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「Handmade Electronic Music - 手作り電子回路から生まれる音と音楽」を試してみる(その1)

最近、電子工作と音楽を組み合わせることに興味があるので『Handmade Electronic Music - 手作り電子回路から生まれる音と音楽』という本を買いました。

翻訳を行った船田巧さんのインタビューにもありますが、電子回路の理論よりも、危険でない範囲で実際に試行錯誤しながら音を出すことが主眼となっています。

この本はなぜ音が変わるかについては、正面から説明しないの。舐めるとなぜか知らないけど音は変わる。それでなぜ変わるのかと思ったら、違う本を読みなさいと書いてある。あえてそこに行かないスタンスを大事にしていて、自分の耳と指を信じなさいと言ってる。

具体的な実行方法や応用のヒントが満載なので、実際に作って色々と手を動かして試していると、あっという間に時間が過ぎていく本なのでとてもオススメです。

そこで本を見ながら実際に試した記録をつけてみることにしました。

では30章からなる本書を順に試していきたいと思います。「1章 必要な工具と材料」「2章 ハッカーが守るべき7つのルール」は前置きなので、「3章 隠れた磁気の音楽を盗み聴く」からラジオを使った音探しを早速試してみましょう!

ラジオは電波を受信して音に変えますが、電波は様々なものから発信されています。これをラジオで聴く方法を試してみます。

手元に小型ラジオ「ELPA AM/FMコンパクトラジオ ER-P26F」があったので、これを使います。

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家の中のさまざまな家電にラジオを近づけて音を聞いてみました。

蛍光灯、エアコン、カメラ、リモコン、電子レンジなどを試してみましたが、機器や場所によってラジオから出る音が変わるのが分かります。
ラジオがあれば簡単に試す事ができるのでぜひ自宅でチャレンジしてみてください。

本書では関連する話題としてドイツのアーティスト Chiristina Kubisch によるパフォーマンス『Electrical Walks』が紹介されています。専用の受信機が埋め込まれたヘッドフォンをした参加者が地図を片手に送電線、重機械、エレベーター、地下鉄、ATMなどから漏れ出る電磁波を聴きながら街を歩くパフォーマンスです。

小型ラジオ片手に街を歩き、いろいろな機器に近づけた音をイヤフォンで聴くと同じような体験ができます。(周りから怪しまれない程度に!)

ちなみに、今回使った小型ラジオは2013年に行われた『東京ヘテロトピア』というパフォーマンスで使われて、参加者は持ち帰る事ができたものです。

東京の街なかで異郷を探すのに使ったラジオを、東京の街なかの見えない電磁波を聴くのに再利用して、また新しい体験ができました。

次回はスピーカーを使った実験をする予定です。お楽しみに。

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