職場における自殺対策についての語り場

 自殺(自死)の問題はメンタルヘルス対策の一部ではあるものの、多くの職場では日常的に「自殺対策」を意識して活動しているかというと、私自身はそうではありません。ただ、職場で自殺の危険が迫っている方に危機介入をする機会があったり、不幸にも職場で自殺が生じたりすると、自殺対策に対する関心が高まり、産業保健スタッフも意見や対応を求められることがあるため、改めて自分の中でも整理したいな、と考えて、勉強会を開催しました。

参加メンバーはnoteのIDをお持ちの下記の方々です。

・ネコピンさん
今回の企画に限らず、色々なところでお世話になっております。産業保健はあくまで活動の一分野であり、多岐に渡って当事者の気持ちがわかる議論ができるお方です。

・高橋さん
ネコピンさんから繋いで頂きました。実は、最初は自殺予防活動とはことなる願望をツイートしたのですが、それをネコピンさんが拾ってくれて、自死対策に関する話もしたいよね、といったことで繋がりました。

・吉田さん
定額制メールカウンセリングサービスをされています。このサービスには私も関わっているのですが、最初はネコピンさんからご紹介頂きました。このつながりも私がTwitterで「トラウマケア!」と呪文を唱えたら、ネコピンさんが吉田さんを召喚した感じだった(笑)と記憶しています。

 私は自殺対策を体系的に勉強したことはありません。公衆衛生的には重要な課題ですが、医師として働き始めてからの個人的な経験や、産業医としての活動をスタートして、メンタルヘルス対策の一環で担当する教育における「(当時の)年間の自殺者は3万人超であり、メンタルヘルス対策が重要」といったメッセージ、そして産業医としての危機介入、トラウマケアといった経験から学び、関心を持つに至ったという感じです。

 議論を踏まえて考えたところをちょっとずつ投稿してきたいのですが、様々な立場で活動されている方との議論はとても有意義で楽しかったのと、また明日から前向きに、かつ地道にやっていこうといった気持ちになれました。産業保健スタッフはひとり職場であることも多く、正解が一つではない中で、自分で判断して行動していかなければならず、とても孤独で、どうしても抱えがちになってしまいます。その環境にどう向き合うかはその人次第ではありますが、特定の職場の産業医として利害関係がない方と自己開示をしながら議論をする機会はとても貴重でありがたいと感じるとともに、自分もそういった存在になれる機会があれば、喜んで協力したいと考えています。

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