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Long COVID

▼先日,Twitterで気になる表現を見かけました。

▼ "long COVID"をGoogleで検索してみると,既に日本でも研究が始まっているようでした。

インフルエンザならば、「2週間前は大変だった」という感じで、症状が出ている時期と回復後は大きく異なる。しかしCOVID-19の場合は、症状が長く後を引き、倦怠感や呼吸苦があって仕事に行けないなど日常生活に影響を及ぼす症状が多く、大きな社会的問題にもなりうるので、その点は懸念していた。その中でも、「髪が抜ける」という訴えで来院する患者さんが相当数確認されていた。患者さんの多くは、脱毛がCOVID-19罹患と関係があるとは思っていない様子だった。われわれ医療者側も、当初は脱毛とCOVID-19とがすぐには結び付かなかった。しかし、そういう人が増えてくるにつれて、COVID-19の晩期症状の1つとしてあり得るのではないかという考え方にシフトしていった。そこで、晩期症状としての脱毛を検証しようという方針になった。

▼この long COVIDということばが気になったのは,その前にたまたま次のようなツイートも目にしていたからでした。

7 year-old Logan had COVID. Then 6 weeks later he began vomiting, then his feet & hands swelled and he developed a rash. Thankfully he survived.
(7歳のローガンはCOVIDにかかっていた。それから6週間後,彼は嘔吐を始め,その後,足と手が腫れて,発疹が出た。幸い,彼は生きのびた。)

▼コロナ治癒の6週間後に後遺症が出た可能性がある,ということです。詳しいことがこの記事に書かれていました。

▼そして先ほど,爆笑問題の田中裕二さんが脳梗塞で病院に緊急搬送されたというニュースを目にしました。

 田中と別れて2時間後の午前2時ごろ、田中の妻で女優・山口もえ(43)から「今から救急車を呼びます」と電話があり、かなり「動揺していた」という。田中は激しい頭痛を訴え、救急搬送されたが、「幸いというか、血管が裂けて出血していたのが固まったので。お医者さまは手術はしなくていい、と。いろんなラッキーが重なった」と搬送先の病院での処置により、幸い大事に至ることがなかったことを明かした。
 コロナ禍のため、光代社長はもちろん、妻の山口ら「家族も面会できない」状態。光代社長は、「病名が怖い(前大動脈解離による、くも膜下出血、脳梗塞)んですけど、(田中)本人は、普通に、というか、しゃべれている、とお医者さまから聞いています」と命に別状もなく、今のところ後遺症もないことを説明。

▼田中さんは2020年8月にコロナウイルスに感染し,9月に復帰しました。それから3カ月以上経過していますから,田中さんの今回の症状がその感染と関係しているかどうかはわかりませんが,long COVIDという言葉を考えると,つい関連性を連想してしまいます。

まだわからないことだらけ

▼以前,厚生省ではこのような発表を行っていました。

6.全国の若者の皆さんへのお願い
10代、20代、30代の皆さん。
若者世代は、新型コロナウイルス感染による重症化リスクは低いです。
でも、このウイルスの特徴のせいで、こうした症状の軽い人が、
重症化するリスクの高い人に感染を広めてしまう可能性があります。
皆さんが、人が集まる風通しが悪い場所を避けるだけで、
多くの人々の重症化を食い止め、命を救えます。

▼確かに,統計的には低いのかもしれません。しかし,たとえば以下のツイートのスレッドを見ると,決して油断することができないことも確かではあります。

「これはCOVIDにより死亡した,かけがえのない,無垢の子どもたちのスレッドである」

▼日本ではまだこうした子どもの重症化・死亡の症例は報告されていないと思いますが,ひょっとしたら今後,先ほど引用したツイートにあったように「回復して数週間後に身体に異変が生じる」ということも考えられます。そしてそれは,ある意味,ロシアン・ルーレットのようなもので,いわゆる「サイトカインストーム」によって体調が激変し,「大丈夫だ」と高をくくっていたら突然死亡する,ということだってありうるのです。

自宅などで死亡、昨年122人 コロナ感染、12月急増―警察庁
2021年01月06日12時20分


 新型コロナウイルスに感染後、医療機関以外の自宅などで体調が悪化して死亡した人が昨年3~12月で計122人に上ることが6日、警察庁のまとめで分かった。特に12月は56人と急増した。
 全国の警察は、医療機関以外で死亡した人の死因を検視や解剖で調べている。
 警察庁によると、122人は都道府県別で東京が最多で36人。大阪25人、兵庫11人と続いた。年代別では70代が39人で最も多く、60代23人、80代22人、50代20人、90代9人、40代6人、30代2人、不明1人と続き、20代以下はいなかった。
 性別では男性が89人、女性が33人。月別では4月の21人を除き、11月まで10人以下で推移していたが、12月は56人と急増した。
 56人のうち、自宅や高齢者施設、療養先のホテルなどで死亡した人は50人。外出先の路上や店のトイレなどで死亡した人は6人いた。
 生前にPCR検査を受けてコロナ感染が分かっていた人は18人。死後の検査で感染が判明した人は38人だった。

▼コロナウイルスについてはまだわからないことだらけですし,専門家が必死に研究を続けているはずですが,こうして世界中から症例が報告されていることを踏まえると,「コロナはただの風邪」だの「コロナはインフルみたいなもの」と軽視することは危険であり,冒頭に引用したツイートのように「肺炎は初期症状に過ぎず,その後の様々な症状こそ実はコロナの病状の本番ではないか」という説も信憑性を帯びてくる気がします。

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