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還暦記念 北アルプス山旅2024〜DAY1・DAY2
プロローグでは装備を買いまくった話ばかりしてこいつは形だけなやつだと思われてるかもしれませんが、この後のブログを読んでからご判断下さい(笑)
さて、パッキング祭りをたっぷりと楽しんだところで旅立ちの日を迎え、東京駅から室堂行きの直行バスに乗り込む。最近の高速バスは充電用のUSBやWi-Fi完備なので移動中も色々と調べたりできるし、何よりも山に入る前にモバイルバッテリーの電力を消費しないで済むのがありがたい。そこで気になるのはお天気。直前になって「山の天気予報」というサイトを知って専門天気図を俄勉強した。
もっと早く知って深く勉強しとけば良かった。まだまだ理解が足らないけど、予測と結果を実地経験で積み重ねていけばかなり山の天気についての理解が深まるんじゃないかと思う。
例えば850hPa面(高度約1500m)の相当温位・風予想図。室堂へ向かうバスの中でスクリーンショットをとっておいた。初日のお昼頃の予想と3日目の朝の予想を比べてみる。北アルプスの辺りは、穏やかな初日から3日目には、水分をたっぷりと含んだ暖かい空気がかなり強い風(15m/sクラス)にのって北西(海側)から流れ込むという予想。つまりお天気が崩れる可能性がかなり高い。
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他にも色んな予想図があって総合的に判断するのだが、3日後にお天気が崩れるのは間違い無さそう。でも台風や線状降水帯ほどのヤバいレベルではなさそうなので中止するほどではないと判断。精度は落ちるようだが7/31以降の予想もあって快復傾向にはある。山に入ってしまうと電波が届く場所が限られているので、旅の間に必ずしもアップデートできるとは限らないけど、山に入る前に見通しを立てておく、電波が届くところで再確認することは山旅の安心・安全に多少なりとも役に立つと思う。
DAY1(7/27)室堂→スゴ乗越小屋キャンプ場)
朝7時、定刻通りに室堂に到着。
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雲はやや多いけど晴れ!
20年以上前に2歳の娘を連れてきたことを思い出す。
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このベンチの辺りでお湯沸かして珈琲飲んだ。
「ヤッホー!」とか叫んでて可愛かったなぁ〜あの頃は(笑)
一ノ越方向へ向かう人が多いんだけど、こっちは五色ヶ原へ向かうので浄土山を登る。
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浄土山の山頂は2831m。室堂が2400mちょいなので標高差は400m。それなりに急登もあるが、直行バスで2400mまで運んでくれるって有り難過ぎるわ。
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浄土山を越えると一気に視界が開ける。あの稜線を辿るんだと思うと気持ちが昂ぶる。
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ほどなくして雷鳥の親子に遭遇。幸先が良い。子供は2羽。別のところでも遭遇したがだいたい2羽だったと思う。調べてみたら「富山県自然保護課が発表しているの調査結果では、室堂平付近のライチョウの平均産卵数は5.7個であり、このうち約9割がう化するが、初冬まで生存するヒナは1羽ないし2羽であるという。」と書いてあった。よくぞ生き残ってくれた!
