするくらい写るから。ニコンのZ24-200mmに至ってはExif見ても超高倍率ズームだって信じられません。中にはf/8.0とかf/11.0まで絞ってもテレ端がホワホワしてるレンズもあるけど、40mmくらい手前のズーム位置で撮れば問題ない事が多いしね。

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