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令和6年のフットボール

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ゴフマン『行為と演技』についてのメモ2

ゴフマン『行為と演技』についてのメモ2

昨日の続き。
ここでゴフマンが「アメリカの中流階層」と言った時に問題もある。想起されるのが、ハーバーマスの公共圏への批判としてのナンシー・フレイザーの「サバルタン公共圏」である。それは、ハーバーマスの公共圏はブルジョアに限られていたという批判。
ここからひとびとの行動様式から、集団が形成される空間へ問題がシフトすることになる。

ゴフマン『行為と演技』についてのメモ

ゴフマン『行為と演技』についてのメモ

現在近くにあるのが誠信書房版のゴフマン『行為と演技』(石黒毅訳)なのだが、最初に読んでいた頃から気になっていたのは、ゴフマンは相互行為の記述において「アメリカの中流階層」というように範囲を限定して分析していることである。これはゴフマンの博士研究が、シェットランド島のフィールドワークだったのと関係があるだろう。つまり地域の集団を分析単位としていて、その特徴の範囲と説明の限界も織り込まれているというこ

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