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”ショートショート”と伝え方

短編小説の神様、星新一。
ショートショート(短編)作家という言い方もできるだろう。小中学生の頃、ちょっとした暇つぶしによく読んだものだった。

数ページの起承転結

たった数ページの短編。たった数ページの中に風刺あり、喜怒哀楽あり、起承転結あり。たった数ページでも読後に「残る」何かを残してくれる。
読後や再読した際に、実はこんな解釈もあるかも、など考えさせる作品が多い。
星新一のショートショートでは、時代や国が明確に想定できず、登場人物の名前もエヌ氏など抽象的。あまり感情的な人物もいないし、文体もさっぱりしている。流れるように読めるが、ちょっと引っかかりを残す。

短編だからといって、読後の感想が長編に劣るとは思わない。むしろ長編小説よりもココロに響くことだってある。

作品の数だけ起承転結を用意すること。これはかなりのセンスと才能、知性そして推敲力が必要であろう。

簡潔に表現する難しさ

自分が喋ったり、文章を書いたりする際を思い浮かべても、長々言葉を積み重ねるのは、実は大して難しくはない。思いついたことをつらつらと表に出すのは、それほど労力はかからない。

だが、短い言葉で自分の主張や考えを簡潔にまとめるというのは頭を使わないとできないことだ。
私は約2ヶ月前から財務経理に関するYouTubeを始めた。言いたいことがありすぎて、いつも初稿を書き上げた時点では長々としたものになってしまう。
自分の中から出てきたモノを捨てたり、言い回しを変更したりといった作業のほうが、時間がかかる

自分が知っていることをすべて伝えようとするのは、自己満足だと感じる。詳しいことはwebサイトに山ほどある。会計士さんや税理士さんのように私よりも何倍も勉強して知識を蓄え、経験を積んだ方たちの文章や動画は世の中にあふれている。

だから、自分にしかできない表現方法や中小企業で泥水をすすって経験してきたことを、興味を持ってもらえるように簡潔に表現できるよう試行錯誤中だ。

限られた時間での表現

金魚の集中力は9秒、人の集中力は8秒。

- Microsoft ”Attention spans” (2015)

スマートフォンの普及以降、我々は情報を即座に手に入れられることができるようになった。だから「待つ」ことに対する許容時間が減ってきているのだろう。

たしかに、自分があまり興味ない話は10秒以内に思考離脱してしまう気がする。学生の頃の授業だって、嫌いな教科は早々に別のことを考えたりしていた。よくネタとして言われる「校長の話が長くて倒れる生徒続出」のように、長いだけで面白くない、興味を持てない話というのは苦行でしかない。

世の中のキャッチコピーやCMは「印象に残る」「すぐに商品やサービスのアピールポイントがわかる」ように構成された、高レベルの推敲と知恵の結晶であろう。
自分は財務経理を中心にやってきたが、自分の会社のサービスのアピールをどうやるかといったマーケティングについても学び始めた。
学ぶほど方法や考え方はそれぞれで、自分たちに合った手法をうまく取り入れていければと思う。

星新一のような、卓越した文章力や推敲力と同様の力がつくとは思わないが、それでも訓練である程度は上達するはずだ。
先人の偉大な作品から、ビジネスに活かす考え方を学び続けたい。

星新一の作品のような「短くて」「心に残る」表現方法を磨くことはすべての側面において役立つはずだ。


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