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博士と妻

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大阪生まれの私(博士)と神奈川生まれの妻との日常
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#エッセイ

博士と妻 第七回 はんこ

博士と妻 第七回 はんこ

妻は結婚して名字が変わった。

となると必要なのがハンコである。

よくある名字であれば、たとえ持っていくのを忘れても、そこら辺の100円均一の店で買うことが出来る。

しかし、

「粟谷」という名字はそうはいかない。

タワーのような印鑑売り場ですら「粟田」「粟飯原」「粟野」「粟津」はあれど粟谷はない。

ふたりでハンコ売り場を見つけるたび、駆け寄っては肩を落とすことを繰り返していた。

やはり

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