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1年で社員もEMも増えたけど、ぶっちゃけ組織どうなん?スタートアップ1人目EMの現職エントリ2023年夏

🐳この記事は「ログラスサマーアドベントカレンダー2023」の24日目の記事です。
明日はログラス一人目偉人HRのりかさんです!

ログラスにてシニアエンジニアリングマネージャーをしております飯田です。最近はうちゅうビールにハマっており見つけるとつい買ってしまいます。

1年前にEMになってからの活動を振り返った記事を書いたのですが、そこからまた1年が経過したということで現職エントリ的にこれまでの取り組み、そして組織の成長について紹介させていただきます。

特に、最近イベントでお会いした方から「ログラス初期からめっちゃ頑張っててすごいなって思ってましたけど、ぶっちゃけ最近どうなんですか?EMとしては今も同じ感じでやれてるんですか?」という質問をいただきまして、ぜひこれに答えたい!と思いましたので、現職エントリ風に直近の組織まわりについてお伝えできればと思います。


1年前の状況と課題について

開発体制としては、2022年3月に3チーム体制となり 、その後の8月に2人目エンジニアリングマネージャー(以下EM)の勝丸の就任がありました。マネジメントラインとしても1人で3チームを見ていたところから1チームのマネジメントを切り出し、分担した組織マネジメントを行えるようになりました。このとき、チームを機能領域別に分割するチーム体制としました。

一方で開発プロセスとしてはまだ1チーム時代の名残を各チームが引き継いでおり、チームのミッションに合わせてプロセスを最適化していくことに課題が残っていた時代でもありました。また、この時期は品質やセキュリティ面のより高い要望に応えていくために投資を強化しているフェーズでした。

2022年11月には松岡が3人目EMに就任し、品質やセキュリティ、CICDの高速化、インフラの開発など機能領域に閉じない横断的な技術課題を扱うチームが発足し、4チーム体制となりました。

課題としては、

  • チームが増えたが開発プロセスが安定化していない

  • チームの開発生産性を最大化できていない

  • 人が増える過程においてマネジメント体制が追いついていない

  • 採用プロセスのアップデートが追いついていない

という、スタートアップのマネジメントがぶつかる課題にまさにこれから立ち向かうという状況でした。

取り組んできたこと

2022年8月〜2022年末:マネジメントのチーム化

2022年10月には現在のVPoEである伊藤の入社もあり、8月から年末にかけて本格的にマネジメントのチーム化に取り組んできました。

マネジメントのチーム化は非常に重要なテーマです。マネジメントチームとしてのチームビルディングにもしっかりコストをかける必要があります。以下もぜひ参照ください。

このとき考えていたことは、これから人が増えてチームが増えて、マネジメントも増えていく過程でマネジメントの目線がしっかり合わさるようにしておくことでした。
各チームでEMがバラバラなことを言ってバラバラな方向にチームをリードしたり、CTOとも方向性が擦りあっていないような状況が発生すると組織は一気に崩れていきます。新しくEMになったメンバーと現場課題の目線を合わせ、その後CTOとの定常的な会話量を増やすことや、ワークショップなどを経ることでマネジメントの目線が合っていきました。

当時のDTA(Designing Team Alliance: 意図的な共同関係の構築、というコーチングのワークショップ)のワークショップのログから一部抜粋します。

1年経った今でも「割と一枚岩」はいいキャッチフレーズとして使い続けています。

マネージャーたちがちゃんと一枚岩になっている組織、良くないですか!?私自身とても心強いなと感じながら日々過ごせています。

2022年10月〜:開発生産性に関する可視化と取り組み

2022年10月から開発組織の生産性・品質の可視化のため、Findy Team+を導入しました。
それまでチームの生産性については定量的に扱うことができておらず、結果的な課題に対してどのメトリクスが悪化しているのか?ということをファクトベースで振り返ることが困難な状況でした。

