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毎日クロスワード。4月27日,今日は何の日?ソクラテスの生まれた日!

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概要 このページでは「今日は何の日?」にちなんだクロスワードパズルを毎日提供しています。昔のことを思い出し,それを題材に周りのひとと会話するきっかけづくりにお使いください。毎日提供!(たぶん)

クロスワードにチャレンジ!

今日は何の日(ヒント)

4月27日はソクラテスの生まれた日です。

ソクラテスは紀元前470年ごろに生まれました。古代ギリシャのアテネ(あてね)の哲学者です。

「無知の知」という言葉で有名なソクラテスです。あるとき,ソクラテスの弟子が,アポロンの神託所に行き,巫女に尋ねました。「ソクラテス以上に賢いひとはいますか」。巫女は答えて言いました。「ソクラテス以上に賢いひとはいません」。それを聞いたソクラテス,たいへんに驚きます。自分自身でそんなに賢くないことはわかっています。それなのにどうして,そのような神託が降りたのだろう。

そこからソクラテスは人にあったりしながら考えを進め,ああ,自分は自分がものを知らないということを知っている,無知であることを知っている。けれども,世の中のひとは自分たちが無知だとは思っていない。無知であることに気づいていない。自分は気づいている。だから,私が賢者であると神託が降りたのだ。

こういう話です。なんとも神がかりなはなしで,哲学者でひとつひとつ対話(たいわ)を進めながら,ものごとを明らかにしていく態度と,神がかりというか,天下りというか,盲信というか,全然理性的でないものがひとりの人間のなかに同居しているのが面白いですね。

ウィトゲンシュタインもそうでしたね。ひとはそういう相入れないふたつのものをもって,なのに矛盾なく生きていけるものなのでしょうか。

そういえば,ソクラテスには幻聴があったといいます。この点について,高橋正雄先生が,「病跡学とヒューマニズム:最終講義」のなかでこのように書かれています。

『クリトン』と同時期に書かれた『ソクラテスの弁明』には,裁判の席でソクラテスが,「私には一種の神的で超自然的な徴(声)が現れることがある」,「それがきこえるときには,それはいつも私が為さんとするところを諌止するが,決して催進することをしない」と発言するなど,ソクラテスに命令型の幻聴があったことを示唆する記述が認められる。

「病跡学とヒューマニズム:最終講義」

高橋先生によれば,ソクラテスは壮年期においては一種の変わり者で人々から嘲笑さえ受けていましたが,晩年には人格者としてひとびとから尊敬されていました。同じ人間に対する評価とは思えないですね。数十年の間に,ひとが変わった,変わったかと思うぐらいの著しい人格的成長がソクラテスにあったということでしょう。

さらに言えば,漱石に病の体験を通じて人間的にも成長して寛容になる PPG,と呼べるような現象があり,ソクラテスも,壮年期には(中略)その狂気・変人ぶりが揶 揄・嘲笑されていたのに対して,晩年にはプラトンに感銘を与えるような人格者になるなど,やはり PPG を思わせる変化があったように,今日われわれが病跡学の対象としている天才の多くは,PPG もしくはより一般的に PDG(postdisorder growth)を達成した人物ではないかと思われる.

「病跡学とヒューマニズム:最終講義」

精神疾患に苦しむひとは多いですが,場合によっては,苦しみのなかでもがき苦しむだけでなく,人格的な成長もありうる,疾患の寛解もありうるというはなしは,十分な希望(きぼう)になります。

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