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感染症による産業別の影響とウィズコロナ時代の新業態の可能性

4/1に出た2020年3月期の日銀短観が(予想通り)過激な値だったので、思ったことを書いてみます。

予想通りとはいえ、ほぼ全業種で、現状指標・先行き指標とも悪化しています。特に、「宿泊・飲食サービス業」がぶっちぎりでワープしています。3か月でこれ程変化したものを見たことがありません。(下図は「大企業」の変化です。中小企業はまた別の見映えになります)。

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日銀短観は、製造業の中は相当細分化されている一方、BtoCのサービス業などは細分化されていないので、一概に「宿泊・飲食サービス業」だけが悪いという訳ではないと思います。しかし、業種によって影響度に大きな差があるというのは間違いないと思います。

これほど世の中が変容していくと、純粋な売り上げ減少の他に、各業種のサービス内容が変化していくことが考えらえます。つまり、外出自粛と景気後退の間に、ウィズコロナ時代の新しいサービスを検討する良い機会であるともいえます。

さて、感染症の蔓延に伴う社会変容、それによるサービスの変化とは何でしょうか。色々ありそうですが、主なものに以下が考えられます。

① 非対面販売・ネット販売・無人販売の拡大
  日用品や書籍などはリアル店舗よりネットで購買する方が感染リスクの観点でよいということになりそうです。また生鮮食品など即時調達の需要が残るものも、無人販売やデリバリーが拡がる可能性があります。
② 訪問型サービスの拡大
  家庭で過ごす時間が増えるということで、外食などはデリバリーサービスが増加します。他に、訪問介護・訪問医療の増加など、家庭に行くことで賄えるものに代替されていくことが考えられます。
③ リモートワークの促進と、集合型サービスの非集合化
  ホワイトカラーのリモートワーク化はもちろん、学習塾やスポーツクラブなどのこれまで集合型で行っていたサービスをオンライン化によって対応するサービスが増加すると考えられます。また、ライブ・コンサートのオンライン化なども始まっていく可能性があります。
④ 物流網の崩壊とそれに伴う物流の再構成
  宅配便など家庭への荷物の急増により物流業の労働量が異常上昇して、現場が疲弊していくと考えられます。そこで、玄関前置き配やコミュニティ内共同配送などのラストワンマイルの配送形態の変化が拡がりそうです。
⑤ 家庭内ヘルスケアに関する用品や機器の需要増
  マスク・消毒液などの衛生用品のサブスク化や、家庭での体調検査機器・換気を促進するためのエアコンの需要が増えると考えられます。

以上のような変化を考えつつ、日銀短観で分類が粗いものを細かくして、現在の業種別の影響と、新業態の可能性を列挙してみたのが下図です。数値は完全な主観です。

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パッと考えてみただけなので正しくないかもしれませんし、例えば観光産業はどのように変容していくかは思いつきませんでした。(発想が貧困・・・・)

ともあれ、自宅にいる間に、ウィズコロナ時代のサービスを考ええ続け、社会が再起動したときの加速をしたいですね。

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