こうした施策をトップダウンだけで推進することはツールによる形骸化につながる可能性もあると考えており、ボトムアップで進めるため一緒に取り組んでくれる現場メンバーと推進しました

この取り組みからの最もわかりやすいアウトプットとしては2023年7月に開催された開発生産性カンファレンスへの登壇資料にまとまっています。

このチームではふりかえりの際に各種メトリクスを参照し、改善を重ねてきました。スライドではサイクルタイムに着目した事例が記載されています。

また、カンファレンスの登壇者をみたときにCTO, VPoE, EMなどロールが目立つ中で、現場メンバーからの生の事例を発表できたこともよかったのではないかと感じています。

今回このカンファレンスではオフライン・オンラインのハイブリッド開催ということで、採用広報としてスポンサーのブース出展も実施しました。

熱弁するVPoEいとひろ

ブース出展はログラス開発組織としては初の試みで、今回専用のノベルティなどをしっかり準備できたわけではなかったためコンテンツで勝負する形にしました。

ログラスとしてはDDD、スクラムなどは創業当初からしっかり取り組んできているため、ここを話せるメンバーがブースに立つことで一定集客ができるだろうと見込みました。
結果的にこの取り組みはうまくいき、ブースで接点もった方6名と後日カジュアル面談をさせていただくことができました。

2022年12月〜:チームの自己組織化

2022年末はマネジメントのチーム化と並行して各チームの自己組織化を強化する取り組みを開始していました。
その起点となる取り組みがチームロードマップの策定です。

CTO坂本によるやっていき

これまでプロダクトのロードマップはPdM主導でチーム横断の全体のものをQ単位で更新するような運用になっていました。
そのロードマップをチーム単位に落とし込み、チームごとでオーナーシップを持てるようにするのがこの取り組みです。

チームにロードマップがない状態では何が困るのか?
課題としては開発優先順位を変更したいとなった場合に全体のロードマップを変更するためのコミュニケーションコストが発生します。細かい話題も常に全体で議論しなくてはらならず、スピード感が出ません。

Howとしてのスクラムのスケールを考えた時にさまざまなフレームワークもありますが、まずは各チームの改善の延長としての自己組織化が組織の成功体験として重要でした。

しかしながら、これを実行するためにはチームがロードマップの意思決定ができるケイパビリティを備えていないといけません。
この時期はPdM、デザイナーも1チームに1人入れるという状況ではなかったのですが、兼務でカバーする形でチーム単位で独立して開発優先順位を考えられるようになったのが2023年の頭のことでした。

実際には初期は泥臭く動かしていたというのが正直なところで、サブPdMというPdMの補佐的な役割を担う人を各チームのエンジニアに打診してまわったり、その後PdMとのデリゲーションポーカーを実施して期待値や役割をさらに整理するなどを実施して動き始めました。

PdM-サブPdMのデリゲーションポーカー

チーム単位でロードマップが策定されると、ここから一気にチームの自己組織化が進んだように感じています。
ロードマップをもとにOKRを策定する、OKRに合わせて開発プロセスをチューニングする、その結果得られた情報をまたプロセスに反映していく、という形でフィードバックサイクルと独自進化が加速しました。

具体例としてはRSGT2023に参加したメンバーが「今のチームのエピック的に不確実性高すぎるのでスクラムやめます」と言ってチームのプロセスを変化させていく事例などができました。

守破離の破までいけました(※富岳=チーム名)

2023年2月〜:全社マネジメント基盤の整備

取り組み自体は2022年から行なっていましたが本格的なマネージャー研修の整備を2023年から行いました。

まず前提として、そもそも経営陣とマネージャーのマネジメント共通言語を作りにいくということで2022年6月から9月にかけて外部のマネジメント研修を布川、坂本とビジネスサイド側1人目マネージャーである浅見、そして開発側の1人目マネージャーである私で受けました。

