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なんで「デジタル遺品」はよく分からなくて、なんだか怖いのだろう?

 今月も20日が近づいてきたので、「プロのためのデジタル終活セミナー 無料版」の告知を込めつつ、デジタル遺品の解説をさせてもらいますね。

デジタル遺品は単なるデジタルの遺品だ

 私がデジタル遺品を調べるようになったのは2010年頃でした。その頃はまだ「デジタル遺品」という言葉も概念も自分のなかになく、「自分が死んだらブログはどうなるんだろう?」や「オンラインの契約は運営元が死亡を察知して止めてくれるのかな?」のように、個別の疑問がポロポロ浮かんで、その都度調べる感じだったのを覚えています。

 当時と比べると、今はかなりデジタル遺品という言葉が明確な意味と輪郭を持つようになりました。とりあえずは、「スマホやパソコンの中身とインターネット上にある持ち物」と考えておけばいいでしょう。下の図みたいに立場や思想によって若干範囲は変動しますが、まあ、ある程度アバウトに捉えておけば問題ありません(初出:シニアガイド:古田雄介のネットと人生/63回:「デジタル遺品」とは何か)。

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 デジタルデータは実体がないため掴みどころがないように感じますが、上記の拠点に“だけ”存在していると考えると実態に近くなります。試しにスマホやパソコンを「家」、インターネットを「屋外」と見立ててください。

・インストールしたアプリや撮影した写真はスマホ家の中。
・仕事の書類やバックアップなど諸々のファイルはパソコン家の中。
・ネット銀行やSNSはインターネットという屋外にある。

そんな感じで捉え直すと、従来の遺品とあまり変わりない存在だと思えませんか? つまるところ、デジタル遺品というのは昔からある遺品の一形態に過ぎないのです。デジタルで残っている遺品でしかないのです。

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若い遺品ゆえの怖さ

 そうはいっても、デジタル遺品は怖い。その気持ちも分かります。実のところ私も、従来の遺品よりも怖いと思います。

 しかし、怖さの本質はデジタルという特性ではなく、デジタル関連のサービスがまだ相続に不慣れでいるところにあると考えています。

 インターネットが一般家庭で使われるようになってまだ30年も経っていませんし、パソコンも40年以上前から所有している人はごくわずかです。iPhone 3Gの国内販売が始まったのは2008ですし、LINEは2011年スタートです。購入者や契約者の多くが存命であり、提供側には没後の相談がまだそれほど多くは届いていないのです。

 同時に、遺品整理や相続の局面でもデジタル遺品が目立つケースはまだレアです。そのため、遺品整理や相続、供養、終活などの関連業界にもデジタル遺品と正しく向き合うノウハウが十分にはたまっていません。

 たとえば、
・遺族がスマホのロックが開けられないときの対処法。
・電子マネーや企業ポイントの相続の可否がバラバラ。
・故人のサブスク契約の解約や相続の方法が各社でバラバラ。
・秘密鍵が隠されたままの暗号資産の相続対応。
・・・など、様々な問題がそのままになっています。

 デジタルと相続の双方から手が伸びず、未整備な部分を多々残している。それがデジタル遺品の真の怖さといえるでしょう。

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プロに頼れるのが一番ラク

デジタル遺品の怖さは、未整備な現状をある程度把握したうえで従来のノウハウに接続できるプロフェッショナルが増えれば、かなりの部分が解消されると思うのです。

そのために、「プロのためのデジタル終活セミナー」を始めました。無料版セミナーは9月20日開催です。デジタル遺品の現状と対処法に関心のある方はまずはこちらに参加してください。

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・・・と、前回と同じオチにつながったところで、記事を締めますね。ではまた!

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