とりあえずやってみることの価値

水面に石を投げ込むと、波紋が広がります。最初は大きな波が水面を揺らし、乱れた状態になります。しかし、時間が経つにつれて、エネルギーは失われ、波紋は次第に小さくなり、最終的に水面は平静な均衡状態に戻ります。

このように、均衡状態とは周りの環境全ての釣り合いが取れていて、一定の安定性を保ち、穏やかで変化のない状態です。しかし、この均衡の中に留まることで新しい挑戦や経験を得るためチャンスを見逃すことも多々あります。

こういった均衡を、あえて掻き乱すことができる人には大きな力があります。平穏を崩すことは、一時的な不安定さも生みますが、同時に新たな気づきや出会いを自然にもたらします。それらがまた大きな波紋を作り、新しい挑戦が訪れることもあります。だからこそ、私は思いついたことを「とりあえず」やってみるという姿勢を大切にしています。やってみてダメだったとしても、放っておけばまた波紋は静かに均衡状態を取り戻すので、何も心配いりません。何もしないことの方がリスクです。これを経験上理解している人は、どんどん自然とチャンスを呼び寄せます

私はこの一年、いくつかの新しい試みを、あまり深く考えずに「とりあえず」やってみました。

  • とりあえず、シンガポールの永住権を申請してみました

  • とりあえず、週に一回は新しい人との出会いを作ることにしました

  • とりあえず、週に一回noteの記事を書くことにしました

  • とりあえず、シンガポールの青年会議所に入ってみました

  • とりあえず、会社のボランティア推進グループに入ってみました

  • とりあえず、地元の三重県四日市市に貢献するため、地場産業である四日市萬古焼の海外進出支援を始めてみました

これら、特に明確な狙いや目論見があったわけではなく、ある意味意義のある暇つぶしのような感覚で足を突っ込んだわけなのですが、そのアクションから得られる価値や人脈は非常に大きかったと感じています。お金で買えるモノでもなければ、座学で勉強して得られる知識とも違う収穫です。一方で、継続して力を入れるべきところとそうでない活動も少しずつ見えてきました。全て、頭の中で考えていただけは見えない、実際に行動した結果の価値です。

2023年も残り僅かですが、来年「とりあえず」始めたいと考えていることも既にいくつかあるので、それについては別の機会にリスト化しておこうと思います。

もちろん、心地よい均衡や安定も大切ですが、挑戦を恐れずに行動することで、新たなチャンスや可能性は無限に広げられます。逆に均衡の中で待っているだけでは、成長や進化はありません。新たなアプローチやアイデアを持ち込むことで、新たな均衡が生まれることもあります。毎日の生活で平静な均衡状態を少しでも感じた時にこそ、あえて水面に石を投げてみて、より豊かで刺激の多い人生を築いていきたいと考えています。