こちらを警戒しつつ親鳥から付かず離れずチョロチョロと走り回る子供達がとても愛おしい。
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気持ちの良い稜線散歩が続く。この辺りはこんな風にお花畑が随所にあって癒される。
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咲いてたお花を一挙公開(笑)
※花の名はGoogle Lensで調べただけなので正確かどうかわかりませんので悪しからず。
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おいおい、旅は始まったばかりなのにこんなにたくさんの種類の花を一気に見れるとは・・・
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高層湿原に入り木道が続く。その先に五色ヶ原山荘が見えた。そして山荘に11時くらいに着く。あれ?予定ではCT×0.8のペースで13時前のはずなのだが・・・稜線は高低差が少なめなので思いの外、ハイペースになるのか。写真を撮りながらのんびりと歩いたつもりなんだけど。
ここでテント泊の予定だったがいくらなんでも時間的に早過ぎるし、雲がかなり増えてお天気崩れそうなので先へ進むことにする。30日から崩れるけどそれまでは安定していると思ってたんだけど。山の天気は難しい。
初日から予定変更でこの先どうなることやら。
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ガスで視界が狭くなるが雨が降る感じではない。
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再び雷鳥に遭遇。運が良いかも。
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視界は一段と狭くなる。五色ヶ原の後は小さなピークを何度も越えるのでアップダウンが激しく結構キツい。
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ようやくスゴ乗越小屋に到着。15時。この先は薬師岳を越えなければならないのでさすがにタイムリミット。少し戻ったところにある小屋のキャンプ場で泊まることにする。
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定年退職祝いのソロテントで初めてのお泊まり。設営はスリーブにポールを通すようなことがなく、フックでインナーを吊り下げるタイプなので超簡単。天井が高く両サイドの壁が急角度で立ち上がっているので幅が狭い割に広く感じる。テント内で座っていても圧迫感が無いので快適なテントライフを過ごせそう。
テントを張った途端、小雨が降り出す。
ギリギリセーフ。テント張ってから降られるのはいいが、雨の中でテントを張るのはテント内も濡らしてしまうのでやだな。
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テントに潜り込んだらお湯を沸かしてまずはコーヒーを淹れて一息つく。前室が広いので助かる。こういう時は、インスタントじゃなくてレギュラーのカートリッジにする。一応スタバのやつ。山スタバ。ささやかな贅沢。
200ccくらいの水が固形燃料で数分で沸く。ガスだと2〜3分かな。倍以上掛かると言えばそうなんだけど、そんなに急ぐ必要があるのか? まだ16時半だ。風呂も無いし、電波も微弱過ぎて普段みたいにスマホをいじることもない。この後、夕食を食べる以外にやることはない。夕食にしてもフリーズドライだからお湯を沸かすだけ。もて余すほどの時間を前に急ぐ理由は見当たらない。かと言って退屈ということもない。日常生活とは時間の流れが異なるのだ。
暗くなったら寝る。明るくなったら起きる。
何もしない。それでいいじゃないか。
予定よりかなりペースが早かった理由を考えてみる。色々な条件が重なった結果だとは思うが、脚を止めるのが写真を撮る時と急登で息が切れそうな時くらいで、後は動き続けていることが理由としてあるかも。昼食のために大休憩を取ることもなく、動きながら行動食を取る。トレランや超長距離ランでは当たり前だし、そんなんで夜通し走ったりすることに比べれば楽。基準が一般人とは違うもんで(^_^;)
久しぶりの山行だけど、どうやら疲れて動けないなんてことにはならなさそう。
過信は禁物ですが・・・
こうしてDAY1が終わる。
〈参考〉
距離: 12.1 km
最大標高差: 692 m
最高点: 2835 m
最低点: 2143 m
累積標高+: 1336 m
累積標高ー: 1512 m
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DAY2(7/28)スゴ乗越小屋キャンプ場→雲ノ平山荘
分厚いマットとゆったりとしたシュラフのお陰で快適に眠れた。雨は小降りだけど降り続いてる。ささっと朝食を済ませてテント内で荷造り。レインウェアもテントの中で着る。最後にテントを畳んでザックに詰め込みいざ出陣。
ガスってるし雨降ってるし薬師岳越えないといけないし、今日はどこまで行けるかわからない。できれば雲ノ平まで辿り着きたい。テント泊が可能な山小屋をマイルストーンに、ポイントポイントで時間を見てどこまで進むか判断することにしよう。予定より先に進んでいるのだから焦ることはない。
雨の日は写真の枚数が激減する。カメラを濡らしたくないのはもちろんだけど、そもそも情報量が少な過ぎるのだ。黙々(ソロだから基本黙々だけど)と進む。
