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身体症状症(旧 身体表現性障害)とベンゾジアゼピン離脱症候群(4/4)

「指しすぎ」であるように思える患者さんを診察する場合でも、先入観を持たずに病歴を聴取し、ベンゾジアゼピン離脱症候群の診断が付き、条件を満たしていれば漸減を開始します。漸減が進み離脱症状が改善するにつれて、心気的な訴えが影を潜めることも少なくありません。

減薬には時間がかかるので、患者さんと顔を合わせる期間や積算時間は長くなります。それを活用して治療関係を構築し、患者さんの性格傾向やベンゾジアゼピン服用に関わる葛藤を少しずつ把握するよう努めましょう(これは、患者さんの離脱症状に身体症状症の重畳があろうが無かろうが必要なことです)。
患者さんには「あなたの主診断はベンゾジアゼピン離脱症候群ですが、それだけでは説明が付かない部分もあると思います。あまりに離脱症状に囚われすぎていて、結果として症状が強く現れてしまっているところがあると僕は考えています」と割と直接的な説明を、僕はするようにしてします。その程度の直面化はできる治療関係は築いておきたい。

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