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弛まなく変化 2024/05/14

先日、バスケットボールのBリーグのチームのGMをしている知人がいるので、初めてプロバスケの試合を観戦しました。

攻守の切れ目がなく、一瞬たりとも目が離せない展開であっという間の時間でした。
アメリカのプロバスケットボールリーグのNBAが、なぜあれほど人気があるのか、肌で感じました。 こんなダイナミックな展開のビジネスができたら楽しいだろうな、と思わずにはいられませんでした(笑)
ちなみにBリーグの収益は前年対比二倍のようで、事業的にも成功していると思います。今回も地元の一大イベントになっていて、特に女性や子供の観客が多かったのが印象的でした。

バスケのボール回しや攻守でのチーム連携は素晴らしいと思う反面、結局、重要な局面では個人が決める重要性が高いと感じました。
チームとしての戦術や戦略があっても、勝負局面では誰かが決めるか否かで勝敗が決まります。野球やサッカー以上にキーパーソンの重要性を感じました。
かつてNBA最強チームであるシカゴブルズには史上最高のプレイヤーであるマイケルジョーダンがいたことは改めて重要な事実として実感しました。(大谷翔平以上の存在)

人間の歴史も結局、個人が歴史を作り、仕組みや組織化は後から追随的にされていきます。現代の科学の急速な発展はニュートンやアインシュタイン個人の賜物ですし、スマホはスティーブ・ジョブスがいなければ存在しないでしょう。
東南アジアに目を向けるとベトナムはホーチミン、インドネシアはスハルトやスカルノがほぼ個人で国を作りました。(開発独裁とポジティブに言われています)

私はバスケ観戦を通じて、人間の歴史は、個人が決めるのだということを改めて認識した次第です。
先述、会食させてもらった大手企業のお偉い人が、事業の特に初期段階は、結局誰がやるかが、最重要なんだよな、と言ってましたが、まさに図星です。
YSタレントも成長してきて仕組み化を考えていますが、結局、誰が決めるのか、誰が最初にやるのかは非常に大事だと思います(YSタレントは私自身がやるつもりです)
その後の仕組み化であって、逆はあり得ないかなと。
バスケのシカゴブルズもマイケルジョーダンのワンマンチームだったものを徐々に『仕組み化』を進めましたが、結局はジョーダンが決めていました。

仕組み化、組織化、標準化は企業や国にとって大事ですが、そこだけに傾注するとこれまで負けてきた日本の繰り返しになるので、それを超える個人(特に経営者、創業者、幹部、政治家)が何とかする事も必要だと思います。

アメリカのAmazonやアップルなどの最近の超巨大企業も個人の起業家によるもので、護送船団で乗り遅れた日本とはそこの差があると思います。組織の中で調整に明け暮れることなく、個人が勝負することも忘れてはならないと思います。(結局、これが最強だったりする)
そういう意味で、弊社の海外面接などで、バシバシ物事を決めるお客様がいて頼もしい限りです。
今の日本の外国人材は、初期段階なので特に決める人、最初にやる人が重要なのです。

さて、話は変わりますが、最近アメリカのバイデン大統領が、日本は移民を受け入れしないから発展できていないと発言しました。
アメリカ国内で移民に反対する国民へ向けた政治的な駆け引きもあるでしょうが、日本が、そのような例として挙げらること自体が重要なポイントです。

日本での外国人材の受け入れは、すでに対象になっている職種でも人数が急拡大している他、最近では運送業や訪問介護など、新たな分野での外国人労働者の受け入れもほぼ確定しており、急速に進んでいます。
しかし、例えば、最近要項が出た運送業のバスやタクシーのドライバーは、N3以上の日本語能力と、二種免許の両方が必須であり、外国人にとってはかなりのハードルと言えます。

日本のビジネスの大半が日本語で行われている以上、どうしようもない、という事情もありますが、これが、当然と思っているのと、少しでも疑問を持つのとでは大きな違いが出ると思います。