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薬師岳への登りは長くてキツい。(写真で見るより)景色が見えない分、お花畑により一層癒される。
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薬師岳に着くもガスって何も見えない。風が強く体温が奪われて寒くなってきたので長居せず先へ進む。薬師岳はいつか晴れた日にまた来よう。
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下りの傾斜が緩くなり薬師峠を過ぎると高層湿原の木道が現れる。太郎平だ。
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木道をしばらく進むと太郎平小屋に到着。折立から登って来る人が多いせいかとても賑わってる。室堂以来の賑わい(笑)
当初の予定ではここのキャンプ場で2泊目だなんだけど、初日にだいぶ先まで進んでいたのでまだ11時だ。この先に薬師沢小屋があるけどテント場は無い。なので雲ノ平までいくしかない。ここまでのところはペースが全く落ちてないのでたぶん大丈夫だろう。前へ進むことにする。
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しばらくは太郎平の高層湿原の木道が続く。お天気が良かったら写真をたくさん撮るスポットだなと思いつつ、先を急ぐ。木道のお陰でハイペースで進めるのがありがたい。
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薬師沢への下りは林間で視界は狭いが、ところどころ木道が整備されていて歩きやすい。眼下に見えるエメラルドグリーンの渓流の流れが美しい。水音にも癒される。見晴らしの良い高山の稜線や山頂も気持ち良いが、林間の緑が溢れる渓谷もまた良いもんだ。
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薬師沢小屋に到着。12:30。雲ノ平山荘までベースCTだったとしても3時間半なので遅くとも16時には着けるだろう。
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居心地の良さそうなベンチが目の前に。ちょうど雨も止んでいたので、先を急ぐ気持ちは横に置いて休憩をとることにする。
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つぶあんパンでカロリー補給。
牛乳と野菜ジュースで栄養補給。
結局、30分ほど休憩。
ここから雲ノ平まで直登コースを登る。
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標高1900mくらいの薬師沢から2400mくらいまで標高差500mの急斜面を文字通り真っ直ぐ登る。巻いてくれたらいいのにと思うが急過ぎて巻くに巻けないのだろう。息が切れて何度も立ち止まる。
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心折れそうになりながらなんとか登り切ると雲ノ平の高層湿原に入る。晴れてたら写真撮りまくりスポットだけど雨風が強くなってきたので先を急ぐ。
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ようやく雲ノ平山荘に到着!
無事辿り着いて安堵。
時刻は15:30。薬師沢から2時間半で着いたのでベースCTの7割くらい。
やればできる子だと自分を褒めてあげたい。
スゴ乗越から薬師岳を越え、薬師沢へ降りて雲ノ平へ直登を登り返す今日のルーはジェットコースターのようでさすがにハードな行程だったなぁと振り返る。
何はともあれ小屋に入る。
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入ると真っ先にこの掲示板が目に飛び込んできた。雲ノ平のキャンプ場は小屋からだいぶ離れてるし雨風も強い。雨の中、テントを張るのも気乗りしない。まだ2日目だしここは無理せず小屋泊まりに変更することにした。
乾燥室があるのでザック、ウェア、シューズを放り込んでおく。シューズ以外は寝る頃にはほぼ乾いたが、シューズだけは乾かない。朝まで放置したけど乾かない。ワラーチだったらそもそも乾かす必要もないのだけど今回は長丁場のリスクを考えてシューズにしたけどワラーチの良さを再認識。
山小屋の夕食は簡素だけどとても美味しい。(写真は撮り忘れた)ご飯をおかわりして3杯食べる。食べれる時にしっかり食べておくのだ。充電コーナーがあったので念のためカメラの電池、モバイルバッテリー、スマホ全て満充電にしておく。小屋泊まりにして良かった。
21時半消灯にてDAY2終了。
「還暦記念 北アルプス山旅2024〜DAY3・DAY4」へ続く
〈参考〉
距離: 16.3 km
最大標高差: 1012 m
最高点: 2923 m
最低点: 1911m
累積標高+: 1509 m
累積標高ー: 1235 m
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/150059560/picture_pc_95038eec117c90fb4e134ad5ae184c5e.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/150059503/picture_pc_7b2d3141c8372a9a70fa8b7d39ff5110.png?width=1200)
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