見出し画像

スペインのベーシックインカム報道はデマだったのか〜現地在住日本人に聞いてみた

こんにちは、株式会社トラベロコの椎谷です。

先日、コロナウイルスの感染者数が世界第2になったスペインで、経済の立て直しを目的として、すべての国民に所得保障として一定額の現金を支給する「ユニバーサル・ベーシックインカム(最低所得保障)」制度が導入されるという、衝撃的なニュースが流れました。

過去世界恐慌やオイルショックなどの世界的な不況が起こった際に、様々な経済立て直し策として、「お金にまつわる」経済刺激策が検討、実施されてきたという歴史があるので、今回「ベーシックインカム」の議論が出ることは当然だとは思います。

しかし、正直「ベーシックインカム」を導入するというという話は、言うほど簡単ではなく、もともと国の財政に問題を抱えていたスペインがこのタイミングで導入するという話は、信じられないことだと思っていました。

やはりというか、このニュース報道の直後に別の記事では、報道内容は間違いで、実際には最低限の収入しか得られていない人を対象とした給付だという記事もUPされ、情報が錯綜している状況のようでした。

そこで、今回私の方でも、ロコタビを使ってスペイン在住日本人(ロコ)の方に、この報道について質問したところ、以下のような回答がきたので、ご紹介します。

簡単にまとめると、スペインで「ユニバーサル・ベーシックインカム」が導入されるというニュースは誤報で、日本で言う雇用調整助成金のようなERTEという雇用維持補償からもれた労働者や貧困層に対して、「世帯収入450ユーロ以下、あるいは一人当たり200ユーロ以下の収入しかない世帯にひと月500ユーロ、3ヶ月期限で支給する」というのが本当のようです。

デマです。
現在スペイン国からの補助金は特別規制似てお店が開けられない場合、経営困難に陥った会社の社員を解雇しないためにERTEという制度があります。
これは、契約解雇をせずに労働者が失業補助金をもらえる制度です。
この補助金は普段の給料の7割になります。
又ERTEになった場合失業者には数えられません。
又、ERTEに含まれない労働者を解雇できない特例がだされました。
この特例により、(PERMISO RETRIBUIDO) 労働者が雇い主から給料が支払われます。
直訳すると有給許可ですが、支払われた分を規制解除後に労働で年末前までに取り戻すとの事です。
今のところ経営者側に援助はありません。
経営税の納期の延長だけです。
ネットで日本でのスペインの援助金や方針についての書き込みを見ますが、現状を把握していない上で間違った情報での物がほとんどです。
スペインの現状はマスクの入手が個人にとって不可能になっているので、自家製のマスクを使用しています。
殺菌剤はマラガデは薬局では先週まで品切れでした。今週の始めに入手できましたが、かなりの値上がりがされています。
経営側特別支援策としては、利子1%で銀行から借りられます。 銀行によって利子以外の条件が異なるとの情報もありますが、確認できていません。
農産についても昨日特例がだされました。
ユニバーサルベーシックインカム導入ついては誤報です
ベーシックインカムが確定した場合、全国民ではなく貧困世帯に450ユーロが支給されることになるというニュースです
スペイン政府が補償をカバーするとのことでERTE(一時解雇/レイオフ)が実施されていますが、それぞれ企業にはERTEを受けれる枠があり全ての人がERTEを受けれる状態ではありません
スペインには財源がないと言えるので全国民に一律支給はあり得ない話かと思います
左翼政党の希望/提案として出ていたユニバーサルベーシックインカムの話が1人歩きしたニュースだと思っています
何日か前から話題になっていたベーシックインカムですが、ある程度具体的に政府から発表になったのは本日4月10日です。
具体的に決まったのは、世帯収入450ユーロ以下、あるいは一人当たり200ユーロ以下の収入しかない世帯にひと月500ユーロ、3ヶ月期限で支給するということです。
ただ、具体的にどの世帯が条件に該当すると判断するのか、また申し込みをするなどの実際の運営に関してはまだ情報がありません。(ないと思います。)
今のところ、75%以上収入が下がった自営業の人に年金換算で70%を警戒体制持続中支給する、また自治州によっては収入激減した中小企業や自営業への援助なども多少ありますが、限度額があるので、多くには渡りません。
他に今まで発表されている国の援助は公式融資機関による融資援助です。

以上、スペインの現場からのお知らせでした。

今様々なコロナに関連する情報が報道されていますが、できるだけ現場に近い情報を得ることも大切ですね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?