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[ 地震・津波 ] 自宅にいるときや帰宅中に地震にあったらどうするか,決めていますか?

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碑,過去からのメッセージ

「アゲイン・マイ・ライフ」や「ブラッシュアップライフ」のように,もう一度人生を生き直すというドラマが人気だ。多くのひとには,今も悔いている過去の苦い選択があるからだろう。今の自分だったら,ああはしなかった。そうしたら,こんな人生にはなっていない。そう悔いることが,多くのひとにあるのだろう。

水害碑や津波碑と呼ばれる記念碑がある。過去の悲惨な災害を後世に残し,過去からわたしたちへの「こういう場合にはこう行動すべし」というメッセージが書かれている。理性を失いがちな非常事態に,どうすれば生き残れるかといった答えが書かれているわけだ。ひとは人生を繰り返すことはできないが,一度同じような体験をした人だったらどう行動するか,そう考えて過去に学び,現在に対処するとき,より適切な行動をわたしたちはとれるはずだろう。

碑とわたしたち

齋藤・廣井 (2020) は,和歌山県を調査地域として,津波碑がわたしたちの防災意識に与える影響を検討している。

https://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/00045335

彼らの研究によれば,およそ9割のひとが津波碑が防災伝承に役立つととらえていることがわかった。特にどの地点まで津波が来たかと言った情報が重要であると人々はとらえているようだ。津波の到達地点がわかれば,どこまで避難すべきかとるべき行動を決めることができるからであろう。

しかしながら,津波碑があったとしても,例えば小学生が見学にいって過去の歴史を学ぶといった使われ方をしていることはほとんどないようである(齋藤・廣井, 2020)。とても,もったいないことだと思う。

現代の災害碑

それで思い出すのは,浸水深表示板。よく電信柱などに,何々川が反乱したり,地震・津波があった場合,この地域は最大何メートル浸水するとかを示した掲示物だ。歩いていると,日に何度も何度も目に入る。その水深の深さをみてわかることは,高台の方,あるいは指定された建物の2階以上にすぐに移動しないと助からないということだ。

そのうち大地震が起きるだろう。どれくらいの被害がでるか。わたしたちはもうそれをよく知っている。起きたとき,どうすべきか。どこに避難するか。

過去たてられた津波碑。自分たちのように苦しまないようにと昔のひとがわたしたちのために立ててくれたものだ。同じ発想で,街のそこかしこにある浸水深表示板。

そのときがきたら情動的になって理性的な判断ができなくなるだろう。自宅にいるときに地震がおきた場合は,自分はどこに避難すればよいのか,帰宅途中のときには,どこにどうやって向かえばいいのか。冷静に考えられる今,命の守り方を具体的にかんがえておくことが本当に今必要だ。

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