わたしのおまもり


社会人2年目、4月。

ここ最近文章が書けなかった。学生時代はあんなにもつらつら、つらつらと頭の中で永遠に止まらない独り言を吐き出すかのように文章を書き続けていたのに。
それはきっと当たり前ではあるけれど、「生活」を中心に生きることを始めたからで、「娯楽」を中心に生きていた時とは程遠い思考の巡らせ方をしているからだと思う。

時間だけは有り余るほどあって、好きなものにだけ囲まれて、嫌なことからは一瞬にして距離を置くことができたあの頃。なのになぜかずっと満たされていなかったあの頃に比べて、自分のために使える時間は限られていて、自分で選んだわけではない人間関係の中で、やりたくもないことも淡々とこなしていく日常を送っているいまの方が、なんだか気分がすごく楽!この幸せを手放してでも、社会人という肩書きを手に入れるべきなのか悩みに悩んだ就職前のわたしに、案外悪くない生き方かもよ?手放した方が楽になるよ?と伝えてあげたい。

ひとの一生は、「何も考えず楽しさだけを追い求めて生きていける時」「自分らしい生き方に悩む時」「解放の時」にわかれると思っている。そしていまはきっとその「解放の時」がようやくきたのだと思っていて、悩みに悩みぬいて出した結論を、小さな瓶にいっぱいいっぱいに詰め込んだそれを、日々少しずつ飲みながら生きているような気がする。おまもり。わたしの、わたしによる、わたしだけのおまもり。ただそれは有限なものだからさ、また少しずつ溜めていかなければいつかまた壊れてしまう時期がくるに違いないという恐怖も少し。

いまが、きっといまが、人生のピークなのだと思っている。時間とお金と体力をバランスよく所持しているいまがわたしの人生の山場なのかもしれない。

はあ!疲れた。文章を書くとにすごく疲れた。
息をするだけで文字を連ねることができたあの時では考えられなかったことだけど、文章を書くとこに疲れるということが、「普通」に生きていくうえて必要な能力なのかもしれない。いやだなあ!そんな生き方。「普通」に生きたかったわたしにとっては夢が叶った瞬間でもあるのになんかいやだな。生き辛くてもいいから、いっぱい傷ついてもいいから、涙を流すだけで1日が終わってもいいから考えることをやめたくない。悩むことをやめたくない。いまはそんな気分、複雑!

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