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周富徳さんの思い出

▼たまたま YouTube で『料理の鉄人』を見て,周富徳さんのことを思い出したので,備忘も兼ねて。

▼もう10年以上前のことですが,周さんにお目にかかったことがあります。当時,私は倉敷の駅前商店街で小さな英語塾を営み,その商店街の専務理事として駅前商店街の活性化にも協力していました。

▼ある年の冬,倉敷市商店街(倉敷・水島・玉島・児島)のイベントとして,周富徳さんが各商店街で一定期間,料理を実演販売するという催しが開催されました。その時,会場の一つのなったのが私の塾の隣の駐車場で,そこに2週間ほど厨房付きのバスを停め,そこで周さんが料理をするという何とも贅沢なイベントでした。

▼お持ち帰りのチャーハン,餃子,ニラ饅頭などを周さんがその場で調理して販売するという企画で,通りかかった女子高生が「周さんだ!写メとっていいですか?」と大はしゃぎしていました。周さんは快諾したのですが,以前,漫画『炎の料理人 周富徳』で,「テレビや写真では笑わない。笑顔は料理の中に込められているから」という話を読んでいたので,本当かな?と思って眺めていましたが,その時も本当に真面目な顔で写真におさまっていたのが印象的でした(ちなみにその時,持っていた単行本にサインも頂戴しました(笑))。

▼そのイベントの間,何度かお話しする機会がありました。中でも特に印象に残っているのが,空の中華鍋を横向きにして大きなコンロで炙っていた時のことです。「何をしておられるんですか?」と尋ねると,「ああ,これね。こうして焼き付けると汚れも落ちるし,こびりつきにくくなるんだよ」と教えてくださいました。

▼とても気さくな方で,その後,商店街で行われた打ち上げでは商店主たちと大盛り上がりで(といっても,残念ながら仕事の都合でその時は顔を出せなかったので後から聞いた話ですが),「またいつかこんなイベントをしに来たいね」と話しておられたようです。残念ながら,周富徳さんは6年前の4月に誤嚥性肺炎のため鬼籍に入られ,その約束はかないませんでしたが…

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