運を味方につける

松下幸之助は採用面接の際、必ず「あなたは運がいいですか?」と質問し、悪いと答えた人はどれだけ優秀な人間でも不採用にしたと言われています。

あなたは運がいいと思いますか?私自身、かなり運がいい部類の人間だと思っています。ただし、これは自然に降ってきたものではなく、私は自分で運を良くしてきたという自負があります。

運と聞くと、偶然の出来事からくるもので、自分でコントロールできるものではないように思えます。私は、これは半分正しくて、半分間違っていると思います。運を100%偶然の出来事であるかのように捉えてしまうと、運気を呼び寄せるために神頼みをするというような発想になってしまいますが、決してそうではありません。実は意図的に運を味方につけることは十分可能であると考えています。

では、どうすれば運が良くなるのか。それはさまざまな人脈や業種や経験に日頃から接点を持つことです。その点を増やせば増やすほど、いつかそれらの点は線で結ばれる可能性が高くなり、自分でも意図していなかったようなチャンスに巡り会えます。

なんだそんなことか、と思うかもしれませんが、私はこれが運の正体だと本気で思っています。自分の能力をコツコツ磨くことも大切かもしれません、しかし歳を重ねるごとに感じるのは自分一人の力で勝ち取れる成功などほぼないに等しい、あるいは自己実現というのは周りのサポートあってこそ可能になるということです。そうなのであれば、いつどこで自分をサポートしてくれることになるかもしれないネットワーク、つまり接点を若いうちからいかに積み重ねてこられたかが成功の確率を高める鍵になります。若ければ若いほど、何が成功かすらわからないことも多いと思います。そうであればなおさら、多様性を持ったネットワークを持つことが非常に大切になってきます。自分では気づいてもいなかったチャンスが、複数の全く異なる接点から生まれることも多々あり、そこで初めて自分の目標や情熱を発見することもあるでしょう。

ちなみに、闇雲に色々な業種や人脈に手を広げるというのは、意味のある点作りにはなりません。闇雲に手を広げると、自分の興味や関心とかけ離れた業種や人脈と出会う可能性が高くなり、深い交流を築くことが難しくなります。意味のある点作りのためには、現状のメインストリームを基準に少し視点をずらした広げ方をしましょう。自分の興味や関心と直接関連する業種や人脈だけではなく、それに関連するが今の自分からは少しだけ距離がある分野に目を向けるのです。そうすることで、自分の価値観や視野を広げ、新しいアイデアや解決策を生み出すきっかけになる可能性があります。

具体的な例としては、以下のようなケースが挙げられます。

  • エンジニアとして働いている人が、異業種交流会に参加して、マーケティングやデザインの専門家と出会う

  • 起業を目指している人が、ボランティア活動に参加して、社会貢献に熱心な人と出会う

  • 海外留学を経験して異文化や価値観を学んだ人が、国際的な仕事をする人と話す機会をもつ

このように、自分の興味や関心、目標や夢を踏まえて、直接関連していなくても少し視点をずらした広げ方をすることで、意味のある点作りにつながる可能性が高くなります。

さて、運がコントロールできないということも半分正しいと序盤に書きました。これは、具体的にいつのタイミングで点と点が繋がるか、自分ではコントロールできないということを指しています。コントロールはできませんが、どんな要素が作用して点が繋がるのかというと、時間や年齢が大きく関係してくるのは間違いないです。このことについては以前別の記事で投稿しましたので、そちらを是非参照してみてください。

つまり、将来に可能性を広げる点を若い頃から数多く持ち、それら点が繋がって実際にメリットをもたらすネットワークとなり始めるよう、じっくり気長に熟成を待つということが肝要です。そういった努力は、きっとある時点でフッと実ることでしょう。それが思いもしなかったタイミングで起こるので、人はそれを幸運と呼ぶのです。