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今日は何の日?7月27日は,バールーフ・デ・スピノザの生まれた日!

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概要 このページでは「今日は何の日?」をテーマに,今日生まれたひとは,今日あった歴史的出来事について書いていきます。昔のことを思い出し,それを題材に周りのひとと会話するきっかけづくりにお使いください。毎日提供!(たぶん)

今日は何の日


7月27日は,バールーフ・デ・スピノザの生まれた日です。

オランダの哲学者です。

神さまというと,私たちの生活をどこか空かでも眺めているようなイメージを私たちの多くはもっていると思います。そして,私たちの在り方に影響を与えていると考えることが多いでしょう。私たちは神を私たちの世界とは別の世界にいて,私たちの世界に影響を与えていると想像しがちです。

スピノザの考える神は,私たちが思うような私たちから外在している神ではありません。私たちの世界のありよう,私たち人間のありようを内から決定づけているものであり,まさにあらゆるもの内にあるものだとスピノザはとらえています。

私たちの考えること,わたしたちのすることが,神の作用によるものならば,悪い考え,悪い行いも,また神の作用によるものということになるのでしょうか。

スピノザはそうは考えていないようです。人間には理性と情動のふたつの側面がありますが,理性のはたらきが情動によって曇らされてしまう。理性は神由来のものですが,理性のはたらきが人間のもつ情動のはたらきによって不完全なものになってしまう。この不完全な状態が悪の状態なのでしょう。

人生において何よりも有益なのは知性ないし理性をできるだけ完成することであり,そしてこの点にのみ人間の最高の幸福,すなわち至福は存在する。たしかに至福とは,神の直感的な認識から生じる魂の安堵そのものにほかならない。他方,知性を完成するとはこれまた神,神の諸属性,および神の本姓の必然性からなる諸活動を認識することにほかならない。したがって,理性に導かれる人間の最終的な目的,いいかえれば,彼が他のすべての欲望を統御するにあたって基準となる最高欲望は,彼自身ならびに彼の妊娠の対象となりうる一生の事物を妥当に理解するように彼を駆る欲望である。

スピノザ「エチカ」

物語に現れるような神の姿はもう想像する必要がなくなります。私たちが恐れなければならないのは,悪事をなした結果の罰ではなく,悪事をなすこと自体になるわけです。

しかし,恐るというのも情動の一種ですね。情動をもたない理性的な存在。生物である以上,情動をもたざるをえません。ですから,情動にとらわれないで,情動とうまくつきあい,物事を明らめていく態度が必要ということでしょうか。

それって,禅みたいですね。

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