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落合陽一『 Phantom Resonance: 「百鬼夜行と計算機自然」 』を観に行ってみた件

2023年9月3日(日)からはじまった、第1回日本国際芸術祭における醍醐寺内イベント『Phantom Resonance: 「百鬼夜行と計算機自然」』を観に行ってきました。この芸術祭は、2025年日本国際博覧会に先駆けて開催され、醍醐寺をメイン会場とし京都府市内で10月15日(日)まで開催されています。落合陽一さんの特別企画は、2025年日本国際博覧会のプロデューサー企画として、醍醐寺の霊宝館で行われました

10万点以上に及ぶ寺宝を収蔵する醍醐寺霊宝館

醍醐寺とのコラボレーションで、長らく眠っていた古道具や資材が大規模言語モデル(LLMs)を活用した対話型インスタレーションに生まれ変わりました。このプロジェクトは、真言宗の教え「モノに宿る知性と魂」とデジタルネイチャーの共通性に着目し、物質と非物質、過去と現在、人間と非人間、実装とイメージが多次元的に交錯する体験(Phantom Resonance)を提供しています。

この取り組みは、醍醐寺の文化遺産の保存と再解釈に留まらず、持続可能性や文化再発見といった現代課題にも対応(下記、落合さんの作品デモをご覧ください)。真言宗の教えと現代の関心事を結びつけ、社会の変化に対応しながら、精神的な知恵や民俗学の価値を再評価する機会を提供しています。

今回は、この特別企画についてご紹介します。この記事が実際に会場に足を運ぶきっかけとなれば幸いです。


ステートメント

落合陽一さんによる今回の展示コンセプトの解説です。

醍醐寺霊宝館入って左のエリアで開催してます

作品

落合陽一さんによる作品解説です。

落合陽一さんによる作品デモです。

オブジェクト指向青龍

この作品は木に関連する付喪神として考案されています。
糸枠、天蓋の頭、しゃもじが組み合わせられたオブジェクトの集合体であり、五行思想に基づいて解釈されています。
この作品は"オブジェクト指向青龍"という題名の絵の前に展示されています。青龍は東の方角、春、そして木のエレメントを象徴しており、その意味合いがこの作品にも反映されています。この一連の作品を通じて、手工業の重要性、文化財の価値、そして僧侶が日常で使用する日用品の意義が網羅的に表現されています。

デジタルネイチャー黒電話さん
The Object Oriented Azure Dragon

オブジェクト指向朱雀

この展示品は醍醐寺における火に関連する付喪神を3つの部分で表現しています。
1つ目は灯明の油差で、これは醍醐寺の僧侶が夜間に行う儀式や作業における火の管理に関連しています。
2つ目は香合で、これは祈祷の際に使用されるアイテムです。こちらは真言を唱えるような精神性を表現しています。
3つ目は鉄鉢で、これは僧侶が托鉢に使用するもので、食いしん坊というキャラクター特性を持っています。この鉄鉢とともに、スプーン、掃除用のハタキ、ヘラ、さらには金具の付いた木も展示されています。

デジタルネイチャー黒電話さん
The Object Oriented Vermilion Bird

オブジェクト指向白虎

この展示品は醍醐寺における金に関連する付喪神を表現しています。
具体的には、幡の鈴、斧、金剛鈴、五鉆杵、および啓台猫足金具といった金に関連するオブジェクトの集合体です。
これらのアイテムは白虎の絵の前に展示されており、儀式や法要、さらには木製品の制作に使用される道具を持つ神として認識されています。

デジタルネイチャー黒電話さん
The Object Oriented White Tiger

オブジェクト指向玄武

この展示品は醍醐寺における水に関連する付喪神を象徴しており、オブジェクト指向玄武の絵の前に配置されています。
具体的には、酒杯、水差し・水瓶、そして屠蘇器といった水に関わる道具から構成されています。
この作品はオブジェクト指向菩薩の視点で五行を表現しており、真言密教の要素と古い道具が現代的なスタイルで融合されています。

デジタルネイチャー黒電話さん
The Object Oriented Black Tortoise

オブジェクト指向麒麟

この展示品は醍醐寺における土に関連する付喪神を代表し、オブジェクト指向麒麟の絵の前に配置されています。
五行の観点から作られており、昭和初期の瓦、新居間の瓦、鬼瓦、土器など、多様な土に関する道具が集約されています。
これらの道具は、醍醐寺の歴史や僧侶の日常生活、修行、儀式などに関連する物語を持ち、それらが複雑に絡み合い独自の世界観を形成しています。

デジタルネイチャー黒電話さん
The Object Oriented Qilin

さいごに

落合陽一さんによる今回の作品のまとめです。

今年、落合陽一さんは大規模言語モデルにガッツリ取り組んでおり、落合陽一塾の配信でもいろいろなAIサービスや論文が共有され、プロンプトの入力画面もリアルタイムでシェア。出力結果から次のステップを考える過程や、それがどう論文や作品に生かされるかも解説がありました。
また、リアルで開催されるオフ会では塾生も実際に手を動かし、楽しみながら学びを深め喜びを共有しています。

そんな落合さんの新しい特別展が、9月17日(日)から飛騨高山の重要文化財、日下部民藝館でスタートします。タイトルは「落合陽一:ヌル即是計算機自然:符号化された永遠、オブジェクト指向本願」。

昨年の特別展「 偏在する身体 交錯する時空間 」もすごかったけど、

今年はさらにパワーアップしていた。

落合陽一さんのアーティスト活動、次は何が起きるのか!?目が離せません!

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