#metoo 社長がセクハラをする会社で起こったこと

「お前、その女性社員のおっぱいで抜いてるんだろ!」
社会人になってそんなことを言われるとは思っていませんでした。

私は、新卒の会社でセクハラ(性的からかい、恋愛ハラスメント含む)を受けていました。
会社は、「年齢層が若く、女性社員が多い」と言っておきます。

社長のセクハラ行為

社長は、女性社員にダダ絡みする傾向があり、人によってはセクハラととらえられてもおかしくない言動をする傾向にあります。
私が遭遇した中で一番驚いたのは、掘りごたつ式の席の下で、女性社員のすねに、つま先でちょんちょんとちょっかいを出していたことです。
内部監査室長が言うには「会社が上場する過程の中で、社長のハラスメント体質が問題視されるようになった」そうです。
その社長の攻撃の矛先は私にも向きました。

2015年4月1日、入社式夜の懇親会でのこと

社長「お前彼女いないんだろ。この会社、女の子いっぱいで選び放題だろ。この会社は社内恋愛推奨だからな」
私「はあ。」
社長「この(テーブルにいる同期女子4人)の中で誰がタイプなんだ?言ってみろ。こういうのから恋愛というのが始まるんだよ。」
私「入社して早々、女性社員を恋愛目線で見ることはできないですよ。」
社長「そういう風にみることだって大事なんだよ。」
私「だとしても、この4人とは、まだほとんど絡んでいないです。彼女たちの人となりだって分かってないから、選びようがないです。」
社長「そういうのはな、第一印象で選ぶんだよ。わかったか。つべこべ言ってないで、選んでみろ」

私は恋愛志向がないです。にもかかわらず、入社早々いきなり「社内恋愛しろ」とか「女性社員を恋愛目線で見るのだって大事なんだよ」と言われて頭がパニック状態に陥りました。
会社には仕事をしに来ているのであって、恋愛しに来ているわけではないのに…。
また、「女の子いっぱいで選び放題」というのは、女性社員に対して失礼なのではとも思いました。

他の飲み会でも社長は…

「お前は顔はまあまあいい。でも喋ると何言ってるかわからない。日本人と付き合うのは諦めろ。海外の人のほうがいいんじゃないか」
と言ってきました。
また、女性社員に絡むときに「こいつ(私)のことを恋愛対象としてはどう思っているんだ。こいつ彼女いないんだからな。」
と言っていました。
私はどうリアクションしていいか分からず、ストレスになっていました。

社長だけでなく、他の社員からも…

「この会社は女の子いっぱいなんだから社内恋愛しなよ」「好きな女性社員は誰?」と言われてきました。
それがストレスになっていました。そういう社風なんだろうけど、それを受け止めることはできませんでした。

部署内の飲み会でショック状態に陥った話

2015年6月、7月、部署内で飲み会がありました。
部署は、中途の男性が多く、「おじさんに囲まれている」と表現しておきます。

2015年6月の飲み会で

直属の執行役員(兼部長)に絡まれました。

執行役員「君は同期でいいなと思う子はいないの?こんだけいっぱい女の子いるんだからさ。」
「好きな同期女子、ベスト3を答えなさい。」
と言ってきました。
個人名を出すとその方に迷惑がかかると思い、また私自身恋愛志向がないので、「特にいないです」と答えました。
しかし、執拗に聞いてきたので、しぶしぶ当たり障りのない人の名前(「Xさん」とします)を挙げました。
誰でもいいから名前を挙げてこの会話を終わらせたいのが本音でした。

周りの人が「じゃあ、もし、そのXさんという人が、全裸でキスしてきたらどう思うんだ」と絡んできました。
その発言に気持ち悪さを覚えました。

2015年7月の飲み会でも

執行役員が「君は、Xさんのことがいいと思っているんだよね。」と前回の話を蒸し返しました。
それに対して、他部署からゲストで参加していた先輩が、
「お前Xちゃんがいいのか。おっぱい、大きいもんね。そうか、お前、Xちゃんのおっぱいで抜いてるんだろ!」
と言ってきました。
私はその言葉に対して、生理的な拒絶感を覚えました。頭では冗談だと分かっているのに受け流せない自分がいます。
同僚を性で笑いのネタにしているなんて人として有り得ない、そう思いました。強いショックを覚えました。

その後、先輩を中心に「好きなAV女優は誰なんだ?」「どんなシーンで発射しているんだ」と生々しい質問が飛び交いました。
答えたくはなかったのですが、答えなきゃいけないという義務感に駆られ、しぶしぶ答えました。すると、周りは盛り上がって、もっと答えろという空気感になりました。

また、飲めないにもかかわらず、執行役員、先輩を中心に、飲むよう言われました。

これらのやり取りに対して嫌悪感を感じ、パニック状態でした。
そんな私の様子を見て執行役員は、
「社会とは理不尽なものなんだよ。だから、この理不尽なハラスメントに対しても耐えなさい。」
という趣旨の発言をしました。

執行役員の言うとおり、とにかく耐えるんだ、笑うんだ、場を乱すな、そう自分に言い聞かせました。
が、内心は泣いていました。

あれ以来…

数日間、体調を壊し、病院に受診したところ、胃腸炎の診断を受けました。
また、不眠にも陥りました。
それ以来、一年以上、どんよりした気持ちが続き、涙が出る日々が続きました。勤務時間外や休日が全くリフレッシュできない状態になりました。
精神科を受診したら、何かしらの診断が出たのかもしれません。
会社や社員のことを信用できなくなり、前向きな気持ちになれなくなりました。

周りの社員は、何事もなかったかのように、業務に励んでいます。執行役員は事あるごとに「Xさんとはどうなったんだ?何?全然アプローチしていない?もったいない。」と言ってきました。そのたびにストレスになっていました。

あのときのことは、全然整理ができていませんでした。
飲み会でのことだから、冗談で言っているのだから、受け流さなきゃいけない、そう自分に言い聞かせ、フタをするようにしました。

性的な内容を含むので相談するにできなかったし、誰かにその話をしたら会社から不当な扱いを受けるのではという恐怖に怯えていました。頭の整理ができていなかったし、そもそも誰に話をしたらいいかも分からなかったです。

あれが、セクハラ・性的からかいであることに気付き、人に話をしてもいいことだと気付くのはもっと先の話です。

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