日本語の漢字、ひらがな、カタカナ、という文字の難解度、そして曖昧な表現などが言語習得のネックになることは日本人でもイメージがつくと思いますが、実は日本語は猛烈なスピードを持つ言語だということは意外と認識されていません。

「Syllables per second」という言語の発音に必要な拍数の指標において、日本語は世界の言語の中でも飛び抜けて速く、英語の二倍ぐらいとなります。
たとえば、「おはようございます」と言うのに、日本語は「お・は・よう・ご・ざ・い・ま・す」と8拍もありますが、英語の「Good morning」はのんびりと「グッ・モーニン♪」と2拍のみ。

おはようございます、と、good morning、の二つの言葉にかかる時間はほぼ同じなので、いかに日本語が早いのかが分かります。
この様に飛び抜けて早い日本語は、話すのも大変だし、そして、それを聞き取るのも非常に大変な言葉なのです。その上で、漢字を覚えろ、となると、もはや、普通の人にとって、挫折を促す言語No.1といってもいいでしょう(笑)

さらに言えば、外国人にとって、言語習得の難易度に加えて、英語、スペイン語、フランス語など世界的にメジャーな言葉をマスターした方が可能性は圧倒的に広がります。

バイデンに言われるほど、日本が閉鎖的に見えるのは、日本語の問題も影響しています。 このような状況を冷静に客観的に考えると、ただ外国人に日本語を強要するだけでいいのか、純粋に疑問を持たざるを得ません。

なぜこれほど大変でマイナーな日本語を学んで、ガラバゴスの日本に来てもらうのか??
まずは、日本側からの熱意に打たれて、ということはありえます。損得を超えた恋愛(損得もありますが笑)のような、相手の熱意を受け入れることは人間にとって最大の幸福かもしれません。
外国人は物ではないので、意外と感情的なことは重要です。
最近、海外面接に来ていただける弊社のお客様の担当者や経営者に熱意がある方が多いですが、とても大事なことだなと思います。

一方、損得の観点では、日本の治安、平均的な賃金や生活の安定度などがあるでしょう。日本の賃金の競争力は、もはや世界的に低下する一方ですが、中間層を作り上げた日本の平均的なレベルで考えるなら低くはありません。
海外では、経済成長するほど格差が広がる傾向がありますが、日本では中間階層が、どの業種や地域でも保たれており、格差の少ない社会が構築されました。
それほど高いスキルや情熱がなくても、真面目に仕事をすれば、それほど悪くない所得が保たれたり、簡単に失業したりもしません(今のところ)

また、日本の製造業やサービス業などの技術や技能は、世界的に非常に高いものがあります。日本の素材や部品は世界一ですし、日本のサービスはインバウンドを通じて世界から称賛の声が上がっています。

この様な事をこちらから働きかけることで、外国人が結果的に日本を選んで、日本語を学ぶ決意をしてもらう必要があります。

それでも、日本語学習のハードルは、日本人が思うより何倍も大きな障壁です。学習を支援するのか、学習が少なくても大丈夫にするのか、などの考え方や対策も今後は必要になってくるでしょう。
YSタレントが今やっているゼロからの日本語学習を企業と一緒に外国人に提供する企画もその一環です。

ところで、最近、私は数学と現実との相性を考えます。例えば、スケールが小さいと確率は当たりませんが、スケールが拡大するほど確率は完璧に近くなります。
サイコロを6回投げても、1が確実に出るとは限りませんが、無限回投げれば、1が1/6の確率でパーフェクトに出ることになります。

サイコロを投げてもすぐには1から6まで均等に出ることはありませんが、投げ続ければいずれはその確率に収束します。
外国人材の受け入れも、継続すればその真価が徐々に発揮されるでしょう。
今まではスケールが小さいので、その時だけの運任せもありましたが、これからは継続性や連続性も、成果に影響を与えると思われます。

外国人業界は、私がバスケの試合観戦で感じた息つくまもない、点の取り合いのような状態になっていきそうで、楽しみです。

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