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【8】 病床

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【7】 その男、ゴールデン

https://note.com/yshop/n/n3420eb534308

「ウゥ……ウゥ……」
1人の男がベッドでうなされている。一匹のにゃんこが心配そうに彼を見つめて寄り添っている。
彼の世話をしてる何人かのうちの1人がつぶやいた。
「ゴールデンさん、もうこんな状態が続いて10日になるよ」
そう、この病床の男は土地安定組合の組長のゴールデンだ。
「ゼェ、ゼェ、サウスポールはまだ帰ってこねぇのか? ゴホッ! ゴホッ!」
「ゴールデンさん! 無理して喋らないで下さい! サウスポールさんは先月出稼ぎに他街に行ったまま、まだ帰って来てません」

ーーガチャ

ドアが開いた。そこにいたのはサウスポールだった。
「ゴールデン、アンタ、こんなに痩せちまって」
「おぉ、サウスポール、ゼェ、ゼェ、死ぬ前に顔が見れて良かった、ゼェ、ゼェ」
「バカ言っちゃいけねぇ! アンタはまだ死んじゃいけねぇ!」
ゴールデンは何か言いかけたが、落ち着いたのかそのまま眠ってしまった。
「サウスポールさん、俺達ハァイポーションもロイヤルポーションも飲ませたんですが一向に良くならなくて」

【ロイヤルポーション】
~覚悟を持つ者だけが飲むことを許されるポーション~

ロイヤルポーションは現在のMUTOYS島で価値、効力共に最高の薬だ。
この薬が効かなかった者の行く末はーー死だ。

薄暗い部屋の中で世話人の報告はサウスポールの心をも暗くした。
「何か打つ手はないのか」
サウスポールは椅子に崩れ落ちるように座り頭を抱えた。
やつれた表情で世話人の一人が口を開いた。
「噂では【世界樹の枝】というものを薬にすれば万能の薬が出来ると……ただ、今その枝は市場に1つもありません……それと、それを使った薬は存在しないんです」

沈黙がその場を支配した。

「…………レシピだ。ゴールデンが以前言ってたんだ! レシピなら何だって出来ると! お前らは腕の立つ錬金術師を探してくれ! 俺は世界樹の枝を探してくる! エメラルド街で手に入れたこの地図の場所に行けば見つかるかもしれない」
サウスポールは【閉ざされた地への地図】を広げた。
「ニャ~オ」
今まで寝ていたにゃんこが起き上がり、地図を眺めたかとおもうと、サウスポールの足に鼻をこすりつけた後出口へ向かった。
「ニャ~オ」
にゃんこはサウスポールに向かって一鳴きした。
「呼んでいるのか俺を?」

にゃんこがドアを手で押すと一筋の夕陽が部屋に入り込んだ。
サウスポールは暗雲の立ち込めた状況に一筋の希望を見出した気がした。
闇に包まれたサウスポールの心に……光が差し込んだ。


店主 サウスポール
創業889日目
慈愛の資材屋で創世の木こり

次回


読んで頂きありがとうございました!
登場した人物、レシピ品全てフィクションです。
気になるレシピがあれば実際に作って頂いても構いません(作ってもらえたら飛んで喜びます)

作中に出ても良い店主募集中。
店主名、オーナー番号
をTwitterでDM下さい。
普段のプレイスタイル等入れてもらえたらなるべくそれに沿って書かせて頂きます。
登場する話は事前にDMで確認して頂いた後掲載させて頂きます。

各物語のイメージ画像募集します!募集させて下さいー!
物語を読んでみて浮かんだイメージがあればそれをお願いします。
又は次の物語の画像書いて頂けるというのであれば掲載前に物語をDMで送信します。
もしくは既にオリジナルのキャラ等の画像あれば、その画像を元に物語を考えます。
名前、職業種の設定あれば教えて下さい。
提供して頂いた方のお名前はその物語内の1番上に紹介させて頂こうと思ってます。
例「イメージ画 ~様から提供」みたいな感じで。
よろしくお願いしますー!

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