【7】 その男、ゴールデン

グビッ、グビッ、グビッ、、
「プハァー!    あと、10本!」

    ここはサファイア街の中心部。この街一番の資産家ゴールデンは今日も朝からスピポを飲んでいる。

『ゴールデン、今日は何の作業だい?』
    木こりのサウスポールが問いかける。
「実は今朝新しいレシピを作ったんだ。それで朝から棚に並べたくてスピポを飲んでいるのさ」
『アンタも懲りないねぇ。この間失敗したばかりじゃないか』
「失敗じゃねー!    情報収集と経験を積んだんだよバカヤロー!    レシピは可能性の塊なんだ!    レシピを極めれば何だって出来る!それに金ならある!」
『わかった、わかった』
    そんな中、住民達が騒ぐ声が聞こえてきた。
「戦争だー!    土地開発戦争が始まったぞー!!」
「道信者が落葉樹林を消そうとしてるらしいぞー!」
「道信者は最近この街に来た新人らしいぞー!」

    住民達の騒ぎを耳にしたサウスポールは動揺した。
『落葉樹林っていったら俺の周りじゃねーか!』
「なにぃ?」
『木が無くなったら木こりの俺は引っ越さなきゃならねー。それにここで丸太が取れなくなったら店主達は遠くから仕入れなきゃならんくなる。
ゴールデン、頼めるのはアンタしかいねぇ』
「わかったよ」



~ゴールデンの家の広間~
十数名が同じ方向を見ている。
視線の先にはゴールデンだ 。
1つ深呼吸をすると、彼は口を開いた。

「依頼が入った。今回の戦争我々は落葉樹林側に付く。土地開発した者はいつも通り掛かった費用分何か棚に置いてくれ。うちの妖精に取りに行かせる」
組合達がざわついた。
「ゴールデンさん、先月も戦争に参加したばっかりじゃ……」
「心配するな。金ならある」
    その一言は組合達を静めた。動揺する組合員を包み込んだと言うべきか。
    ゴールデンは多くの資産だけでなく人を惹き付けるカリスマ性も持ち合わせていた。

    そんな彼は約300日前「土地安定組合」を立ち上げた。
    協力の依頼を受け、その土地開発が協力するに値すると判断した場合のみ、依頼を受理し、各街にいる組合員と協力し土地の安定化を計るのが目的だ。




~20日後~
『ゴールデン、ありがとう。本当に助かったよ。組合員の皆にも伝えておいてくれ』
「今回は相手が1人だったから大した事なかったよ。そいつには悪い事したがな。土地開発には良いも悪いもないんだ。誰の意志を優先するかなのさ。今回は付き合いの長いアンタを優先しただけさ」
『ゴールデン、本当にありがとう。ちなみに今回はいくら費用が掛かったんだ?』
「そんな事は気にするな。金ならある。それより、次のレシピに丸太を使おうと思うんだ。切ってもらえるか?」

    その言葉に胸が熱くなる木こりのサウスポールだった。
「もちろんだよ、ゴールデン!」


    この日の酒場は夜中まで大盛り上がりだったそうな。


店主 ゴールデン
創業797日目
きっと防具屋でぽかぽか細工師

次回


読んで頂きありがとうございました!
登場した人物、レシピ品全てフィクションです。
気になるレシピがあれば実際に作って頂いても構いません(作ってもらえたら飛んで喜びます)

作中に出ても良い店主募集中。
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普段のプレイスタイル等入れてもらえたらなるべくそれに沿って書かせて頂きます。
登場する話は事前にDMで確認して頂いた後掲載させて頂きます。


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