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ウェイト・トレーニングに適したシューズ選び

各競技に適したシューズ,スパイクがあるように、トレーニングにもその内容などにより、適したシューズが存在します。

では、ウェイト・トレーニング(WT)にはどのようなシューズが適しているのでしょうか?

大学生や高校生を指導していると、いわゆる体育館シューズをそのままWTに使用している例が多く見受けられます。
中には、アシックスやミズノなどの大手スポーツメーカーの製品もありますが、多くは大量生産で比較的安価な物で、構造的に脆く、経年劣化も見られ、適していません。

学校で指定される体育館シューズの例

次に多いのは、ランニングシューズをWT用に転用している例です。
ランニングシューズは、シリアスランナー向けのソールが薄く軽量のタイプや、初心者向けのクッション性の高いタイプ、あるいは昨今ブームの厚底タイプなど、様々なタイプがありますが、そのいずれもWTに適しているとは言い難いです。
ただし、ランニングシューズの中では、トレイルランシューズのようなソールの硬いタイプであれば、WTに適している方です。

他には、初動負荷トレーニングを中心に展開する『ワールドウィング』では、マシンの扱い易さを考慮してソールがフラットなビモロのシューズが推奨され、それをWTに使用する選手もいます。
また、足趾の感覚を養う為にベアフットが良いという考えから、Vibramやそれに類似した5本指シューズを着用する例も見られます。
これらは、用途や目的によっては良いフィードバックが得られることは確かですが、WTにおいては不向きと言えます。

ビモロ
vibram

一方、ウェイトリフティングやパワーリフティング用のシューズは、どうでしょうか?
ウェイトリフティングは、クリーン&ジャーク,スナッチの挙上重量を競う競技である為、そのシューズは、当然のことながらクリーンをはじめとしたクィックリフトやスクワット,デッドリフトに適しています。パワーリフティングも同様です。

ウェイトリフティングシューズ

ただし、先の投稿で述べたように、スポーツ選手のトレーニングでは動きをつくるという要素を組み合わせて考えていくことがポイントであり、Jumpやステップ動作にも対応できるシューズが、より適していると考えられ、上記のリフティングシューズではそのような動きに関してやりにくさを感じることがあります。

では、結局、WTに適したシューズとは何でしょうか?
我々がお薦めしているのは、以下の通りです。


◆ バレーボールシューズ
◆ ハンドボールシューズ
◆ バスケットボールシューズ
 (ロー〜ミドルカット)


これらは、まずソール部分、特にヒールの部分が硬く、高重量のスクワットやJumpからの着地動作に安定感を与えてくれます。
また、ねじれ剛性が高いものが多く、横の動きを制御してくれることから、様々な動きに対応します。

バレーボールシューズ
ハンドボールシューズ
バスケットボールシューズ(ミドルカット)


このような観点から、上記3競技のシューズがWTに適していると考えています。

繰り返しにはなりますが、トレーニングの目的や内容によっては、適したシューズは変わってきますので、スポーツ選手がフリーウェイトを軸とするトレーニングを実施する場合において、最適ということを付け加えておきます。
なお、3競技のシューズの中でも、ピンキリは存在し(価格帯に比例することが多い)、選び方のポイントも何点かあります。
それらは、また別の機会に紹介したいと思います。

春シーズンが佳境に入ってきました。
春、思うような結果を残せなかった選手は、夏,秋に向けて、心機一転、トレーニングに打ち込むことかと思います。
その際には、より良いシューズでトレーニングできると僅かながら効果が上がるかもしれませんし、何よりモチベーションが上がります。
本投稿が、そのような方の参考になれば、幸いです。

JPFストレングス工房
鬼頭 祐介

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