その後、この研修で得た共通言語を社内でスケールするための内製基盤の構築に着手しました。
プロセスは以下で進めました。

  • EVeMさまのコンテンツをベースにログラスのプロセスやバリューをもとにしたコンテンツの作り込み

  • ビジネスサイド、開発サイドの2人目マネージャーおよび、コーポレートマネージャーと連携したリアルタイム研修によるベンチマーク

    • ここでは私が講師役を行い、ログラスのマネージャー視点で価値のあるものになっているか?というフィードバックループを回しながらコンテンツのブラッシュアップを行いました

  • ブラッシュアップしたコンテンツを録画し、合計6回のインプットコンテンツとディスカッションコンテンツとして整備

  • 2023年2月からの新任マネージャーから本格運用

    • 事前学習とディスカッションパートで構成し、チーム別にディスカッションを同期開催で実施

「会計と予算管理」は独自コンテンツとして追加しています

いったん運用は走っている状態ですがまだまだ課題はあり、継続的にHRと連携しながら整えていくことを考えています。
しかしながら、徐々にMgr同士での会話でも共通のキーワードでマネジメント課題について議論できることが増えてきており、この点ではすでにプラスの効果が出てきているところだと感じています。

2023年5月〜:ハイアリングマネージャー再び

幸いなことに事業としては順調に成長を続けており、以前公開した3周年記念ページにもある通りT2D3を引き続き追いかけています。

その過程において全社的にも引き続き採用も強化しており、2023年5月からはエンジニアのハイアリングマネージャーを再び担っています。(過去にも担当していた時期がありますがその時々でスイッチさせて運営してきています)

直近やっていることは以下です。

  • HRと連携しながら週次で目標と進捗とアクションの確認

  • エンジニア全体を巻き込んだスカウトや技術広報、選考プロセス改善の取り組み

  • 採用広報でのイベント設計や運営

  • 社内の採用窓口、個別の選考フォロー、エージェント対応

全社で採用を加速しておりHR側もかなり忙しい状況になっているため、各部門でのプロセスをマネジメントしていかないと活動が成り立ちません。そのため現状では私自身のかなりのリソースをこちらに割いている状況です。

今後新たな開発チームを作って新しいチャレンジをしていくことを見込んで、フレキシブルな選択を取れる組織の余力を作っていくためには採用が非常に重要なミッションであると考えコミットしています。

今後取り組んでいきたいこと

以前の記事では「組織の新陳代謝を戦略的に生むこと」ということで、そのときの状況に合わせて個々人がどんどん役割を変えてチャレンジを行い、結果としてスケールしていく組織を作りたいと書いていました。
現在は引き続きそれが進められている状況ではあると思っています。

また、上にも書いた通り、各チームの自己組織化はかなり進みました。これから先はチーム間連携や組織全体での大きなチャレンジをどのように生んでいくか?がテーマになってくると考えています。

個々のチームとの関わりにおいて、チームが成熟していくとマネージャーの存在というのは抽象的な関わりやもっと言うと概念的な関わりになっていくと思います。
ちょうど先日あるチームのドラッカー風エクササイズのファシリテーションを担当したときに、私への期待のひとつに「マスコットとして盛り上げてほしい」というものがありました。

マネージャーとして個々人に対してのキャリアやチャレンジを支援していくという意味では高い期待を個別にかけさせていただくこともありますが、チームとして成熟して新たなチャレンジができている状態になっていくと、マネージャーがマスコットという概念的な存在になっていくのはある意味正しいのかもしれない、と納得した自分がいました。

そうすると次は何をするかというとやはり組織全体の非連続な成長を考えることがミッションになってくるということで、これからの1年はこれをテーマに生きていこうと思っています。

We Are Hiring!

ということでいつものやつを貼っておきますが、エンジニア積極採用しております。イベントなどもやっておりますので遊びにきていただけたらハイアリングマネージャー人格の私がとても喜びます。


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